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5日、ニュースサイト「KINBRICKS NOW」は、中国の音楽配信サイトに“有料化”のうわさが広がっていると報じた。写真は2010年、南京で行われた海賊版DVD、CD販売店の摘発。
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2013年6月5日、ニュースサイト「KINBRICKS NOW」は、中国の音楽配信サイトに“有料化”のうわさが広がっていると報じた。
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海賊版天国・中国。なかでも音楽は簡単に高品質な海賊版を入手することができる。かつて中国の検索サイト・百度は「MP3検索」をリリース。インターネットで公開されている音楽ファイル(大多数は海賊版)を効率的に検索できるという内容だった。ところが最近ではQQ音楽、百度音楽などの音楽配信サイトが充実。「試聴」を名目に高品質の音楽ファイルが無料で聴き放題となるサービスを展開している。
この便利すぎる海賊版音楽の世界に対して、取り締まりを目指す動きが広がっている。昨年11月、ユニバーサル、ソニー、ワーナーなど大手音楽企業が大手音楽配信サイトに2013年中に有料化するよう申し入れたと報じられた。今年4月には中国国家版権局副局長が「ネット音楽の有料化は必然的」とコメントしている。
そして6月3日、大手音楽配信サイト高官が「5日から大手サイトは一斉に有料サービスを導入する」と発言、ついに“Xデー”がやってきたと波紋が広がった。実際には5日を境に無料サービスが終了するということはなかったが、一部サイトでは無料会員以上のサービスを受けられる有料プランが導入されているほか、他のサイトも準備を進めていることが報じられている。
この有料プランが驚くべき充実ぶり。320kbpsという高品質音楽ファイルがネットで聴き放題なだけではなく、専用アプリにダウンロードし放題という充実ぶり。それでいて値段は150〜300円程度だ。欧州ではSportifyという音楽聴き放題ストリーミングサービスが人気を集めているが、中国の有料音楽サービスはそれをはるかに上回る充実ぶりで、しかも安い。
海賊版が横行している国でも受け入れられるレベルの有料化ということなのだろうが、お金を払って音楽を買うことが当たり前の、隣国のユーザーからすると、信じられないようなサービスだ。この程度の料金でどれだけクリエイターに還元されるかは未知数なだけに、音楽版権の正常化をめぐっては今後も多くの関門がありそうだ。(筆者:高口康太)
■中国在住経験を持つ翻訳者・高口康太氏は、ニュースサイト「KINBRICKS NOW」を運営。ネットの流行から社会事情、事件、スポーツ、芸能など中国関連のトピックを幅広く紹介している。
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