「分かりづらい!」の声も、「史上最も厳しいごみ分別」が始まった上海を取材

配信日時:2019年7月25日(木) 7時20分
「分かりづらい!」の声も、「史上最も厳しいごみ分別」が始まった上海を取材
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中国上海市で1日、市民一人ひとりの生活に大きく関わる条例が施行された。「史上最も厳しいごみ分別措置」と言われる「上海市生活ごみ管理条例」だ。写真は取材に応じてくれたRebecaさん。
中国上海市で1日、市民一人ひとりの生活に大きく関わる条例が施行された。「史上最も厳しいごみ分別措置」と言われる「上海市生活ごみ管理条例」だ。

中国では近年、ごみ分別に関する取り組みが全国各地で次々と行われている。中国がごみ分別を急ぐ理由として挙げられているのが、「長年の不適切なごみ処理による環境汚染、健康被害」だ。ある村では、村の近くにうず高く積まれたごみの山が生活用水の水源を汚染するという問題が起きた。中国全土で出る生活ごみの量は年間約4億トンに上り、しかも毎年約8%の速さで増加しているという。中国はごみを分別することによってごみ処理に伴う汚染を最低限に食い止めたい考えで、上海のごみ管理条例は第1条で「生活ごみの管理強化、人々の生活環境の改善、入念な都市管理の促進、生態の安全維持、経済社会の持続可能な発展を保障するために本条例を制定する」とうたう。
写真は上海のごみ箱


ただ、「生活環境の改善」を実現するための同条例に、市民からは不安や戸惑いの声も上がる。「リサイクル可能なごみ」「有害ごみ」「水分を含んだごみ(生ごみ)」「乾燥したごみ(生ごみ以外の燃やせるごみ)」という分別方法は分かりづらいというのだ。個人が分別せずにごみを捨てた場合は最高で200元(約3200円)の罰金が科せられる。「生ごみが乾けば乾燥ごみになるのだろうか」との疑問の声が聞かれ、インターネット上には「ブタが食べられるのが水分を含んだごみ、ブタでも食べないのが乾燥したごみ、ブタが食べて死ぬのが有害ごみ、売ってブタと交換できるのがリサイクル可能なごみ」というユーモラスな解説が登場し、話題を呼んだ。
写真はごみ分別について学ぶ子どもたち


一方、ごみ分別にビジネスチャンスを見出す動きも。中国のインターネット上には「ごみを訪問回収いたします」と宣伝する業者が見受けられる。ある企業は「分けるのが難しい」「時間がない」「(ごみ捨て場が)遠い」「細菌がたくさん」という市民にとっての面倒や気がかりをかわいいイラストで表現したポスターを制作。料金は訪問回収なら月30元(約470円)、これに分別を加えると月60元(約940円)だ。
写真はごみの訪問回収サービスのポスター


ただ、こうしたサービスはそれほど広まっていないようで、記者が取材したある業者によると、利用者の数は「そこそこ」。現地では「生活はこの先ずっと続くもの。業者任せにし続けるのではなく、自分で分別できるようにならなければ」との声も聞かれる。

上海市民はごみ分別について、率直にどう感じているのだろうか。現地でマンションのメンテナンス会社を経営するRebecaさんは、「条例の発表から施行までとても慌ただしかった」「罰金という管理方法が一部市民の心をざわつかせた」「分別が徹底されていない団地もまだある」などの問題点を指摘する一方、「私も、私の周囲の人たちもごみ分別に賛成しています。環境にとっては良いことですから」「将来的にごみ分別は人々の習慣になるはず。生活に浸透するのは時間の問題です」と期待をにじませた。
写真は団地敷地内のごみ捨て場。Rebecaさん提供


中国はすでに海外からのプラスチックごみ輸入を禁止しており、本格的なごみ分別は環境保護に向けたさらなる一歩と言える。14億の人口を抱える大国の取り組みは、世界にどのようなインパクトを与えるのだろう。(取材/野谷
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