日本は駐車場問題をどうやって解決してきたか―中国メディア

人民網日本語版    2019年5月26日(日) 1時0分

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日本は世界の中で都市化レベルが非常に高い国の1つであり、東京を中心とした首都圏は世界でも最大規模の人口集中エリアとなっている。東京への一極集中は東京問題などと言われ、駐車場不足は東京問題の一部だ。

日本は世界の中で都市化レベルが非常に高い国の1つであり、東京を中心とした首都圏は世界でも最大規模の人口集中エリアとなっている。東京への一極集中は東京問題などと言われ、駐車場不足は東京問題の一部だ。新華網が伝えた。

空間的な公共の駐車場資源の乏しさに直面して、日本では早くから法律に基づく駐車場の建設・ガバナンスのプロセスが進められ、最終的に有効なガバナンスが実現された。車は整然と秩序をもって駐められるようになり、都市のガバナンスを促進した。日本は「駐車場法」や「車庫法」といった静的な交通法規を制定しただけでなく、駐車場の秩序のガバナンスを厳格にし、また駐車場不足を解消するための一連の措置も打ち出した。

■駐車場産業が成熟した静的交通産業に

まず触れておかなければならないことは、日本では駐車場産業が非常に発達し、特に東京、大阪、名古屋などの大都市で発達しているということだ。面積が狭く、人口密度は非常に高いが、公共の駐車場は十分な供給があり、地下駐車場、地上高層タワー式立体駐車場などさまざまなスタイルがあり、駐車場産業は成熟した静的交通産業になり、地価の非常に高い都市の土地の利用効率を効果的に引き上げている。

政府はフランチャイズ方式によって社会のパワーが駐車場の建設・経営に参加するよう奨励し、ニーズをうまくカバーしている。こうした駐車場はどこもETCやカメラによる認識などのスマート技術管理を採用し、従来のカード提示や駐車券発行といった出入庫のコントロール方法は採用せず、駐車スペースの利用効率と利便性を大幅に高めた。

■パークアンドライドが理性的な都市通勤交通構造を形成

東京の場合、23区を代表とする都市部では駐車場料金が非常に高額であるため、多くの人は車を最寄り駅に止めて電車に乗り換える方法をとる。そこで鉄道駅の周辺に駐車場が建設された。郊外の自宅を車で出発し、鉄道駅の近くにある駐車場に駐め、公共交通機関に乗って都市部に通勤するというスタイルだ。

日本には「キスアンドライド」という言い方がある。家庭の主婦が毎日、鉄道駅まで出勤する夫を車で送り、キスをして見送るという習慣を指したものだ。こうした北米や欧州で始まった通勤スタイルが、日本では駐車場の土地不足を解決し、都市部の駐車場不足を緩和した。

パークアンドライドの前提条件は発達した都市軌道交通の存在だ。日本は高速で、時間に正確で、快適かつ安全な公共交通の発展に力を入れ、公共交通機関の利用率を高めてきた。

高速道路網の建設は都市が一体化発展を遂げるための前提条件だ。1960年代に、東京、川崎、横浜の3エリアが相互に接続して1つの大きなブロックになり、次は東部臨海地域に向かって拡大を始めた。70年代になると、郊外の鉄道沿線エリアが徐々につながってエリアを形成し、東京都内から半径50キロメートルの地域はすべて市街地に変わった。85年以降は、東京から千葉までの臨海地域がつながった。

道路建設は人口の郊外化と新都市計画との結びつきを基礎として、副都心機能を強化し、中枢中核都市を育成し、空港に接続する交通路線を改良した。新宿、池袋、渋谷の3副都心の業務集積力をさらに高めて、都心と副都心、副都心と副都心、居住エリアと副都心との軌道交通の接続を強化するため、また上野、浅草、錦糸町、亀戸、大崎の各エリアの活力を高めて副都心機能を増強するため、日本は各エリアの軌道交通の発展に力を入れてきた。同時に、川崎、立川、八王子、大宮、浦和などのビジネスエリアの育成を後押しするために軌道交通を建設し、軌道交通計画と1985年の首都改造計画の中で打ち出した副都心育成政策とを関連づけてきた。

■駐車にも運転にも厳格な法律を制定

日本人には法律を遵守し、信用を尊ぶ強い道徳意識がある。日本には交通専門の交通警察はないが、日本人は公共意識に基づいて交通法規を自覚的に遵守する。

経済高度成長期、日本は自動車が急速に普及するとともに深刻な駐車場不足の問題に直面した。駐車場設備が不足し、個人ドライバーの駐車ニーズと進まない駐車資源の供給とが重大なアンバランスをみせるようになった。しかし64年の東京五輪を契機に、日本は駐車場をめぐる整った法体系を構築し、「自動車を購入する人は自分で駐車場を用意する」ことを基本原則として確立した。また、固定の駐車スペース、駐車場の計画、道路脇の駐車スペースについて非常に厳格な法律・規定を制定した。こうして無秩序な駐車現象を根本的に食い止め、駐車場施設の建設を促し、中央と地方自治体が主体となって、社会のパワーの参加を促し、駐車場技術産業を発展させ、駐車場産業のスマート化を推進した。

これと同時に、時間に正確で効率の高い公共交通システムの発展に力を入れ、パークアンドライドというグリーンな交通スタイルと結びつけ、都市の駐車場不足という難問の解決に成功した。(提供/人民網日本語版・編集/KS)

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