「千と千尋」好調、配給会社は「中国版ディズニー」になる?―中国メディア

人民網日本語版    2019年6月25日(火) 21時10分

拡大

日本の宮崎駿監督のアニメ映画「千と千尋の神隠し」が中国で上映され好評を博しており、興行収入は1億7500万元に達した。配給会社の光線伝媒も再び注目を浴びている。

日本の宮崎駿監督のアニメ映画「千と千尋の神隠し」が中国で上映され好評を博しており、興行収入は1億7500万元(1元は約15.6円)に達した。配給会社の光線伝媒(エンライトメディア)も再び注目を浴びている。バラエティからスタートし、映画で有名になった光線伝媒は、ここ数年は「国産アニメの半分のシェアを目指す」という目標に向かって事業展開を進めており、王長田会長も、「2019年は国産アニメ映画の大ブレーク期をむかえる」との見方を示した。しかしこれまでに上映された作品の興行収入の実体をみると、同社に名誉や利益をもたらした作品もあるが、複数の作品が期待に届かず、光線伝媒が「中国版ディズニー」になるには、これからさらにある程度の道のりを歩まなければならない。

▽毀誉褒貶入り交じった4年間

今月21日に中国で封切りされた「千と千尋の神隠し」は、3日間連続で単日の興行収入1位に輝き、23日午後5時30分までの累計興行収入は1億7500万元(1元は約15.6円)に達し、現時点で興行収入が最も好調な作品となっている。映画人気の高まりで、配給会社の光線伝媒もあらてめて人々の視界に入ってきた。特に今回は田壮壮、周冬雨、井柏然、彭◆暢(◆は日かんむりに立 )らの豪華な吹き替え陣を配置したことが、アニメ映画に全力で取り組む光線伝媒の姿を十分に伝えている。

光線伝媒はアニメ事業をめぐる野心を隠したことはなく、2015年にアニメ集団の霍爾果斯彩条屋影業有限公司を設立して、アニメ分野に本格的に進出した際に、王会長は「彩条屋影業で国産アニメの半分のシェアを目指す」と豪語した。その後、この分野で事業展開を続け、18年決算で資本についてみてみると、これまでにアニメ産業チェーンの川上から川下の企業20社あまりに投資しており、これには「西遊記之大聖帰来(西遊記 ヒーロー・イズ・バック)」の制作チームの北京深海十月伝媒有限公司(十月文化)や「大魚海棠(紅き大魚の伝説)」を制作した彼岸天文化有限公司も含まれる。

しかし資本の動きは活発ながら、作品の市場での反応は毀誉褒貶が相半ばし、光線伝媒に名誉も利益ももたらした作品もあるが、数多くの作品は期待されたほどの成果を上げていない。興行成績を分析する猫眼専業版によると、15年から現在までの間に、光線伝媒が関わって中国国内の映画館で上映されたアニメ作品は14本あり、これらの作品の累計興行収入は24億6700万元に達するが、個別の成績をみると、1億元を超えた作品は5本で興行収入の35.7%を占め、残りの9作品は1000万元程度、さらには100万元程度にとどまったものもあった。

16年封切りの「君の名は。」は光線伝媒が評判と収益を獲得した代表的作品で、配給権を獲得するために約1900万元を支払っただけで、5億7500万元の興行収入を獲得した。これと対照的なのは18年1月封切りの国産アニメ「大世界」で、第54回台北金馬映画祭で最優秀長編アニメ賞を受賞し、第67回ベルリン国際映画祭では金熊賞に選ばれたが、中国国内での興行収入は累計262万5000元にとどまった。

▽中国版ディズニーを目指す

光線伝媒のアニメ事業の目下の発展状況と今後の計画について、王会長は、「今後の発展方向については以前からしっかり計画を立てており、いろいろな公の場でも明らかにしてきた。ディズニーのようなエンターテインメントメディア集団になりたい」と話す。

光線伝媒の18年決算でも、「アニメ事業ブロックは企業の水平型事業において優位性が最も目立つ事業ブロックであり、発展の潜在力を大いに備えた事業ブロックの1つでもあり、企業の利益率を向上させ、その他の事業を駆動させ、業界での地位を固める上で持続的に非常に大きな寄与をしてきた」としている。

中国版ディズニーへのさらなる発展に向けて、現在の光線伝媒は各方面の事業展開も進めており、コンテンツを持続的に打ち出すだけでなく、派生商品、ゲーム、ライブ配信など一連の汎エンターテインメント事業も手がけるようになった。18年決算によれば、テレビドラマ事業の収入は前年比656.37%増加し、映画と派生商品事業の営業収入は同12.99%減少し、ゲームと派生商品の営業収入も同49.23%減少した。またかつて光線伝媒の映画派生商品を取り扱う唯一のオンラインプラットフォームだった光線旗艦店は、2年前にすべての商品がプラットフォームから消え、今は同店を検索しても情報が出てこない。

これはつまり、光線伝媒が中国版ディズニーになるのは簡単ではないことを示している。投資アナリストの許杉さんは、「ディズニーのコアはコンテンツにあり、位置づけが明確だ。各ブロックの事業もコンテンツをめぐって運営が行われ、全体として高い市場競争力を形成し、より大きな市場価値を生み出している。光線伝媒は今の段階ではコンテンツの面においてさらなる強化が必要だ。これと同時にコンテンツの位置づけをより明確にして、関連事業のさらなる展開を進める必要がある」と述べる。(提供/人民網日本語版・編集KS)

この記事のコメントを見る

ピックアップ



   

we`re

RecordChina

お問い合わせ

Record China・記事へのご意見・お問い合わせはこちら

お問い合わせ

業務提携

Record Chinaへの業務提携に関するお問い合わせはこちら

業務提携