中国J-20は早期警戒機に対する脅威…になるはずだったが米軍はすでに「対策済み」―中国メディア

Record China    2019年5月7日(火) 6時40分

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中国ではこれまで、自国のJ-20戦闘機に射程300キロメートルの空対空ミサイルを搭載すれば、米国の早期警戒機にとって脅威になると主張する記事が発表されてきた。しかし新浪網は、米国はすでに対策を編み出したと論じる記事を発表した。写真はJ-20。

中国ではこれまで、自国のJ-20(殲-20)ステルス戦闘機に射程300キロメートルの空対空ミサイルを搭載すれば、米国の早期警戒機にとって脅威になるなどの論調の記事が発表されてきた。しかし中国メディアの新浪網は5日付で、米国はすでに対策を編み出したと論じる記事を発表した。

早期警戒機または早期警戒管制機と呼ばれる機種は、大型レーダーなどを搭載し、一定空域内の敵性・友軍機などの空中目標を探知し、友軍を指揮する任務を担う(以下、早期警戒機とする)。米軍は早期警戒機を利用するシステムを早くから完備した。米軍が仮に早期警戒機を撃墜されれば、軍の航空任務は極めて深刻な打撃を受ける。

一方、中国軍も米軍などを想定し、早期警戒機の破壊により相手側の作戦を水泡に帰す方策を研究してきた。例えば新型のPL-15(霹靂-15)空対空ミサイルは、性能などが公表されていないものの、射程は控え目の見積もりでは150キロメートルで、300キロメートルとする見方もある。PL-15の第一の標的と考えられるのは空中給油機や早期警戒機など迅速な飛行ができない航空機だ。これらの機種の安全が確保できなければ、米国の航空作戦は、そもそも成立しないことにもなりかねない。

なお、PL-15はJ-20への搭載を前提に開発されたとされる。

しかし記事は、米国は早期警戒機として使用しているE-3シリーズやE-2シリーズの性能向上をもはや考えておらず、次世代型のE-10の開発も中止したと紹介。その理由として、早期警戒機は出動させず、複数のF-35によるデータリンクにより情報を共有することで事実上の「バーチャル早期警戒機」を構築する試みを始めていると論じた。すでに、4機のF-35を利用することで、E-2D早期警戒機に匹敵する性能を発揮させているという。

記事は続けて、複数のF-35を利用すれば、仮に1機が破壊されても、他の機を利用することで、同様の効果を維持することが可能と論じた。

ステルス技術とは、照射されたレーダー波の反射を少なくすると同時に、レーダー波の反射を照射元方向からそらせて、探知されにくくする方法による。記事は、複数のF-35を「バーチャル早期警戒機」に仕立てた場合、レーダー波を発射したF-35自身が反射波を探知できなくても、別の位置を飛行するF-35がキャッチすることで、相手側のステルス性を大きく減じると紹介した。

ただし、早期警戒機の必要性が消滅するわけではないとした。早期警戒機による管制・指揮や電子戦の能力は他に代えがたい長所があり、また、戦闘機のデータリンクだけに頼ったのでは、相手の電波妨害に耐えられるか同課には疑問が残るからという。ただし、早期警戒機にとって危険の高い空域での作戦や、早期警戒機が破壊された状況において「バーチャル早期警戒機」という選択肢を持つことで、空域での優勢を最大限に維持することが可能という。

記事は最後の部分で「バーチャル早期警戒機」について、「米国の専売特許ではない。われわれも、関連技術の基礎を持っている」と主張。今後のレベルアップにより、J-20を同様に使用することも可能と論じた。(翻訳・編集/如月隼人

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