中国の科学技術はノーベル賞に近づいている―濱口道成(科学技術振興機構理事長)

配信日時:2019年5月9日(木) 15時30分
<インタビュー>中国の科学技術はノーベル賞に近づいている―濱口道成
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変容著しい世界の科学技術を見据えながら、日本のイノベーションを推進先導するJSTの濱口理事長にその抱負を語っていただいた。
科学技術振興機構(Japan Science and Technology Agency、略称JST)は、日本の科学技術政策を推進することを目的として設立された文部科学省所管の国立研究開発法人である。変容著しい世界の科学技術を見据えながら、日本のイノベーションを推進先導する同機構の濱口理事長にその抱負を語っていただいた。(聞き手は人民日報海外版日本月刊編集長・蒋豊)

<科学技術の4つの役割>
――まず、科学技術振興機構の設立目的と主な取り組みについて教えていただけますか。

濱口:文部科学省の下で、いわゆる研究費を提供しているところは、日本学術振興会(Japan Society for the Promotion of Science、略称JSPS)と科学技術振興機構です。この2つは、役割が大きく分かれています。日本学術振興会ではキュリオシティ・ドリヴン(curiosity driven)、要するに研究者1人1人の「好奇心」をとても大事にしています。人間が持っている基本的な好奇心が原動力になって科学をつくっていく作業を、日本学術振興会はサポートしています。だから基本的には個人ベースで、研究者の純粋な気持ちが一義的な出発点になっています。

科学技術振興機構はそれとは少し違い、イシュー・オリエンテッド(issue oriented)と言って課題解決型です。これはJST単独の考えではなくて、社会の流れの中でみれば、結節点になるのが1999年の世界科学会議で採択された「科学と科学的知識の利用に関する世界宣言」、いわゆるブダペスト宣言です。そこでは、人類社会が21世紀を迎えるに当たって、科学技術には4つの役割があるということが明文化されました。1番目は「知識のための科学」で、これはキュリオシティ・ドリヴンと同じような意味です。2番目は「平和のための科学」で、3番目が「開発のための科学」です。それから4番目が「社会における科学と社会のための科学」です。

JSTではその2番目・3番目にもある程度絡んでいますが、4番目の「社会における科学と社会のための科学」とは何かをずっと考え、取り組んでいます。そのためにいろいろな課題をもうけては、研究者を組織して、その人たちに研究費を提供し、課題を研究していただくということをやっているのです。代表的なものだと、量子コンピューターであったり、最先端技術で特殊な材料を開発するというところから、もっと普遍的な、生物学と化学とを融合をした研究はどうやったらできるであろうかとか、そういうカッティング・エッジ(先端的)なことをやっています。

<東日本大震災から学んだこと>
濱口:一方で、この数年私たちは、2011年に起きた東日本大震災から多くのことを学んできました。JSTは現地の復興を科学技術を通じて援助するということを随分と考え、実行してきました。それは自然のメカニズムで地震や津波がどうやって起きるのかといった解明だけではなく、もう一歩市民生活へ踏み込んで、普通の人の普通の生活、その中にある幸せをどうやって科学技術で支えていくのかということでした。壊れてしまった地域社会の仕事をどうやって復興させるのかとか、福島の高校生はずっと自分の地元で勉強したいけれど本当に安全だろうかとか、それぞれのフェーズ(局面)でいろいろな課題がありました。その中で、われわれが一番学んだのは、教育はとても大切だということでした。
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