ユニクロTシャツ騒動が映す「新貧民」エコノミクス、貧しいほど消費に夢中?―中国メディア

人民網日本語版    2019年6月5日(水) 22時30分

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3日、ユニクロの天猫旗艦店で有名アーティスト・カウズとのコラボレーションTシャツの販売が始まると、すぐに買い占めの状況が出現した。写真は上海のユニクロ。

3日午前0時、ユニクロの天猫(Tmall)旗艦店で有名アーティスト・カウズとのコラボレーションTシャツの販売が始まると、すぐに買い占めの状況が出現した。

コラボは今やユニクロにとって打ち出の小槌で、ユニクロが非常にうまくやっているのは、なんといっても時代の変化というチャンスをつかまえたことが大きい。1996年から2006年までの間に、日本の失業率は3.4%から4.1%に上昇し、日本国民はお金がありゆとりもある人と、お金はあるがゆとりのない人とに分かれていった。お金はあるがゆとりがない「新貧民」は低価格で自分の感性にあった品物を求めるようになり、時流に乗って登場した無印良品やユニクロがこの人々の代表的ブランドだ。ユニクロとカウズのコラボTシャツの異常な人気について、「カウズとディオールのコラボもあるが、値段が高くて、半袖Tシャツが1000元(約1万6000円)ぐらいもする。ユニクロなら100元(約1600円)以下で買えるので、みんな競って買いに来るのだろう」と説明する人もいる。

■「新貧民」はどんな人?

「新貧民」はほとんどが高等教育を受け、ハイレベルのオフィスビルで働き、見た目は華やかで、ホワイトカラーという自分の状態に高い期待を抱き想像をふくらませている人々だ。稼ぎは多いが、それ以上に出費が多く、新しいライフスタイルやファッショナブルな消費財を追求するためなら「貧民」になっても構わないと考え、消費社会に最も適合し、購買力も高い構成員だ。

調査によると、90後(1990年から1994年生まれ)は消費者ローンの利用者のうちほぼ半分を占め、90後と95後(1995年から1999年生まれ)を合わせると49.31%になる。次は80後(1980年代生まれ)で31.46%だ。

これだけではない。他のローンを返済するために消費者ローンを利用するという人が28.57%もいる。また、日常的な消費のためにローンを利用するという人が50.17%に上り、ついに5割を超えた。

バンクオブアメリカ・メリルリンチがまとめた報告では、若い世代は家を買うより好きなことにお金を使いたいと考える。「旅行に使いたい」は81%、「食事に行きたい」は65%、「フィットネスに行きたい」は55%に上るという。

■「新貧民」ほど消費に熱を上げるのはなぜ?

「新貧民」が消費主義の中の最も積極的な共鳴者と活躍者である主な理由は、彼らの置かれた社会的地位に関係がある。「新貧民」には一定の経済的基盤があり、一定の能力があり、自分と「底辺」とを区別したいという強い願望がある。また、「新貧民」は上流社会のライフスタイルに強いあこがれがあるが、現実的な条件や資源を考えるとそのようなライフスタイルの実現は難しい。そこで消費主義の中で一連の記号化された商品をちまちまと買い集め、人と違う自分、人から認められる自分を完成させようとする。たとえば仕事で疲労し、味気ない思いをすればするほど、消費によって心を埋め合わせようとする。仕事の状況が改善されなければ、消費が生活の中で最も大きな意義を持つことになる。「ダブル11」(11月11日のネット通販イベント)や「618」(6月18日のネット通販イベント)、その他の買い物イベントに熱狂する人は、みんな消費社会の奴隷であり、「新貧民」を選択するほかない人々だ。彼らが心にかなう素晴らしい選択を標榜する消費の美学の背後には、この成長してきたばかりの社会層の自身に対する焦りや不安が見て取れる。

今を楽しみ、未来に関心がないことも「新貧民」層の特徴だ。ますます多くの「新貧民」がディンクスを選択しており、こうした現象から自分への関心が異常に高い「新貧民」の姿が浮かびあがると同時に、自分の能力を信じられない「新貧民」の弱さも垣間見ることができる。(提供/人民網日本語版・編集/KS)

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