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今年も酷暑のシーズンが訪れ、「北京ビキニ」姿も街中で見られるようになった。資料写真。
今年も酷暑のシーズンが訪れ、「北京ビキニ」姿も街中で見られるようになった。「北京ビキニ」とは、男性が公共の場でシャツをまくり上げて腹を出すスタイル、あるいは上半身裸の状態を指す。「北京ビキニ」は、ある地方特有の現象ではなく、中国全土の南から北まで、どの都市においても、真夏の木陰や生鮮市場、街のあちこちで見かけることのできる一種の「着こなし」となっている。法制日報が伝えた。
しかしこうした「北京ビキニ」スタイルをこよなく愛する人々にとって、最近「悪い知らせ」が届いている。それは済南や天津、瀋陽の各都市が、「公共の場所で上半身裸になったり、靴を脱いではだしになったり、むやみに肌を露出するといった夏のマナー違反行為を集中的に取り締まる」とする通達を発表したからだ。違反行為に対しては、指導や身元の公開といった処置のほか、50~200元(約80~320円)の罰金を科す都市もあるという。
■路地で多数見られる上半身裸の男性は街の景観に悪影響
「北京ビキニ」という呼び名については、次のような説がある。北京で暮らしている外国人たちが、夏に非公式な場所で中年の男性が将棋や碁を打ったり、おしゃべりを楽しみ、魚釣りをするといった姿を見かけるが、その際、共通しているのが中年男性たちがいずれも腹だけを出している姿だ。そしてそれを目撃した外国人たちがこうした「ユニークな風景」を話題にのせ、さらに海外メディアがこうしたトピックとして投稿された「北京ビキニ」という名称を引用し、このようなスタイルを「北京ビキニ」と呼ぶようになったという説だ。
酷暑の真っ最中である7月13日から15日の3日間、人通りの多い歩行者天国や商店街で取材を行ったところ、7月13日と14日はちょうど週末だったことから、簋街・南鑼鼓巷・後海・景山公園における人出はかなり多かった。しかし、あまり上品とは言い難いシャツをまくり上げた人や上半身裸の人は、5人しか見かけなかった。この5人は全員、中年と高齢者で、うち2人はシャツを着ていたがまくり上げており、残りの高齢者3人は上半身裸で、「肩を露出」していた。天安門広場・人民大会堂の周辺や軍事博物館などの観光スポットでは、観光客はいずれもマナーある服装で歩いており、「北京ビキニ」の人は一人も見かけなかった。
とはいえ、16日午前10時から10時半までの30分の間に、天安門と国家博物館の入口では、シャツをまくり上げ腹を出した状態の男性を少なくとも10人見かけた。
ネットユーザーらは総じて「北京ビキニ」という行為に対して反感を抱いているものの、こうした行為を取り締まることに対する意見は様々だった。
新浪微博(ウェイボー)が取り締まりに関する投票を実施したところ、「賛成。街の景観にマイナスの影響を及ぼすから」を選んだ人は22万3000人、「暑いから、腹出しや上半身裸もやむを得ない」を選んだ人は3万7000人、「本人への指導は良いが、罰金は行き過ぎ」という意見の人は4万2000人、「なんともいえない。ケースバイケースでは」とした人は7万5000人だった。
取り締まりに賛成するネットユーザーは、総じて、「このような行為は極めてみっともないもので、街の景観を損ねる」という意見だった。一方、取り締まりに反対するネットユーザーは、「このような行為は、確かにマナーに欠けるものだが、法律違反を犯している訳ではないし、個人の着衣の自由を制限する権利はないはず」という考えだった。
例えば、ネットユーザーから1151件の「いいね!」を獲得した新浪微博ID「whisperd」さんは、「上半身裸で街を歩いている男性は、本当にマナー意識が欠如しておりみっともない」と投稿した。
また、2085件の「いいね!」を獲得した豆瓣ID「柳小跳」さんは、「確かに見苦しいが、衣服着用を規範化することは、やや厄介な事態にならないだろうか」と投稿した。
企業家の羅永浩さんは、微博上で、「『北京ビキニ』は、もちろん私も良いとは思えない。だが、この種の行為を強制的に管理すべきではないと考えている」との見方を示した。
中国人民大学法学院の劉俊海教授は、取り締まりに対して支持を表明し、「上半身裸で街を歩くのは、視覚的に好ましくないだけではなく、何よりも公共の秩序を損なう行為だ」と指摘した。(提供/人民網日本語版・編集/KM)
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