中国の習近平国家主席は5日、モスクワ市内でロシアのプーチン大統領と共に、2つの重要な共同声明に署名し、新時代における中露の全面的戦略協調パートナー関係を発展させることと、共同で現在の全世界の戦略的安定性を強化することを宣言した。

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　現在、世界がこれまでの百年間で未曾有の変化に直面していることを背景に、中露関係が「新時代の全面的戦略協調パートナー関係」に引き上げられたことは、両国関係がかつてなかった戦略的高度になったことを示しており、両国の協力と世界情勢にも深い影響を及ぼすことになるだろう。

　新時代の中露関係とは、①双方が一貫して相互信頼を基盤として、双方の核心的利益に関わる問題について相互支持を強めること、②利益の融合に力を入れ、「一帯一路」の共同建設を展開してゆき、ユーラシア経済連合を接合させること、③民心を通わせあうことを促進し、両国社会の各分野・各地域における交流と相互学習を奨励すること、④国連を中核とする国際体系を断固として維持し、共に手を携えて新たなタイプの国際関係と人類運命共同体を構築することという、4点である。これは、両国関係に新たな定義と内容が付け加えるだけでなく、双方が力を合わせて戦略安全分野で直面する試練に対応することにも役立つ。

　中露関係が新時代に突入したことは、2カ国間協力が全面的に加速され、両国国民にこれまで以上の獲得感をもたらすことを意味する。昨年、中露間の経済貿易規模は前年比で27％以上成長し、1000億ドルという歴史的大台を突破した。全世界規模で貿易や投資の伸びが鈍化し、保護主義が勢いを増している状況にあって、この「人目を引く成績表」はひとかたならず貴重であると同時に、まだ相当に大きな発展の余地を残している。

　中露経済には相互補完性があり、双方は共通の利益である「パイ」をさらに大きくしていき、中露協力の質と効果を向上させていかなければならない。中露の指導者が2つの重要な共同声明に署名したのと同じ日、両国は経済、投資、工業、教育などの分野での協力文書23部に署名した。ロシアのセルゲイ・グラジエフ大統領経済顧問は、両国が経済の補完をさらに良好に進め、産業協力の付加価値を向上させれば、5年後には貿易総額を2000億ドルの目標に到達させることができるとの見方を示した。

　中露関係が新時代に突入したことで、両国は国際的な取り組みでの協調と協力をさらに強化し、さらに多くの「中露プラン」を持って貢献し、多国間主義のルールをよりよく維持していかなければならない。中露は国連安保理の常任理事国として、全世界における重要な問題について共通の、あるいは近い立場にある。中露首脳は過去6年の間に、1対1または他の国の首脳も交えた形で20回以上も会い、重大な国際問題に対しての有効な政策調整と協議を行ってきた。一国主義と覇権主義が絶えず台頭するリスクに直面する中で中露が戦略的協力のレベルを引き上げることは、世界の政治の多極化とグローバル戦略の安定を維持するという、大国の責任というしかるべき「大義」を共同で引き受けることだ。

　中露が高度な政治的相互信頼に基づいて決めた「同盟はせず、対抗はせず、第三者を対象としない」戦略関係の位置づけは疑いなく、現在の世界の大国関係における模範を樹立した。中露関係がさらに高いレベル、さらに大きな発展の新時代に突入したことで、両国の民衆にはさらに多くの福祉がもたらされ、複雑に変転する国際秩序にはさらに多くの安定性と確実性を注ぎ込むことは間違いない。（CRI論説員）