天野喜孝「CANDY GIRL」とコラボしたバッグ店、走り続けた8年―中国

人民網日本語版    2019年6月14日(金) 21時40分

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湖北出身女性の陳程さんは2011年に上海に出てきて起業する際、ネット通販大手・淘宝(タオバオ)に出店する自分のバッグ店に「蘿拉(ローラ)」という名前を付けた。

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湖北出身女性の陳程(チェン・チョン)さんは2011年に上海に出てきて起業する際、ネット通販大手・淘宝(タオバオ)に出店する自分のバッグ店に「蘿拉(ローラ)」という名前を付けた。映画「ラン・ローラ・ラン」の主人公ローラが好きだったからだ。8年前、「蘿拉」は町の仕立屋に縫製を依頼して注文を受ける小さなネットショップだったが、今では年商3000万元(約4億8000万円)を超えるオリジナル商品ショップにまで成長した。中国新聞網が伝えた。

陳さんの8年間は、「ラン・ローラ・ラン」のように走り続けた日々だった。陳さんは自分たちのチームを激励する時、いつも「ラン・ローラ・ラン」のオープニングの「私たちは探求をやめてはいけない…」というセリフを思い出すという。

陳さんの探求とは、中国のインターネットブームのもとで、飛躍のチャンスをつかみ、時代のチャンスをとらえてトレンドを生み出す立場になることだった。

ネット上で「蘿拉オリジナルデザイナーズショップ」のショップ画面を埋め尽くす「萌え」系商品の写真を見ていると、ここが町の仕立屋に頼って成長してきたショップだとは信じがたい。

陳さんと一緒に走り続けてきた相棒は、大学時代の親友である覃蕊(チン・ルイ)さんだ。

店を開業したものの、「蘿拉」は映画の中のローラのように疾走することはできなかった。陳さんと覃さんがデザインとサンプルを仕上げて工場に縫製を頼んでも、注文量が少なすぎて注文を受けつけてくれなかった。2人は町の仕立屋に頼んで加工してもらうしかなかった。

「シンプルなデザインなら町の仕立屋でも作ることができたが、少し複雑なデザインになると、仕立屋の技術では要求を満たすことができなかった」と陳さんは言う。初めて上海に来た陳さんは人脈も土地勘もなく、近くの工場を探すために毎日宅配会社に電話をかけて情報を聞いていた。その様子に心を動かされたある宅配会社の配達員が、バンを運転してあちこちの工場に連れて行ってくれたのだという。そうして何度も試し、何度も失敗したが、ついに注文を受け付け、彼女たちのデザインを商品化するために縫製技術を改良してくれる工場が見つかった。

苦難に満ちた2年余りが過ぎ、2013年末、「蘿拉」はついに超人気商品となるデザインを生み出した。それはサングラスをかけた猫をプリントしたショルダーバッグで、数千個を売り上げ、2人は改めて将来に対する自信を深めた。

その後、相次いで超人気商品を生み出し、2人は自分たちの経営路線を探し当てた。人の言ったことをそのままやるような「大部隊」から離れ、時代の最前線にぴったりとついてオリジナルデザインを手掛けるというポジショニングを行ったことで、「蘿拉」は次第にバッグ・カバン業界トップ50のショップへと成長していった。

熾烈な業界内競争の中では、デザインと品質が店の生き残りを決定付ける。新たなデザインで超人気商品を次々と生み出すにつれて、「蘿拉」の品質管理もますます厳格になり、30%だったサンプル淘汰率は今では60%まで上がった。

今年3月末、陳さんのもとに夜も眠れなくなるようなニュースが飛び込んできた。それは「ファイナルファンタジー」のキャラクターデザインを担当した巨匠イラストレーター・天野喜孝氏の「CANDY GIRL」シリーズ作品を優れたオリジナルグッズショップに開放し、コラボレーション企画を行うという知らせだった。

「蘿拉」は新たにデザイン原稿を作成し、ネット通販大手・阿里巴巴(アリババ)傘下の版権取引プラットフォームである阿里魚(アリフィッシュ)の授権を経て、中国で初めて「CANDY GIRL」の版権を授権されたオリジナルグッズショップになることに成功。6月1日の発売日に、このシリーズ商品4アイテムを700人以上が購入した。これは通常の新商品発売時の売れ行きの3倍から4倍に当たるという。

先ごろ、陳さんはバッグ・カバン産業チェーン調査のために河北省保定市を訪れた。保定市のバッグ・カバン産業が有する豊かなオリジナルグッズ生産能力を用いて、さらに新ブランドを立ち上げる計画なのだという。

時間に余裕ができると、陳さんは「ラン・ローラ・ラン」を見返す。今の陳さんがより実感しているのは、「選択をするたびに、運命は変わっていく、それをずっと追いかけていかなければ」ということだ。(提供/人民網日本語版・編集/AK)

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