中国各都市にコピー版「巨大アヒル」、背後に「社会的病気」―中国メディア

Record China    2013年6月6日(木) 6時30分

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4日、オランダの芸術家フロレンティン・ホフマン氏がデザインした「巨大アヒル」のコピー版が急速に「繁殖」し、その背景には虚栄・功利・浮わついた気分など「見逃してはならない良からぬ心理状態」が見え隠れしていると新華網が伝えた。写真はコピーされたアヒルたち。

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2013年6月4日。オランダの芸術家フロレンティン・ホフマン氏がデザインした「巨大アヒル」は、多くの香港市民を魅了した。しかし6月1日の「子供の日」を契機として、中国のほかの都市でも「巨大アヒル」のコピー版が急速に「繁殖」。見た目が可愛らしいアヒルは、人々の眼を楽しませた。しかし、このようなコピー版が繁殖する背景には、虚栄・功利・浮わついた気分など「見逃してはならない良からぬ心理状態」が見え隠れしていると新華網が伝えた。

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ホフマン氏がデザインした巨大なゴム製アヒルは、2007年に世界周遊の旅に出発、訪れた先々で熱烈な歓迎を受けた。今年5月、高さ16mの巨大アヒルが香港に姿を現し、香港中を興奮の渦に巻き込み、毎日数十万人が先を争うように見物に訪れた。このゴム製アヒルは、随分前から出回っており、小さいお風呂用アヒルのおもちゃは、数十年前から、中国の子供たちにも広く浸透していた。だが、ホフマン氏は「リラックスして生きる。政治的な意味合いから分断される国境など存在せず、他者から差別を受ける人間など存在しない」という全く新しいコンセプトをこのアヒルに託した。このようにして、小さなアヒルのおもちゃは芸術作品のレベルに格上げされた。盗作・模倣されやすいホフマン氏のアイデアを世界中が尊重したが、中国で結局模倣される運命になろうとは誰も想像しなかった。中国各地のコピー版「巨大アヒル」について、ホフマン氏自身は、「この現象は明らかに、信頼を損失させる出来事だ」とコメントした。

これについて、コピー版「巨大アヒル」を思いついた人々が恥と自責の念を感じるのは当然だが、それを観て大喜びした人々も、このような質の悪い「作品」にどんな意味や価値があるのかについて、深く考えるべきだ。オリジナルに最もよく似た模造品を作ることを競っている人々までいると聞くと、泣くに泣けず、笑うに笑えない。たとえホフマン氏の巨大アヒルと見た目はそっくりでも、設計精神や理念のかけらもない代物は、ただのゴム製おもちゃに過ぎない。

中国国内では、模造品の製造は昔から盛んに行われている。隙を突いた巧妙な手段によって、政府がどれほど粛清に乗り出しても、全てを叩き潰すことはできない。世界中の有名建築物はどんなものでも、中国にそれを模倣・縮小した観光名所がある。パクリの建築デザインは、国内各地の不動産販売の売れ筋物件になり、開発業者が得意満面で高い売り値をつけている。海外有名ブランド化粧品も、国内にはコピー化粧品が出回っている。商品名からパッケージデザインにいたるまで、本当にそっくりだ。人々に痛恨の気持ちを抱かせるような模倣品がどうして市場から消えないのだろうか?模造品が横行している背後には、恥を知らない模造品メーカーのみならず、コピー商品を後押ししている「虚栄」と「功利」という人々の心理がある。

多くの人は、香港まで「巨大アヒル」を観に行くことができないので、コピー版「巨大アヒル」を観て満足する。高級品に触れるチャンスがないので、代わりにコピー商品を持つ。模造品が横行している背後には、無知で意識の低い大衆心理が存在しており、その心理は、知的財産権に対する無知と軽視に満ちあふれている。

芸術品であれ商品であれ、そのデザイン理念は、作品の核心かつ魂であり、製作者や芸術家の思想の境地や精神的素養を示している。盗作・模造は、我々が独創性を無視し、精神性を失っている事実を裏づけるものであり、模造品が生き続ける土壌となっている。(提供/人民網日本語版・翻訳/KM・編集/武藤)

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