日本の財政・金融刺激策に「通貨操作」の疑い=アベノミクスは日本と世界に災い招く―中国メディア

Record China    2013年6月4日(火) 7時20分

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3日、日本の安倍晋三首相が打ち出した財政・金融刺激策を受けて、日本円は昨年12月から大幅に値下がりしており、各国通貨に対して大幅に値下がりした。資料写真。

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2013年6月3日、日本の安倍晋三首相が打ち出した財政・金融刺激策を受けて、日本円は昨年12月から大幅に値下がりしており、米ドルに対しても、人民元に対しても、韓国ウォンに対しても大幅に値下がりした。ある経済・貿易アナリストによると、こうした動きは日本経済を振興し、日本の輸出を促進したが、ここには「通貨操作」の疑いがあると新華網が伝えた。

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安倍首相は昨年12月に一連の政策の「合わせ技」として、大胆な金融政策、機動的な財政政策、民間投資を喚起する成長戦略という3つの基本方針(三本の矢)を打ち出し、国際経済界から「アベノミクス」と呼ばれるようになった。

アベノミクスの中でもとりわけ大規模な金融緩和政策により、長期にわたり低迷状態に陥っていた日本金融市場は局面が転換した。円の対ドル、対人民元、対ウォンレートは大幅に低下し、日本の輸出はある程度活性化され、企業の利益は増加し、日本株も短期間で急速に上昇した。

中国社会科学院(社会科学アカデミー)のエコノミスト楊斌(ヤン・ビン)氏によると、安倍政権は集中的かつ極めて大規模に通貨を発行し、円安を進行させ、円レートを人為的に低く抑え、輸出を活性化・拡大しており、「通貨操作」の疑いが濃厚だという。

楊氏は、こうした動きは貿易相手先に抵抗感を抱かせ、日本経済自身にとっても、毒酒で渇きをいやすようなマイナスの動きに他ならないと指摘する。

大幅な円安は、韓国や中国といった日本の輸出構造との関わりが深い経済体の利益に影響を与えている。テレビやカメラなどの製品の製造分野では、日中間で激しい競争が繰り広げられている。また、日本と韓国は自動車や携帯電話などの分野で直接的な競争関係にある。

韓国現代経済研究院がまとめた研究報告によると、ウォンの円との交換レートが1%上昇すると、韓国の輸出額は0.92%減少する。ここ数カ月でウォンの対円レートは急速に上昇しており、韓国の輸出産業にとって深刻なダメージを与えているという。また、日本の過激な財政・金融刺激策が他の国・地域の金融の安定に与える影響にも、懸念の声が広がっている。

中国銀河証券の左小蕾(ズオ・シャオレイ)チーフエコノミストがミニブログで述べたところによると、日本が人為的な円安操作を続け、ゼロ金利やはたまたマイナス金利を続けるなら、より多くの資金が日本から流出してアジアの他の国・地域に押し寄せることになり、中国や韓国などの経済体はより大きな圧力にさらされることになるという。

ここ数カ月の間に、安倍政権の経済刺激策が日本の株式市場を持続的に押し上げてきた。だが今月23日には、それまで上昇の一途をたどってきた日経平均株価が突如「ワーテルローの戦い」(それまで連戦連勝だったナポレオン率いるフランス軍が大敗した戦い)に直面し、13年ぶりに一日の下げ幅の記録を更新した。それから数日間で日本の株式市場と債券市場は相次いで大幅な下落に見舞われた。こうして「アベノミクス」に疑問を抱く人がますます多くなってきた。複数の専門家が、国内の株式市場が暴落し、債券市場で金利が上昇しているから、日本の経済刺激策の弊害が現れ始めたことがわかると指摘する。

楊氏は、「アベノミクス」の本質は「バブル経済学」だとし、極端な緩和政策で日本経済の病を治療しようとしても、日本の極めて深刻な財政問題をさらに悪化させるだけであり、日本の金融危機の導火線となり、世界経済に災いを及ぼす可能性さえあると話す。

大幅な円安情勢に対し、左氏は「中国は引き続き改革を通じて経済発展における深層レベルの問題を解決しなければならない。これと同時に、人民元レートの基本的な安定を維持し、タイミングを見てレートの変動幅を拡大することでホットマネーの流入に対処し、国内の通貨供給量の増加を抑制することが必要だ」と述べた。(提供/人民網日本語版・翻訳/KS・編集/YM)

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