輸出入多様化を促進する中国、「世界に売り、世界から買う」

人民網日本語版    2019年6月14日(金) 21時40分

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目下横行している一国主義や保護貿易主義に直面して、中国は絶えず開放を拡大することにより答を出し続けている。

目下横行している一国主義や保護貿易主義に直面して、中国は絶えず開放を拡大することにより答を出し続けている。中国新聞社が伝えた。

中国政府のポータルサイト「中国政府網」が12日に明らかにしたところによると、国務院の李克強総理はこのほど国務院常務会議を開催し、対外開放により力を入れ、輸出入の多様化を方向性とした発展を促進するよう要求した。会議では、企業を主体とし、多様化した国際市場を開拓することは、対外貿易の安定さの中での質向上や経済の安定的な運営にプラスになると指摘された。

実際、中国の輸出入は多様化の流れが明らかだ。税関総署がまとめた最新のデータでは、今年1-5月の中国から欧州連合(EU)、ASEAN、日本などの主要貿易パートナーへの輸出はいずれも緩やかに増加し、中でも対EUと対ASEANの輸出伸び率は10%を超えた。「一帯一路」(the Belt and Road)沿線国との貿易額も増加した。

とりわけ中米貿易摩擦という背景の中で、多様化が中国対外貿易の安定発展を支えた。中国人民大学国家発展・戦略研究院の王孝松研究員は取材に対して、「年初以来、中国の対EU輸出の割合が対米輸出の割合を追い抜いたと同時に、輸出全体の状況も安定している。これは中国の輸出企業がより広い市場を開拓し、輸出多様化戦略が徐々に着実に実施されるようになったことを意味する」と述べた。

王氏はさらに踏み込んで、「これまで多くの企業は米国などの単一市場に過度に依存し、こうした市場は安定し、輸出で大きな利益が上げられると考えてきた。しかし目下の貿易環境の中で、こうした市場にもはやかつての安定性はなく、企業は経営戦略の調整を迫られている。より広い輸出市場を開拓できれば、この難局を乗り越えることができる」と指摘した。

多様化発展の方向について、中国商務部(省)国際貿易経済協力研究院国際市場研究所の白明副所長は、「空間の広がりからみると、目下の中国は国際市場の配置を積極的に調整し、第三国市場や『一帯一路』沿線国市場などを開拓している。高さという点でみると、対外貿易企業はモデル転換・バージョンアップを加速し、より多くの新しい分野を開拓し、国際貿易競争における新たな優位性を育成・構築する必要がある」と述べた。

中国は「中国製造」(メイド・イン・チャイナ)の輝かしい看板を世界各地に掲げると同時に、ドアを大きく開け放って質の高い輸入商品と輸入サービスを迎え入れている。

実際、輸入商品は今や中国の人々の日常生活に浸透している。米国産のアボガド、チリのサクランボ、アルゼンチンのエビ……食卓には世界各地からやってきたグルメが並ぶようになった。フランスの香水、日本の化粧品、韓国のフェイスマスク……化粧台に並ぶ瓶や缶などの容器にはさまざまな国の文字が印刷されている。中国のネットユーザーの中には、「家にある外国製品を全部どかしたら、スペースが半分以上空く」と笑いを交えて語る人もいる。

2018年には輸入関税がたびたび引き下げ調整され、第1回中国国際輸入博覧会が開催されるなど、一連の力強い輸入拡大政策に活性化されて、中国の輸入額は初めて2兆ドル(1ドルは約108.3)を突破し、過去最高を更新した。17年から18年までの間に、中国の輸入額は2千億ドル以上増加し、増加分だけでスイスの年間輸入額にほぼ匹敵した。

中国国際貿易促進委員会国際貿易研究部の趙萍部長は、「特色ある質の高い物品・サービスの輸入を拡大し、中国国内の消費の選択肢を広げることは、現在の消費バージョンアップの流れに合っただけでなく、消費構造のバージョンアップの歩みも加速した。これと同時に、中国は輸入拡大によって大国としての責任をより多く引き受けたのであり、世界が中国の発展のメリットを享受できるようになった」と指摘した。

輸出入の多様化促進について、今回の会議ではさまざまな措置が打ち出された。これには、より多くの国の企業と高標準の自由貿易協定や地域貿易協定を締結するよう積極的に推進することのほか、国境を越えたEC総合試験区の拡大の研究、企業の国際営業販売ネットワーク整備の奨励、国際市場のニーズに対応した製品輸出の推進、輸出の積極的な増加、輸出入のバランスの取れた安定的で健全な発展の促進なども含まれる。

注目されるのは、今の中国が周囲に足場を置き、「一帯一路」に波及し、世界に向かう高標準の自由貿易区ネットワークの構築を加速させていることだ。これまでにASEAN、シンガポール、パキスタンなど10を超える「一帯一路」沿線のエコノミーとの間で自由貿易協定を結び、東アジア地域包括的経済連携(RCEP)交渉を積極的に推進し、イスラエルやスリランカなどとも自由貿易交渉を進めている。

商務部の王受文副部長はこのほど、「今年の中国は自由貿易区の建設を引き続き加速し、自由貿易協定の役割を積極的に発揮させる。企業の多様化した市場の開拓を支援し、物品とサービスの輸出入をより大規模に増やしていく」と明らかにした。(編集KS)

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