【CRI時評】「中国皇后号」は中米デカップリングの困難さを予見していた

CRI online    2019年6月25日(火) 16時15分

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 中米経済貿易摩擦がヒートアップして以来、米共和党のマルコ・ルビオ上院議員に代表される少数の人は良い機会とばかりに「中米デカップリング論」を騒ぎ立て、中米間の経済貿易、科学技術、人文などの分野での関係を断つべきだと主張している。こうした論調の持ち主は、米国の発展の歴史を完全に忘れ...

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 中米経済貿易摩擦がヒートアップして以来、米共和党のマルコ・ルビオ上院議員に代表される少数の人は良い機会とばかりに「中米デカップリング論」を騒ぎ立て、中米間の経済貿易、科学技術、人文などの分野での関係を断つべきだと主張している。こうした論調の持ち主は、米国の発展の歴史を完全に忘れ、彼らの祖先が遠い海のかなたに赴き中国と通商することで財を成し、今日の米国を築いたことを忘れている。

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 1784年2月22日、独立間もない米国は、英国の経済封鎖を突破するため、商船「中国皇后号(エンプレス・オブ・チャイナ号)」を派遣した。同船は大西洋を渡り、喜望峰を回り、インド洋を乗り越え、太平洋と南中国海に入り、8月28日に中国・広州に到着。太平洋両岸の「最も古い国と最も若い国」の初めての直接通商を開いた。同船は、広州滞在の約3カ月間にセイヨウニンジンやコショウ、綿花、織物などを販売した一方で、茶葉や磁器、絹織物、南京布、肉桂などの中国製品を購入し、計3万ドル以上の利益を上げた。

 この歴史的意義のある遠距離航行によって、米国人は、遠い中国市場からもたらされる厚い利潤を目にした。1890年代以降、米国の対中貿易は、オランダデンマーク、フランス、ポルトガルなどの古参貿易国を抜いて2位となり、対中貿易で100年以上の歴史を持つ英国にわずかに劣るものとなっている。当時のニューヨーク・ポストは、中国皇后号の初航海の成功を「米国商業史におけるマイルストーン」と伝え、中国製品は米国市場で人気商品となった。

 ウォルマートやターゲットなどの米企業約600社はこのほど、米政府に書簡を送り、中国製品への関税は米国の企業や消費者の利益を損なうものだと指摘し、中国との貿易問題を解決するよう訴えた。米国でこのほど開かれた中国からの輸入品3000億ドル分に対する新たな関税賦課に関する公聴会で、米国のアパレルメーカーや子ども向け製品メーカーを含む各企業や業界団体は関税発動に反対の立場を表明し、中国製品は代用がきかず、中国と米国の経済は密接に関連しており、米国の製造業者は中国の高水準かつ大量な生産なしではやっていけず、中国に対して新たな関税を賦課すれば、米国の消費者が最大の被害者になるとの認識を示した。

 経済が高度にグローバル化する今日、中米貿易は二国間の利益だけにとどまらず、グローバルな産業チェーンやサプライチェーン、バリューチェーンにも関係している。中米「デカップリング」を強行すれば、世界の経済チェーンが混乱し、世界の産業分業が破壊され、国際市場の混乱と金融市場の動揺を引き起こすことは必定だ。米国のスーザン・シャーク元国務次官補は、米中「デカップリング論」について「大きな過ちであり、世界経済を大きく破壊する」とし、「米中の経済融合がグローバル化にとって重要な土台だ」と指摘している。

 中米の貿易規模は巨大であり、摩擦が起きるのも常態だ。重要なのは、双方が、溝を管理・コントロールし、コンセンサスを広げるための正しい方法を見つなければならないということだ。人々は、230年以上前に中国皇后号が中米貿易の歴史を開いたことを振り返り、追加関税は問題を解決するどころか事態を悪化させ、いわゆる中米「デカップリング」は極めて危険で無責任な論調であることを見極めなければならない。相互尊重、平等互恵を堅持し、貿易の溝を理性的に解決することだけが、中米双方の利益に一致する。(CRI論説員 盛玉紅)

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