故宮の文化財修復職員に注目集まる、4万人以上が応募―中国

人民網日本語版    2019年7月16日(火) 18時20分

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ドキュメンタリー番組「我在故宮修文物(故宮で文物を修復する私)」が大ヒットしてからというもの、故宮の文化財修復職員は瞬く間に「ネット上の人気職業」となった。

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ドキュメンタリー番組「我在故宮修文物(故宮で文物を修復する私)」が大ヒットしてからというもの、故宮の文化財修復職員は瞬く間に「ネット上の人気職業」となった。故宮博物院故宮学院の単霽翔(シャン・ジーシアン)院長は10日、北京でテーマ講演し、「故宮の文化財修復職員募集に応募する若者がこの4年間で急増しており、今年は88人の新人職員募集に対して、4万人あまりが応募した」と紹介した。

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単院長によると、ネットワーク時代の絶え間ない発展にともない、故宮自身も5G時代を迎えることになり、故宮と華為(ファーウェイ)は「5G故宮」を共同で建設する目的で、すでに戦略協力協議を締結したという。

「5G故宮」は、次の2項目を目標として掲げている。

1.あらゆる可動文化財と非可動文化財に対する厳しい監視コントロールを実施。

2.来場者に対するサービスとして、数カ月以内に、故宮を訪れた来場者は、携帯端末を開けば、その日の展示物や展示内容に関する情報をすぐ得ることができるようにする。

また、単院長は、「1月から3月は、故宮のオフシーズンだが、1日あたりの来場者数は延べ8万人を上回り、かつ、その50%以上が30歳以上の若者だった。私は、このような情勢は、博物館としてあるべき姿だと思っている」との見方を示した。

単院長によると、ドキュメンタリー番組「我在故宮修文物」がヒットして以来、故宮で文化財修復の仕事に就くことを希望する若者が急増しており、多くの若者が応募することで、100年を誇る故宮博物院の歴史にフレッシュな血が注ぎ込まれたという。「故宮は今年、88人の新人修復職員を募集したところ、4万人余りが応募した。厳しい審査を経て、有名大学の大学院修士課程卒業以上の1万7千人が採用試験に臨んだ」と院長は説明した。

一部のネットユーザーからは、「学歴と能力はイコールではない。有名大学の学生が木工職人の仕事をできると言うのだろうか」というコメントが寄せられたが、その後、このコメントは、より多くのネットユーザーから、「文化財の修復と言う仕事は、遊びではない。ましてや、学歴のハードルを引き上げることと、学歴さえあれば能力は不要、という考え方は同じではない」という修正意見が出された。

文化財修復士の蒋暁娜(ジアン・シャオナー)さんは、テレビ番組の中で、「文化財の修復プロセスは非常に複雑だ。最初の工程は、文化財の歴史を調べることで、それが何時代のものかを確認し、どの部分が欠落しているのかを把握する。それに続いて、文化財の欠落した部分の絵または色をピックアップして、自分たちが持っている材料で補填する。補填後、0.01ミリメートルのレベルまで細かく磨き上げる必要がある」と紹介した。山東省●博市博物館(●はさんずいに緇のつくり)の文化財修復士・畢延銘(ビー・イエンミン)さんは、「一人前の文化財修復士になりたければ、歴史・絵画・文字に関する基礎スキルを相当レベルで把握しておく必要があるだけでなく、さらに化学・物理・美学・材料材質など各分野での知識もある程度把握しておかなければならない」と指摘している。(提供/人民網日本語版・編集/KM)

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