上海市住民が電池製造工場の建設に猛抗議、環境汚染を強く懸念―中国

Record China    2013年5月3日(金) 9時30分

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1日、上海市松江区の住民が松江区政府のゲート前に集まり、中国のリチウム電池製造メーカー、合肥国軒高科動力能源有限公司が松江区に新エネルギー自動車動力電池製造工場を建設することに抗議した。資料写真。

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2013年5月1日、上海市松江区の住民が松江区政府のゲート前に集まり、中国のリチウム電池製造メーカー、合肥国軒高科動力能源有限公司が松江区に新エネルギー自動車動力電池製造工場を建設することに抗議した。網易新聞が伝えた。

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当該会社が上海市松江区に建設予定の電池製造工場が間もなく着工するとの情報を受け、周辺住民は生産拠点ができることによる環境汚染や環境アセスメントの公正さに対する抗議活動を行っている。会社側は書面による説明を行い、住民の代表らによる本社工場の見学を実施したものの、住民の不安や懸念を解消することはできなかった。

一方、工場建設プロジェクトの重要な当事者である現地政府は騒動が深刻化する中、住民側に対しても、会社側に対しても積極的な対応をしていない。2011年に上海市松江区政府が調印した同プロジェクトの投資総額は10億元(約159億円)に上る。計画によれば、2013年下半期の着工、工場完成後は主に自動車に搭載するリチウムイオンバッテリーを生産し、生産能力100億元(1590億円)に上る国内最大の動力電池生産拠点となる見込みだが、「電池の生産に環境汚染は付もの」と周辺住民の大きな不安となっている。

環境の影響に関する公式の報告書によると、環境に配慮が必要な工場の周囲3キロ内には居住区が35カ所、川が3本ある。最も近い団地と工場との距離は2キロほどで、住民の数は5000人以上に上る。

これを受け、影響が懸念される居住区の住民はネットで権益の保護を訴え、自家用車に緑のリボンを巻いたり、反対スローガンの張り紙を張ったりと様々な抗議活動を行っている。

資料によると、2012年に同プロジェクトが発表された際、第3者機関が工場建設予定地3キロ内の住民150名にアンケート調査を行ったが、68%の人が支持すると回答、反対した人はわずか2%だったという。

しかし、記者の調査によると、周辺住民の多くがプロジェクトの発表やアンケート調査を把握しておらず、情報公開や住民参加が徹底していないとする不満の声が高まっている。現地政府は一連の問題に対し、いかなるコメントも出していない。松江区の環境保護局は、当該プロジェクトは環境評価基準を満たしており、詳細に関しては調査を実施した第3者機関に聞く必要があるとしたが、同機関は連絡が取れない状態だ。

政府、企業、住民が信頼関係を修復できるのはいつの日だろうか。(翻訳・編集/XC)

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