米中貿易摩擦、「米国が損してる」論に中国紙が反発

Record China    2019年5月15日(水) 6時40分

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14日、貿易をめぐる米中の対立がエスカレートする中、中国・人民日報は「米国が損している」との論に反発する記事を掲載した。写真は中国のコンテナ。

2019年5月14日、貿易をめぐる米中の対立がエスカレートする中、中国・人民日報は「米国が損している」との論に反発する記事を掲載した。以下はその概要。

米国にはいわゆる中米間の「巨額貿易赤字」に気をもむ人が常に存在する。時には「米製造業は数百万人分ものポストを失った」などの言葉が飛び出し、「米国は米中貿易の被害者」と称す。こうした「米国が損している」論は、米国が圧力を極限まで中国にかける依拠の一つだ。

米国は世界最大の経済強国、世界の貿易ルールの制定者だ。「米国が損した」となるなら、米国は自国の損となるようなルールを作ってしまったのだろうか。世界貿易であれ中米2国間貿易であれ、米国は被害者ではない。逆に大きな利益を得ていることは米国の関連業界、消費者、経済学者がよく分かっているはずだ。

米国の貿易赤字は中国によって生まれたものでも、中国によって終わるものでもない。過度の消費、巨額財政赤字などが米国の貿易赤字形成の根本的原因だ。対米貿易赤字は単なるイメージにすぎず、米国の中国における商業利益の真実の姿を反映できていない。世界経済はすでにグローバルバリューチェーンの時代に入った。生産について見ると、米国は世界の産業チェーン、バリューチェーンのハイエンドに立ち、特許技術、中核部品、研究開発、マーケティングなど付加価値の高いポイントを制御し、巨大な利益を手に入れている。アップル社のスマートフォンの例は人々が広く知るところだろう。全ての黒字を端末輸出国のものとして統計すれば、貿易の中の価値分配を客観的に反映できない。

現在、米国資本の企業は中国で年間7000億ドル(約76兆円)の売り上げを得ている。これは中国の発展がもたらすチャンスと成果を米国企業が共有していることの表れだ。米国の商品の安さは多くの人に知られている。中米貿易が高品質で手頃な中国の商品を米国の家庭に届け、消費者の利益を拡大させたのだ。

かねてからの輸入大国である中国は発展が始まって以降、その門をより広く世界に向けて開いた。今の中国は120以上の国・地域にとって最大の貿易相手国だ。中国は貿易黒字の拡大を追求したことはなく、米国の競争力ある商品の輸入を増やしたいと願っている。米国のある機関の分析によると、米国が民用ハイテク商品の対中輸出制限を緩和させれば米国の対中貿易赤字は35%前後減るという。強みを持つ商品の輸出を拒否しておきながら、米国は赤字を他人のせいにするのだろうか。

対中貿易赤字が米製造業の雇用を損ねたという問題についても、「米国の構造調整に原因がある」とするのが米学術界の主流解釈だ。生産の自動化とロボットの投入増加が生産性の向上を呼んだ。対外貿易は劣勢に立たされた産業の淘汰を生むが、それ以上に優位にある産業の拡張をもたらし、産業構造のレベルアップを実現する。米カリフォルニア大学の研究者らは「米国が対外貿易で雇用を失ったというよりは、より報酬の高い雇用を得た」ということを見つけた。

こうした事実は、貿易赤字、製造業の雇用流出が「米国が損している」論を支えきれていないということを証明している。国内の矛盾を一時的にそらせるだろうが、時間が長引けば米国の人々を真の被害者としてしまう。米国の消費者、農場主、企業は米国が引き金を引いた貿易摩擦の被害者だ。彼らは中国の「不公平な競争行為」による被害者ではない。(翻訳・編集/野谷

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