大胆な緩和進める日銀、「黒田旋風」に懸念や不満の声―中国メディア

Record China    2013年4月15日(月) 17時23分

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15日、このほど日本銀行総裁に就任した黒田東彦氏は、安倍晋三首相が掲げる経済政策「アベノミクス」を徹底的に貫徹実施し、金融緩和策を「総動員」して、マネタリーベースを2012年末の138兆円から14年末には270兆円に拡大するとしている。資料写真。

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2013年4月15日、このほど日本銀行(中央銀行)総裁に就任した黒田東彦氏は、安倍晋三首相が掲げる経済政策「アベノミクス」を徹底的に貫徹実施し、金融緩和策を「総動員」して、マネタリーベースを2012年末の138兆円から14年末には270兆円に拡大するとしている。日銀は緩和策の効果を高めるため、40年債を含むすべての長期国債を購入の対象にすることを決定した。経済参考報が伝えた。

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黒田総裁は白川方明・前総裁とは明確に異なる。これまでの緩やかな緩和というやり方を改め、一気に事を進める緩和策の総動員というやり方に変え、量的にも質的にも大胆な緩和を進めるとしている。

目先の利益という点でいえば、日本の大胆な金融緩和政策は一定の成果を上げており、特に市場は好材料であるとして大きく反応した。東京証券取引所の株価は連日上昇し、11日の日経平均株価終値は1万3549.16円だった。外国為替市場ではドルの対円レートが1ドル=100円の大台を突破し、10日には米国・ニューヨーク証券取引所で1ドル=99.76円の終値をつけた。

株の値上がりが日本企業に対する投資家の信頼感を高め、日本企業の資金調達環境は大幅に改善された。日本の経済紙の9日付報道によると、多くの企業が4月に社債を発行する計画で、日産、NTT、近畿日本鉄道、日本製粉、オリックス、ブリヂストンなどがこれに含まれる。大幅な円安は、長らく続く円高に苦しんできた日本企業が業績を回復するのを大いに助け、同紙が10日に発表した企業140社に対する緊急調査の結果によると、回答企業の90%以上が大胆な量的緩和政策を積極的に評価する態度を取った。

大和証券の推計によると、円安は日本の輸出企業を大いに助けることになり、1ドル=100円、1ユーロ=130円の水準を維持すれば、主な輸出企業の2013年度の営業利益は前年比45%増加するという。

とはいえ、黒田氏の打ち出す新たな通貨政策に疑問を持つ人も多い。

第1に、黒田氏が掲げる2%のインフレ目標を達成できるかどうかは未知数だ。日本がデフレになった主な原因は需要不足にある。日本経済は失われた20年を過ごし、経済は長期にわたって低迷し、国民の所得は減り、国民の財布の紐は固く締まり、消費需要は振るわない。量的緩和に頼るだけでは、経済は成長せず、国民の所得は大きく伸びず、インフレ2%を達成するのは難しい。

第2に、日銀は2年連続で50兆円を国債の購入に充て、日本政府は毎年の財政支出の半分以上を国債発行でまかなっている。日銀の国債購入額は政府の年間国債発行額の70%に達し、これでは政府の財政赤字の穴埋めをしていると言われても仕方がない。日本の債務残高の対国内総生産(GDP)比は200%を超えており、日本銀行のやり方は主権債務危機を招く恐れがある。

第3に、日銀は2年でマネタリーベースを2倍に増やし、14年末には270兆円にするとしている。そうなれば日本のGDPの半分以上になり、量的緩和の規模は米連邦準備制度理事会(FRB)を上回り、新たな通貨戦争を引き起こす可能性がある。

現在、韓国と欧州が日本のやり方に不満を表明している。米国は長期にわたり円高を抑えようとしてきたが、円安のレベルが米国の許容範囲を超えたため、今後は何らかの干渉を行うとみられる。日本が現在の隣国を防波堤にするようなやり方を続けるなら、新たな円安競争を引き起こし、ひいては世界金融市場に動揺と不安をもたらすことは必至だ。(提供/人民網日本語版・翻訳/KS・編集/内山

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