上司が帰らないから自分も帰れない、働く人を疲弊させる「見せかけ残業」―中国メディア

人民網日本語版    2019年5月21日(火) 19時40分

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昨今の職場では、「ただ長時間いるだけ論」や「出勤しているだけで実は何もしていない」、「上司が帰らないから自分も帰れない」といった「見せかけ残業」の横行は珍しくもなく、人々を疲弊させている。

昨今の職場では、「ただ長時間いるだけ論」や「出勤しているだけで実は何もしていない」、「上司が帰らないから自分も帰れない」といった「見せかけ残業」の横行は珍しくもなく、人々を疲弊させている。雑誌「半月談」が伝えた。

■「残業」という大義名分で存在感をアピール

ある会社勤めの男性は自分の「存在感」をアピールするちょっとした「コツ」は、「上司が午後8時に退勤する場合、上司がオフィスから出て行く時まで帰ってはならず、あなたが文書を読んでいるところや、キーボードをたたいている様子を上司に見せること。もし上司が、『まだ帰らないの?』と聞いてきたら、準備すべきことがまだ少しあるので、と答えれば良い」と話す。

「残業してやるべき仕事が本当に沢山あるのか?」との問いに対し、彼は、「仕事を効率良くやれば、終業時刻前にやり終えることができる。別に上司から抜擢されたいと考えているわけでもないが、他人がやっているのに私はやらなかったら、向上心がなく、真面目に働いていないと人に思われるから」と話す。

■出勤しているだけで実は何もしていない

南京にある電気製品小売企業の社長室で仕事した経験があるという張さん(女性)は、「働いていた当時、職場には上司が帰らないと、部下も帰れず、上司に必死に仕事をしている様子を見せなければならないというのが暗黙のルールになっていた。そのため、上司が退勤しない限り社員も帰宅できず、たとえ座っているだけだとしても夜9時まで残っていた」と当時の様子を話す。

「このような職場のやり方に耐えられなくなり、最終的に退職という道を選んだ。退職後は、気持ちが軽くなり、一気に若返った気がする」と張さん。

多くの人が、「仕事上必要な残業ならば当然全力で対応するが、形式的だったり、横並び的な意図、やっているフリだけの残業は人を本当に疲弊させる」と答えている。さらには、「見せかけ残業のせいで会社を辞める気すらすでに生じている」と心情を吐露する人さえいた。

■「頑張り」も効率と業績を重視すべし

多くのサラリーマンは、「企業の発展のために、従業員は頑張るべきだが、見せかけ残業のような「ニセの頑張り」によって実現できるもでは決してない。頑張りのプロセスにおいて、重視すべきはその効率と業績という方向性」と考えている。

ある企業の責任者は、「残業が生じた時点で、従業員と雇用主の双方が、その原因を探る必要がある。従業員自身に何か問題がある場合は、業務効率を高めるよう促すべきだ。一方、業務量が多すぎる場合は、会社側が、その仕事を一緒に担ってくれる人手を増やすことを考慮しなければならない」との見方を示している。

中南大学人力資源研究センターの主任を務める顔愛民(イエン・アイミン)教授は、「見せかけ残業によって、従業員の頑張りを損ねることはくれぐれも回避しなければならない。業務効率と業務の質を高めるというプロセスを経てはじめて、見せかけ残業という問題を解決することができる。これまでは労働集約型・粗放型発展スタイルの産業が極めて多かったため、たくさん働き、たくさん残業しないと収益が上がらなかった。しかし現在のように質の高い経済発展を実現するためには、引き続き従業員の頑張りや努力を必要とするが、同時に、企業側も内容に焦点を当てた発展を目指し、生産効率・生産レベルを引き上げる必要がある」と指摘した。(提供/人民網日本語版・編集/KM)

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