お金で時間を買う「代行ビジネス」、中国で拡大―中国メディア

人民網日本語版    
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ここ数年、市内規模の配達ビジネス市場が日に日に拡大し、顧客の足代わりになる「代行ビジネス」のプラットフォームが登場すると、宅配やデリバリーの大手がこの「大きなパイ」をめぐる戦いに次々乗り出した。

出張に行こうとして身分証明書を忘れたことに気づき、宅配サービス・閃送の配達員に空港まで届けてもらう。フレッシュな生鮮食品やお菓子を食べたいが家を出るのは面倒という時、デリバリー配達員に買ってきてもらう。ここ数年、市内規模の配達ビジネス市場が日に日に拡大し、顧客の足代わりになる「代行ビジネス」のプラットフォームが登場すると、宅配やデリバリーの大手がこの「大きなパイ」をめぐる戦いに次々乗り出した。先月に京東快逓が市内スピード配達サービスを始めると発表したのに続き、美団もこのほど新ブランドの美団配送を打ち出し、配達プラットフォームを開放すると発表した。

飲食品のデリバリーから始まった市内配達サービスは、今や個人レベルのさまざまな配達シーンに広がりをみせている。しかしこうした時間をお金で買う代行サービスは現時点では監督管理の「真空地帯」にあり、サービスの質と情報のセキュリティーをどのように保障するかが、消費者の懸念する問題点になっている。

■京東と美団が市内配達サービスに相次いで進出

美団外売のアプリケーションには、グルメのほか、スーパー・コンビニエンスストア、野菜・果物、お薬配達、購入代行など10数種類の項目がある。美団配送の魏巍(ウェイ・ウェイ)社長は、「美団配送の資源を開放することで、横方向では企業とユーザーのより多くの品目やシーンにおけるリアルタイム配達のニーズに対応し、縦方向では末端の配達資源の共有と都市物流の全体的効率の向上が可能になることを目指す」と述べた。

業界関係者は、「デリバリー配達員の人件費が上昇したことが、美団が事業規模を拡大し、配達サービスを開放した原因の1つ」との見方を示した。美団の決算によると、2018年のコストの中で最大のものはデリバリー配達員に関するコストで約305億元(約5032億円)に上り、コスト全体のうち4割近くを占めたという。

市内配達サービスの競争に新規参入した「プレイヤー」は1社にとどまらない。今年4月、同じく配達員のコスト増に悩む京東は、企業と個人向けに市内スピード配達サービスを打ち出し、文書、食品、生花、果物と生鮮食品、デジタル製品などを取り扱うと発表した。順豊速運も昨年から市内スピード配達サービスのテストを進めており、今度は北京でのサービス提供範囲を広げ、これまでの5環路内から6環路内に拡大すると発表した。

宅配に詳しい徐勇(シュー・ヨン)さんは、「過去の物流企業の競争には同質化による価格競争という問題があった。人々の効率に対する要求がますます高くなるのにともなって、物流企業は効率をポイントとする競争の段階に入り、サービスの細分化が次のトレンドになった」と分析した。

■代行プラットフォームでは個人向けサービスが人気

自らフローをもたらす宅配企業とデリバリー企業が市内配達サービス市場に次々力を入れるようになり、市内での代行サービスを主要事業とするベンチャー企業も新たな事業の開拓を進めている。大手企業が自前の配達チームを抱えるのと異なり、市内の代行サービスのプラットフォームではより身軽なクラウドソーシングのスタイルでサービスを提供するところが多い。

異なる地域で暮らす彼女に花を贈りたい。家族のためにケーキを買いたい…。このような個人のさまざまなニーズに応えることが、クラウドソーシング型代行サービスプラットフォームが力を入れる方向になっている。閃送が今年発表した報告によると、2014年に代行サービス産業が誕生してスタートした頃は、身分証明書や文書などのすぐ必要な物品を市内に配達してほしいという注文が多かった。そして今、利用シーンには大きな変化が起きている。18年の応用シーンをみると、「難しい、忙しい、急いでいる、面倒くさい」から頼んだというケースがこれまでと同じように上位4位を占めたが、以前と異なるのは、相手を大事に思うからとか、気持ちを伝えたくてといった理由による注文が増え始め、全体の20%近くを占めるようになったことだ。

北京市民の孫さんは、「東直門の焼肉レストランで昼食を取ろうと思ったので、閃送の配達員に先に行って1時間並んでもらった。報酬は20元(約330円)で、妥当な金額だと思う」と話した。代行サービスプラットフォームでは、代わりに列に並ぶ、代わりに買い物をする、代わりに犬の散歩をするといった個人向けサービスの価格が明示されており、忙しいサラリーマンがお金で時間を買えるようになっている。

現在、代行サービスプラットフォームは業者や企業向けのサービスにも力を入れている。たとえば閃送の配達員が業者のために店舗間の在庫調整役を務めたり、ドライクリーニングに出す衣類を取りに行き、終われば配達したり、査証(ビザ)発行機関をサポートして申請者に資料やパスポートを届けたりしている。(提供/人民網日本語版・編集/KS)

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