【CRI時評】相手を叩くことだけを叫ぶ「ボルトンたち」が、米国外交を暴れ馬にした

CRI online    2019年5月26日(日) 11時25分

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 米国海軍大学校のトム・ニコルズ教授は最近になり、米紙「USAトゥデイ」で、米国の近年来の外交を分析する文章を発表した。同文章は、米国の外交政策にはコントロールを失う傾向があると結論づけた。そして、最近の米国外交の動きの背後には、ジョン・ボルトン国家安全保障問題担当大統領補佐官の...

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 米国海軍大学校のトム・ニコルズ教授は最近になり、米紙「USAトゥデイ」で、米国の近年来の外交を分析する文章を発表した。同文章は、米国の外交政策にはコントロールを失う傾向があると結論づけた。そして、最近の米国外交の動きの背後には、ジョン・ボルトン国家安全保障問題担当大統領補佐官の姿が常に見え隠れする。

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 ボルトン氏の就任以来の動きに注意しておきたい。米国国防省に圧力をかけて対イラン軍事計画を提出させ、大量の軍事力でペルシャ湾を包囲するように仕向けた。ベネズエラと対立し、「モンロー主義」の語を用いて同国への内政干渉を明確に表明した。ロシアや中国に対し言われなき批判と挑発をして対立を招いた。白ひげをたくわえたボルトン氏自らが、このような行いについて表明している。ニコルズ教授の懸念は杞憂ではない。ボルトン氏が主導する米国外交はまさに手綱が外れた暴れ馬と化し、遮るもののない荒野を突っ走っている。

 ボルトン氏は米国の代表的なタカ派の人物であり、以前に国連大使を務めていた時期には「米国は必要とする時にだけ、国連を機能させる」と発言したことがある。これが、彼のやり方なのだ。米国にとっての唯一の問題は、自国の国益に合致するかどうかだけ、ということだ。さらに、米国の外交政策についてはボルトン氏だけでなく、ポンペオ国務長官、ナバロ国家通商会議委員長のような強硬な「タカ派」が存在する。彼らが一心に望んでいるのは米国一国による世界制覇が続くことであり、そのためには言動に一貫性がなかったり対立を激化させることをもいとわない。

 経済のグローバル化、政治の多極化、社会の情報化の進行などのもとで、国際的な権力構造と全世界の秩序について、過去30年に渡り重大な調整を続いてきた。発展途上国、特に新興市場国が絶えず台頭し、すでに世界経済の成長にとっての主要なエンジンになった。中国政府が昨年12月に発表したリポートの「将来における国際経済の構造変化と中国の戦略選択」は、2035年には発展途上国のGDPが先進経済体を超え、全世界の経済と投資に占める比重も、発展途上国による部分が60%に接近すると予測した。

 このような背景により、第二次世界大戦後に米国主導で構築された世界政治の秩序は、まさにグローバル経済の布局の巨大な変化に伴って試練と調整の時を迎えている。こういった状況がもたらす危機感により、旧式の覇権者は枕を高くして眠れない状態だ。米国はしばらく前に、国際的な取り決めから立て続けに「離脱」を行い、自らの利益を最大化する新たな国際ルールを作ろうとした。盟友国に対しては繰り返し負担増を求め、罵詈雑言を浴びせて対立し、多額の「保護費」を設定した。ロシアを徐々に締め付けると同時に、中国に対しては貿易戦争で圧力をかけた。中国企業を封じ込めることで、中国の科学技術の発展を妨げようとした。そして米国国内の貧富の差の拡大と産業空洞化の深刻化、人種間の対立の激化など構造的問題に対して、ワシントンの権力者は単純で狭隘なポピュリズムで解決しようとしたが、結果として問題をさらに激化してしまい、階層間の対立と各種の矛盾の立てつづけの爆発により、自らを国家管理の「悪性の循環」に陥らせてしまった。

 今の世界の現実とは、米国だけが強大な国家である時代は永遠に過ぎ去りつつあるということだ。他者を叩き、他者を葬ることを叫ぶ「ボルトンたち」はいまだに偏執的で強硬な「古い処方箋」で「新しい問題」に対応しようとしている。世界の発展の大情勢が見えておらず、時代の大変局を直視する気概と自信に欠けているわけであり、米国は国力だけでなく、信用と影響力を消耗してしまうことになる。「ボルトンたち」にけしかけられ、米国外交という暴れ馬がますます狂暴に猛進するほど、米国にもたらされるリスクも自然に大きくなる。この暴れ馬は、奈落の底まで突っ走っていく可能性が極めて高い。(CRI論説員)

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