なぜ日本には「老害」が存在するのか―中国メディア

Record China    2019年5月18日(土) 20時40分

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中国メディア・環球網は16日、「日本の老人も『老害』になったのか?」と題した記事を掲載した。資料写真。

中国メディア・環球網は16日、「日本の老人も『老害』になったのか?」と題した記事を掲載した。

愛知県名古屋市の地下鉄東山線栄駅で先月8日、高齢の男性が地下鉄のドアに故意に手を何度も挟み、発車を妨害する事件があった。記事は、日本のSNSで拡散された、騒動の様子をとらえた約1分間の動画を掲載。男性はアナウンスで「手荷物を引くように」と呼び掛けられたり、駆け付けた駅員に手を車内に押し込まれたりしたが、妨害を繰り返した。これを見た日本のネットユーザーからは「この人は何がしたいの?」「クズじゃん」「駅員さんはよくがんばった!」などといった声が上がっているが、記事は、「非難のコメントの中でも、『老害』という言葉が多く使われていた」と指摘した。

記事は、「この『老人』と『公害』を足し合わせた『老害』という言葉には、もともと『老人が会社や政治的な組織の中で大きな権力を持っているため、日本の経済や福祉制度に大きな負担をかけ若者に悪い影響を及ぼしていること』という意味があったが、ここ数年で『老人が年齢を理由に無礼、横柄な態度を取り、他人に迷惑をかけること』という意味に変化した」と説明。「この『老害』は日本で確実に増えている。日本のネットでは『老害』の3大特徴と、具体的な対処法がまとめられた」と報じ、その内容を紹介した。

特徴の1つ目は「『老害』には確固たる自信があり、自分の言うことは全て正しいと主張すること」とした。「自分は若者よりも人生経験が豊富で、若者の考えなど幼稚だと考えているため、若者からの意見やアドバイスを聞き入れず、自分が間違っていても認めない」と説明した。

2つ目は「『老害』は例外なく若者に説教をすることが好きなこと」とした。「『老害』の口癖は『今の若者はダメだ。俺たちが若かった頃は…』というものだが、これには老害の多くは戦後に生まれて日本の復興と発展を支えた世代であるから、今日の日本があるのは自分たちのおかげだという自負があることが背景にあり、漫画やゲームに没頭する若者を見るとつい説教したくなるのだ」とした。

3つ目は「『老害』はよく怒り、すぐにキレること」とした。「日本語には、中国語や英語と異なり敬語という表現があり、『老害』は目下の人から敬語を使われなかったりすれば憤慨してしまう」「『老害』は、公共ルールを破ったりして他人から注意されると、自分の尊厳が傷つけられたと感じ激高してしまう」と指摘した。

そして、「日本人は『老害にはできる限り近づかない』『“勉強になりました”、“さすがです”などといった言葉を使ってあしらう』といった『保身術』をもって対処している」と伝えた。

続いて、記事は「なぜ日本には『老害』が存在するのか」と問題提起。「『老害』による騒動は今回の事件に限らず日本で頻繁に起こっているが、メディアは総人口の約4分の1の割合を占める高齢者の影響力を恐れて、こういった問題をあまり扱わない」と指摘した。また、「2014年の衆議院選挙で高齢者の投票率が若者の2倍以上になったことからも分かる通り、日本の政策の多くは高齢者のためになるようにつくられている。高齢者は新聞購読の主要な客層でもあるため、新聞も容易に老人を批判できない」とし、「つまり高齢者は日本において、『政治的に守られていてメディアからも批判されない』特殊な存在になっており、それが『老害』の出現につながっているのだ」と論じた。

記事は日本の教育評論家・高橋敷氏の1970年出版の著書『みにくい日本人』を紹介。「中国ではよく『高齢者が悪くなったのではなく、悪い人が高齢になったのだ』と言われるが、実は日本にも似た状況が存在する」とし、「同著で描かれている日本人は、まさに戦後生まれの団塊の世代。幼い頃から良好な教育が受けられなかったため言動が粗暴で無礼。現代の『老害』は、年を取った団塊の世代なのだ」とした。

そして、「彼らが若かったころ、日本は戦後復興の時期だった。勤勉に働き、奮闘した。中年になるころには、日本はすでに先進国になっていた。ヨーロッパに旅行に出かけてデパートで商品を買いあさり、大騒ぎし、秩序を守らなかった。高齢になると、日本は凡庸な国家となった。彼らは過去の成功に浸り、若者から疎まれる『老害』になった」とし、「日本社会の発展によって、彼らの悪習が改められることがなかったというのは、一種の悲哀であると言うしかない」と結んだ。(翻訳・編集/岩谷)

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