専門家「日韓貿易紛争の本質はバリューチェーン競争」―中国メディア

人民網日本語版    2019年7月23日(火) 21時20分

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7月初めに本格的に始まった日韓貿易摩擦は、いまだに収束の兆しが見えない。

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7月初めに本格的に始まった日韓貿易摩擦は、いまだに収束の兆しが見えない。韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は先日も再び、日本の対韓輸出規制強化を自由貿易秩序に背く「経済報復」として、日本政府に即時撤回を要求した。中国青年報が伝えた。

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表面的に見ると、韓国への経済「制裁」発動は、元徴用工賠償問題での韓国側判決への不満といった歴史的積怨が引き起こしたものだ。文大統領による日韓慰安婦問題合意の破棄、韓国人元徴用工が日本企業を相手取り賠償を求めた訴訟での一連の勝訴、さらにこうした日本企業の在韓資産の差し押さえに対して、日本側は対処する必要があった。また、安倍政権は参議院選挙を目前に、対外強硬姿勢を示す必要があった。

こうした要因がなくても、日本は同様の経済措置を発動しただろうか?中国社会科学院世界経済・政治研究所の高凌雲(ガオ・リンユン)研究員の答えは「イエス」だ。「歴史的な積怨と衝突は今に始まったことではなく、慰安婦問題も、独島(日本名・竹島)問題も長年続いてきた」。高氏は「グローバル・バリューチェーンの観点に立てば、日本の対韓『制裁』発動は本質的にはやはり競争の問題だ。誰もが半導体その他の産業チェーンにおいて主導的地位を占めることを望んだからこそ、今回の紛争が勃発した。今回の日韓貿易衝突はまだ『貿易戦争』とは呼べず、『貿易紛争』と呼ぶのが比較的適切だ」と指摘する。

日本が規制対象に「フッ化ポリイミド」「フォトレジスト」「高純度フッ化水素」の3品目を選び、また貿易紛争の発動時期に7月初めを選んだ理由について、高氏は「日本は独自の技術や優位性ある技術を持つ製品が非常に多く、選べる制裁対象製品も多い。この3品目の材料は、日本への影響が最も小さい物を入念に選んだはずだ。発動時期だが、G20サミットが6月28、29両日に大阪で開かれた。サミット前に発表すれば、日本が非常に重視するサミットの雰囲気に影響を与えるのは必至だ。サミットが閉幕するや、日本は3品目の対韓輸出規制を発表した。日本がこれをだいぶ前から計画していたのは明らかだ」と指摘する。

次に、日本の輸出管理機関が「90日」内に日本企業による対象製品の対韓輸出を許可するか否かを考えてみる必要がある。許可した場合、紛争が拡大し続けることはないだろう。許可しなかった場合、日本側の「制裁」措置は実質的に禁止令に等しいことになる。高氏は、輸出許可を出さない可能性が比較的高いと考える。本当にそうであった場合、韓国への影響は非常に大きく、韓国は受動的立場に置かれる。たとえ韓国企業が一定期間内に代替材料を探すことができても、万全の策ではない。韓国の民間ではすでに日本製品不買、訪日旅行ボイコットなどの声が上がっている。韓国側はまだ強硬な発言をするだけで、具体的な対抗措置は完全に打ち出していない。

高氏によると、韓国政府ブレーンも日本の需要が比較的多い製品は何か、日本に「致命的打撃」を与える道具にできる韓国製品は何かを確実に研究している。例えば自動車部品だ。だが韓国は遅々として対抗措置を打ち出していない。対抗効果に懸念があるのだとみられる。結局のところ、韓国市場は比較的小さく、対抗手段も比較的少ない。しかも韓国企業自体生産能力が比較的大きく、ひとたび日本に対抗すれば、日本市場を他国企業に奪われる恐れもあるため、踏み切ることができないのだ。高氏によると、韓国はまだ交渉による問題解決を望んでおり、いくつかの妥協をするかもしれない。例えば労働者賠償訴訟の日本企業資産差し押さえの問題で、国内的に制限を行うかもしれない。「たとえそうでも、日本による今回の『制裁』とニーズに応じただけだ。長期的に見れば、産業チェーンに基づく日韓間の競争はまだ続いていくに違いない」。

3品目の対韓輸出規制は、日本政府にとって最初の一手に過ぎないと分析される。日本メディアによると、日本は後続の対韓報復措置190件余りを検討している。つまり韓国政府の対応措置を見て、日本はさらに強力な経済報復を発動するものとみられる。(提供/人民網日本語版・編集/NA)

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