日韓貿易紛争、米国にとっては有利?―中国メディア

人民網日本語版    2019年7月25日(木) 22時20分

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歴史問題の観点からも、国内の政治・選挙の必要性からも、グローバル・バリューチェーンにおける地位競争の必要性からも、今回の日韓貿易紛争はすでに尋常でない注目を集めている。

歴史問題の観点からも、国内の政治・選挙の必要性からも、グローバル・バリューチェーンにおける地位競争の必要性からも、今回の日韓貿易紛争はすでに尋常でない注目を集めている。日韓の紛争が激しさを増す中、トランプ米大統領は19日、日韓両国が共に要請した場合は介入する意向を示した。中国青年報が伝えた。

中国社会科学院世界経済・政治研究所の高凌雲(ガオ・リンユン)研究員によると、日韓紛争における「米国ファクター」は、重要な観点でもある。米国は今回の紛争において表面的な、あり得る調整者だが、それ以上に背後で操っているようであり、最大の利益を得る可能性もある。

いわゆる「貿易制裁」はトランプ政権の一貫した常套手段であるため、日本は米国を真似て貿易戦争を発動したのだと考えるウォッチャーがいる。高氏によると、日韓貿易紛争は米国の発動した一連の貿易戦争とはやはり違いがある。例えば、米国の発動した対中貿易戦争は主に関税措置を使っているうえ、多国間貿易ルールに露骨に違反している。さらに米国は自らの国内法を根拠に、国全体のパワーを使って中興通訊(ZTE)や華為技術(ファーウェイ)といった企業を抑圧しており、多国間貿易ルール及び自らの標榜する「普遍的価値」を完全に投げ捨てている。一方、日本が韓国に対して発動した「貿易戦争」は、ずっと「精妙」だ。日本は「これまで日本は韓国に優遇措置を与えてきた。韓国をこれまでのVIP待遇から通常待遇に降格するだけであり、世界貿易機関(WTO)のルールに違反しているわけではない」とする。

米国は現在の日韓貿易紛争であまり大きな影響を受けないと一般には考えられている。だが客観的には、米国が部外者を決め込むことはあり得ない。日韓両国間には歴史的怨念があるが、米国にとっては両国共に同盟国であり、親密な戦略パートナーだ。だが、日韓両国は相互牽制の関係にもあり、紛争がひどくなれば、米国をもっと必要とし、米国に依存するようになる。高氏は「したがって米国にとっては、日韓両国の争いが生きるか死ぬかのレベルに達して、自国のアジア太平洋戦略に影響が及ぶのでない限り、ある程度以下の争いは、自国にとって有利であり、歓迎するのだ」と指摘する。

「日韓貿易紛争によって中国の企業と製品への韓国企業の需要が増大するかもしれない。これは中国の一部の業種と企業にとって『チャンス』だ」と考える人々もいる。だが高氏は「産業チェーンが断ち切られるため、中国にとってマイナスだ。さらにこれは、日中韓自由貿易協定(FTA)交渉に影響を与え、日中韓さらにはアジアの経済統合プロセスの発展に影響を与える。中国は日中韓FTA交渉を加速する必要性を主張し続けてきたし、G20大阪サミットでも改めて主張した。また、RCEP交渉の早期妥結を後押しし続けてもいる。日韓対立はアジア地域全体の経済統合プロセスに極めて大きな影響を与える。日韓両国はこうした協力の重要な参加国なのだから」と指摘する。

実際には米国はかねてより、日韓が接近し過ぎることを懸念し、将来日韓への中国の影響力が強まっていくことを懸念してきた。「日韓の中国接近は、米国離れでもある」。このため高氏は北東アジア経済協力プロセスの遅滞の観点から見て「日韓貿易紛争の背後に、米国の影がないとは言い難い」と指摘する。日韓貿易紛争について、米国はまだ正式な姿勢表明をしていない。米国にとって日韓は共に同盟国であるため、どちらの側に着くか容易には表明しにくいのかも知れない。だが懸念を表明するだけでも、米国が「必要とされる」ことの重要性を示すのに十分だ。(提供/人民網日本語版・編集/NA)

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