中国のCPIが4カ月連続上昇、果物43%・豚肉21%上昇―中国国家統計局

人民網日本語版    2019年7月11日(木) 20時40分

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中国国家統計局が10日に発表したデータによると、今年6月の消費者物価指数(CPI)は前年同期比2.7%上昇し、4カ月続けて上昇幅が2%を越えた。

中国国家統計局が10日に発表したデータによると、今年6月の消費者物価指数(CPI)は前年同期比2.7%上昇し、4カ月続けて上昇幅が2%を越えた。このうち果物価格が40%以上も値上がりし、豚肉価格も20%以上値上がりし、6月のCPI上昇を招いた主な要因となった。専門家は、「5月と6月は一年でCPIが高水準になる月で、CPIはこれから低下していくだろう」とみる。中国新聞網が伝えた。

■CPI上昇幅が4カ月連続で2%超

豚肉や果物などの食品価格の大幅上昇を受けて、6月のCPI上昇幅は5月の水準を維持して「2%台時代」が続いた。CPIの前年同期比上昇幅は今年3月から4カ月連続で2%を超えている。

6月のCPIは同2.7%上昇した。これは市場関連機関が打ち出した予測とほぼ一致する数値だ。金融情報サービスのWind資訊のデータによると、研究機関20カ所の6月CPI同上昇幅に対する予測値の平均は2.7%だった。最高は2.9%、最低は2.5%という。

北京大学経済学院の曹和平(ツァオ・ホーピン)教授は、「6月の物価上昇幅は拡大し続けてはいない。野菜価格の上昇幅が鈍化したことが主な原因だ」と指摘した。

データをみると、前月と比較した場合、CPIは前月の横ばいから0.1%低下に転じた。食品のうち、野菜が市場に大量に出回るようになり、価格は9.7%低下し、CPIを約0.25ポイント引き下げた。前年同期と比較すると、野菜価格は4.2%の上昇で、上昇幅は前月比9.1ポイント低下した。

■果物と豚肉の価格が大幅上昇

果物と豚肉の価格の大幅上昇は、6月の物価が引き続き上昇したことの「張本人」とみられている。

同局のデータをみると、果物価格は同42.7%上昇して、CPIを約0.71ポイント押し上げ、豚肉価格は同21.1%上昇して、CPIを約0.45ポイント押し上げた。

なぜ果物と豚肉の価格がこれほど急激に上昇したのだろうか。同局都市社会経済調査司の董雅秀(ドン・ヤーシウ)部長は、「果物の価格は42.7%上昇し、上昇幅は前月比16.0ポイント拡大し、CPIを約0.71%押し上げた。気候などの要因の影響のほか、前年同期の価格が比較的低かったことも上昇幅が拡大した原因の1つ」との見方を示す。

前月比では、スイカやモモなどが集中的に市場に出回って価格が低下したが、リンゴとナシは価格上昇が続き、上昇幅が大きかった。また、南方の一部地域で豪雨がたびたび発生して収穫と輸送に影響が出たため、ドラゴンフルーツやパイナップルなどの価格が上昇し、全国の果物価格は5.1%上昇し、CPIを約0.11%押し上げた。現在の果物価格は歴史的な高水準にある。

曹氏は、「季節要因のほか、パッケージなどのコストが上昇したことも、果物の価格大幅上昇の原因だ。豚肉価格の上昇はアフリカ豚コレラの影響により供給が不足したことのほか、飼料をはじめとするコストの上昇も重要な原因だ」との見方を示す。

■下半期の物価情勢はどうなるか?

同局のデータでは、上半期CPIは同2.2%上昇した。それでは下半期の物価情勢はどうなるだろうか。

交通銀行の連平(リエン・ピン)チーフエコノミストは、「非食品価格とコアCPIの安定戦略を踏まえると、総需要の物価引き上げ効果ははっきりせず、経済に明確なインフレリスクは存在しない」と述べた。

連氏は続けて、「下半期CPIは持ち越し効果が目立って低下することや増値税(付加価値税)の効果などにより、豚肉価格上昇がCPIの前年同期比上昇幅に与える影響をある程度リスクヘッジするとみられ、今年のCPIの前年同期比上昇幅は平均で2.5%以内に収まるとみて問題はない」と述べた。

国家発展改革委員会価格モニタリングセンターの盧延純(ルー・イエンチュン)センター長はさきに、「今年5月と6月は一年でCPIが高水準になる月で、CPIはこれから低下していき、年末には小幅の反転上昇が出現する可能性がある」との見方を示した。(提供/人民網日本語版・編集/KS)

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