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日本は商業捕鯨再開で多大なリスクを背負う

配信日時:2019年7月11日(木) 13時0分
7月1日、大型の母船1隻と小型の捕鯨船2隻が、日本の山口県下関市の下関港を出発し、期間3カ月間の深海捕鯨の旅が始まった。同じ日に日本各地の小型捕鯨船5隻が北海道釧路市の釧路港を出港し、臨海で作業を行い、ミンククジラ2頭を捕獲した。この2頭は日本が31年ぶりに商業捕鯨を再開して、初めて捕獲したクジラでもある。「経済参考報」が伝えた。

日本の商業捕鯨再開は国際世論の激しい非難を招いた。オーストラリアのマリズ・ペイン外務大臣とメリッサ・プライス環境大臣は2日に連名でコメントを発表し、「日本の商業捕鯨再開に深く失望している。オーストラリア政府は引き続きあらゆる形の商業捕鯨といわゆる『調査捕鯨』に反対するとともに、日本にただちに国際捕鯨委員会(IWC)に復帰するよう求める」と述べた。環境保護団体シーシェパードは1日にコメントを発表し、「シーシェパードの最終目標は世界で捕鯨禁止を実現することであり、今後も日本をはじめとする違法な捕鯨を行う国に圧力をかけていく」とした。動物保護団体はさきにIWC本部がある英国でデモを行い、日本に捕鯨停止を求め、停止しなければ東京五輪をボイコットすると訴えた。

日本には昔から捕鯨とクジラ肉を食べる伝統がある。日本人にとって、クジラは頭のてっぺんからしっぽの先まですべて貴重なもので、クジラ肉は豊富なタンパク質を含み、鯨油は燃料になり、ひげは釣り竿に利用され、その他の部位は肥料として利用されてきた。日本政府は商業捕鯨を再開してクジラの肉を食べる文化を保護するとともに、捕鯨の伝統がある地域の観光産業の発展を後押しすることを期待している。しかし過去数十年間の日本社会のクジラ肉消費に起きた大きな変化を考えなければならない。統計によると、日本人の食肉消費に占めるクジラ肉の割合は、第二次世界大戦終結時の半分近くから、現在は0.1%未満に低下した。日本国内のクジラ肉年間消費量はわずか3千トンで、1962年のピーク時の23万3千トンの80分の1しかない。

日本小型捕鯨協会の貝良文会長は、「クジラ肉がいくらで売れるかはっきりしないし、捕鯨の費用がどれくらいかかるかもはっきりしない。商業捕鯨再開後、クジラ肉市場は独占状態がなくなり、需要に基づいて市場価格が決定されることになる。しかし、クジラ肉の需要が再び増加するようになるのは決して簡単なことではない」と関係者の苦悩を語る。クジラ肉の販売業者は、「2000年以降、クジラ肉の在庫をどうやって処理するかをずっと考えてきた。国際的大型スーパーチェーンはクジラ肉の販売には非常に慎重で、一般的に捕鯨ネットワーク都市のスーパーにクジラ肉コーナーがあるだけだ」と話す。

今のところ、捕鯨産業は短期的には国の補助金がなければ維持できない。19年度の日本の捕鯨関連予算は51億円で、有名な捕鯨地域である山口県下関市と和歌山県太地町はそれぞれ安倍晋三首相、自民党の二階俊博幹事長の票田だ。日本の農林水産省の関係者は、「永遠に補助金が出るわけではない」と言いつつ、いつ補助金をやめるかは明言しない。

また日本政府は商業捕鯨の再開により外交的リスクを引き受けなければならない。海洋法に関する国際連合条約は、「鯨類については、その保存、管理及び研究のために適当な国際機関を通じて活動する」(第65条)と規定する。日本の外務省の関係者は、「日本はIWCを脱退したが、引き続きオブザーバーとして関わっている。海洋法に関する国際連合条約に違反する状況は存在しない」と話す。しかし日本の専門家で、「反捕鯨国が条約に違反したとして日本を国際法廷に訴えたら、日本は敗訴する可能性が高い」とみる人もいる。カナダはIWCのオブザーバーであり、捕鯨は行っているが、先住民族に限り、かつ年間の捕獲頭数を数頭としており、日本の大規模な捕鯨と同列に論じるべきではない。

日本の商業捕鯨はさらに「ワシントン条約」のクジラ肉の国際取引及び公海での捕鯨活動を禁止する条項に違反している疑いがある。日本が今回、商業捕鯨の対象とした3種類のクジラは、いずれも同条約で絶滅の危機に瀕しているため国際取引が禁止される対象リストに入っている。同条約締約国である日本は、「条約の管理コントロールの範囲は公海に限られる、日本の商業捕鯨は日本の領海と排他的経済水域(EEZ)であり、条約の制約を受けない」と主張し続けてきた。しかし日本の商業捕鯨の対象に絶滅の恐れがあるイワシクジラが含まれるのは争えない事実であり、日本は自己矛盾の難しい境地に陥ることは避けられない。(編集KS)
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