中国外交と若者のこれから―その関係と余波とは?

Record China    2019年6月11日(火) 12時33分

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3日、日本の文部科学省にあたる中国教育省は米国留学を希望する中国学生のビザ申請プロセスに遅れが出る懸念を示した。米国と中国の貿易戦争の余波が若者の学業にまで影響を及ぼすことになりそうだ。

2019年6月3日、日本の文部科学省にあたる中国教育省は米国留学を希望する中国学生のビザ申請プロセスに遅れが出る懸念を示した。米国と中国の貿易戦争の余波が若者の学業にまで影響を及ぼすことになりそうだ。教育省によれば中国国籍の学生の米国ビザ取得にあたり、審査期間の延長や発行拒否といった影響が出る可能性があるとして異例の呼びかけをしている。(米国Voice of America News原文はこちらから)

2018年の同省の発表によれば中国の大学卒業生は820万人にのぼるという。そのうち中国を出国する海外留学生希望者は年間60万人を超える。青書『中国留学発展報告(2016)』によると2015年に中国は海外留学生が最も多い国になったとされており、それ以降世界の留学生に占める中国人の割合は依然トップにある。

このように中国人が海外留学に積極的な理由のひとつに留学先の「学生ビザ」を持つことで本来入国規制が強い国を訪れることが容易になる点が挙げられる。例えばイギリスに留学している中国人学生は、学生ビザを使ってイギリスからアメリカに入国することが可能だ。実際聞くところによると中国パスポートでは入国に不安があるが、学生ビザがあれば安心とのことで米国へ出かけていく学生は多いという。両国に政府間の対立はあるものの、チャンスがあるうちに米国に見聞を広げておきたいという学生は少なくない。

中国人学生が米国に限らず、世界各国へ渡航を志している。これには中国の経済発展が背景にある。今や中国の深センは政府の改革開放経済の影響を受けて世界中から最先端のテクノロジー企業が進出する都市として名高い。また中国の無線事業者に5G免許を交付する取り組みの速さは世界でもトップクラスと言われるほどだ。(無線関連機器の例はこちら)中国はインドと並び2030年の世界の覇権国となると言われるだけあって、あらゆる局面で「世界のなかでの中国の立ち位置」が謳われている。そのため家庭の経済状況さえ許せば、学生のうちに海外に出てみたいという思考になるのはごく自然だ。

今後も中国の外交問題、経済問題の一挙手一投足からは目が離せない。そして反面で、常にこれらが数年、数十年先の中国を担う若者の未来に影響を及ぼしかねないということも是非合わせて思い出してほしい。(提供/松浦)

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