ドラマ「水滸伝」の若きプロデューサー、製作秘話と中国テレビ業界の今を語る―中国

Record China    2013年5月22日(水) 14時43分

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20日、33歳にして「水滸伝」の完全映像化という巨大なプロジェクトを成功させた若き中国のプロデューサー、ワン・ガン氏に中国のテレビ業界の今、そして水滸伝の製作秘話を聞いた。

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2013年5月20日、「三国志演義」「西遊記」とともに中国三大名著に数えられる「水滸伝」が、物語の基となった北宋時代の動乱から1000年もの時を経て、完全映像化された。中国史上最高額となる製作費55億円もの巨額を投じて、中国ドラマ史上空前絶後のスケールで描かれる歴史スペクタクルドラマはどのようにして生まれたのか?

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33歳にして巨大なプロジェクトを成功させた若き中国のプロデューサー、ワン・ガン氏に中国のテレビ業界の今、そして水滸伝の製作秘話を聞いた。

「前までは中国にはプロデューサーという存在がなく、テレビを撮るのも、ドラマを撮るのも、全部国有でした。その時は監督中心の制度をとっていて、監督は専門の学校を卒業して、給料をもらい、国のために作品を作るというようなかたちでした。しかし今は、市場の発展によってプロのプロデューサーというニーズができました。それはもともとなかったものなので、プロのプロデューサーは中国では若いのです」と語るワン氏は、2007年から「水滸伝」の撮影準備に入ったが、当時はなんと27歳。5年かけ世に送り出した「水滸伝」だが、55億円もの巨額の資金はいったいどのようにして集まったのか?

ワン氏は、「資金集めはとても簡単でした。『水滸伝』というキーワードは、中国人のいる場所、中華系全てみな歓迎してくれました。政府としても、誰としても参加したい気持ちが強かったのです。誰でもこの中国の『水滸伝』を一番上手く、最高の状態で撮りましょうと、参加してくれたのです」と話す。

順調なスタートを切ったという「水滸伝」だが、そもそもなぜこの作品を作ろうと思ったのかという問いに対し、ワン氏は「中国のテレビドラマ業界は90年代から発展してきて、2007年までここの十数年を経て、テクニックや技術がかなり成長しました。そのときに4大名著のである「三国志」「金瓶梅」「西遊記」などが作られました。中国人として、名作の中の建築も重要な部分と感じ、CGではない、本当の建物の中で「水滸伝」を撮りたいと思い、それがきっかけとなりました」と答えた。

本物にこだわったワン氏は、山東省の梁山泊ゆかりの地である、東平湖のほとりに40億円を投じて巨大な撮影地を建設。城自体を作り上げるなど、細部にこだわった。「梁山泊のほうは4カ月程度、パークのほうは6カ月ほどで出来上がり、全体は1年半で完成いたしました。40億円をかけましたが、すべては『水滸伝』の撮影のためです。本物をだしていい作品を作るために水滸伝パークを作りましたが、そこからは観光の価値が自然にでてくる形です。結果として、熱狂的なファンも増え、水滸伝パークに観光しに来るという流れが生まれました。この撮影基地は、宋の時代の東京の状態を完全に復元したもので、宋の時代の建築は、中国国内ではそんなに多くありません。そのため、昔の絵や記録などを研究し復元しました。完全なる宋の京をみることができるということはすごく観光の価値があります」と話す。

ワン氏によると、「中国のテレビ業界は、ドラマ以外、『水滸伝』が放送された前まではちょうどバラエティショーが非常に盛んな時期でした。『水滸伝』が放送されてからは、また時代劇のドラマが盛んになりました。『水滸伝』が日本で放送、発売されることを非常にうれしく思います。『水滸伝』が成功した理由は“愛”であると私たちは考えております。『水滸伝』はいろんな好漢がいます。様々な人たちが梁山泊に集まり、梁山泊を自分の家として愛し、守ります。108人の兄弟の愛、この“愛”のテーマは、世界各国でも受け入れられました。地球村ともいわれるように、この地球は私達の家です。環境保護など、私達の共同の家を愛し、お互いに愛し、守っていこうということを日本の皆様に伝えたいです」と思いを語った。

中国の総力をあげて作られた「水滸伝」。その中核を担った若きテレビマンの言葉には、作品に注ぐ情熱が感じられた。DVD「水滸伝」は6月5日より、毎月順次リリースとなる。(編集/ENE)

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