2019年5月27日、四川日報によると、四川省で食品を配達中の男性が路上で意識を失った女性の命を救った一方で、商売道具のバイクを盗まれる悲劇に見舞われた。

5月22日午後7時過ぎ（現地時間）、食品デリバリー配達員の男性がバイクで配達していたところ、路上で女性が倒れているのを発見した。心肺蘇生法の心得があった男性はすぐにバイクを道路脇に停め、野次馬をかき分けて女性の元へ駆け寄り、10本の指を女性の胸元に押し当てて心臓マッサージを行った。1分ほどすると女性の意識は回復し、その後駆け付けた救急隊によって搬送された。

まだ4件の配達を残していた男性は、女性が救急車で運ばれるのを見届けてからバイクの停車地点に戻ったが、なんとバイクがなくなっていた。尊い人命を救ったにもかかわらず、男性はバイクを盗まれたことで客に謝罪して賠償をする羽目になってしまったのだ。しかし男性は「バイクなんかより人の命の方がよっぽど大事」と話し、自らの行動を悔いてはいないという。

この件について、中国のネットユーザーは「善人に幸あれ！きっといい報いがあるはずだよ」「つらいけど自分の行動に後悔はしていないって素晴らしい」「配達員の兄ちゃんの真心はそうマネできるものじゃない」「ほんの30秒離れるときも、ロックをかけていかないとね」といった感想を残している。

また、バイクを盗んだ犯人については「長く拘留されて欲しい」「恥さらしとして市中引き回しにしてほしい」など、厳罰を望む声をが少なからず見られた。（翻訳・編集/川尻）