「米国が中国を建て直した」論はもう止めるべき=中国メディアが論評

人民網日本語版    2019年5月20日(月) 6時0分

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人民日報「鐘声」は「『米国が中国を建て直した』論はもう止めるべき」と題した国際論評を発表した。資料写真。

人民日報「鐘声」は「『米国が中国を建て直した』論はもう止めるべき」と題した国際論評を発表した。以下はその内容。

中国の急速な発展の成果は、すでにわれわれの時代における重要な歴史景観となり、国際世論もこれが「中国の奇跡」であることを一致して認めている。一方で、米国には「過去25年間、われわれは中国を建て直してきた」と、ぬけぬけと主張する者たちがいる。こうした論調は全く常識がないだけでなく、ひどく常軌を逸している。

一部米国人のこういう論調によると、中国は為替操作を通じて「米中貿易の不均衡を招いている」のであり、対中貿易赤字は「米国が中国に富を送っている」に等しく、中国の成功は「かなりの程度が米国の対中投資が後押ししたもの」ということになる。こういう論調は中国国民が数十年間の刻苦奮闘によって得た成果を米国のおかげにする。これは著しく事実に反しており、論理的に極めて馬鹿げている。

「米国が中国を建て直した」論によって、一部米国人の傲慢無知と歪んだ心理状態が露呈した。これは一部米国人に根強い「救世主意識」の反映だ。米国の対中貿易赤字は米中両国の比較優位と国際分業構造が決定したものだ。米国の経済学者は早くからそう結論づけている。中国は貿易において一貫して市場法則に従い、公正な取引をしてきた。中国の対米貿易黒字を「中国を建て直した」論の論拠とするロジックは、なおさらに通用しない。イェール大学のシニア・フェローで、元モルガン・スタンレー・アジア会長のStephen Roach氏によると、米国は世界102カ国と物品貿易で赤字を抱えている。このロジックに従うのなら、全世界の国々の大多数を米国が「建て直した」ことになってしまう。

米中貿易は米国が中国に富を送り込む「一方通行の道」でも断じてない。ドイツ銀行など第三国の発表した研究報告によると、実際には米国は長年にわたり対中貿易で中国より多くの純利益を得てきた。米中の経済貿易協力の本質は互恵・ウィンウィンだ。損をする売買をする者はいない。利益を得ることに長け、「米国第一」を頑なに堅持する米国人ならなおさらだ。

米国からの投資が中国経済の発展に積極的役割を果したことを否定する者はいない。だが、それを中国が世界第2の経済大国に成長した根本的原因にしようとするのは、世界の人々には全く理解不能なロジックだ。1987年に外資統計を取り始めて以降の、中国の外資導入額(実質ベース)は累計2兆ドル以上だが、うち米国の対中投資は800億ドル余りで、全体の4.06%を占めるに過ぎない。800億ドルで「中国を建て直した」と考えるのは、お伽噺でしかない。このロジックに従えば、米国は対中投資とサービス貿易で1年に数千億ドルを得ている。だから中国が米国を建て直したことになるのか?

実は「米国が中国を建て直した」論が登場した後、米国ウェブサイト「ポリティファクト」は「事実を綿密に調査」した結果、このような論法は米中の経済貿易関係を「過度に単純化」して描くものだと結論づけた。米ケイトー研究所のScott Lincicome氏は、こうした論法は非常に微少な細部のみを反映しており、米国を含む全ての国と貿易を行う事は、中国にとって市場経済改革の一部であり、「改革こそが決定的要因」だと指摘する。

どの国も根本的には自らの力を頼りに発展する。10数億の人口を擁する中国という巨大なエコノミーが、他国からの施しと恩恵による発展を期待することはできないことを、中国人は分かっている。「中国を再建」できる能力と実力のある国は世界のどこにもないだろう。中国の発展はつまるところ、中国国民が中国共産党の指導下で絶えず改革開放を推し進め、果敢に刻苦奮闘し、粘り強く奮闘して実現したものなのだ。

中国は扉を閉じて建設に取り組むのではなく、扉を開いて各国と互恵・ウィンウィンの協力を実施してきた。自国の発展と同時に、中国は市場開放を拡大し続けており、増加し続ける対外投資は米国を含む世界各国に、さらに多くのチャンスを創造した。イェール大学の経済学者は、米国債と企業投資に対する中国の融資がなければ、米国は不動産、国防、ビジネス分野で長年成長を続けることはできないのであり、「相互に結びつくグローバル化した世界では、誰が誰を建て直しているとは言い難い」と指摘する。

口を開けば無知をさらすよりも、事実を尊重し、いわれなき対中非難を止め、中国の発展を正しく受け止め、米中の経済貿易関係の正常で安定的な発展に資する事を多くした方が良い。(提供/人民網日本語版・編集/NA)

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