日本の「10連休」は諸刃の剣?経済への寄与は限定的―中国メディア

人民網日本語版    2019年4月26日(金) 7時40分

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日本では4月末から5月初めにかけての時期に毎年、「ゴールデンウィーク」と呼ばれる連休を迎える。資料写真。

日本では4月末から5月初めにかけての時期に毎年、「ゴールデンウィーク」と呼ばれる連休を迎える。今年は明仁天皇が4月30日に退位し、皇太子徳仁親王が5月1日に即位することから、退位と即位に関する日程および「祝日法」に基づき、4月27日から5月6日まで10連休になる。日本メディアの見方によると、この「超大型連休」は内需振興にはプラスになるが、日本経済への寄与は限定的という。「経済参考報」が伝えた。

▽「10連休」は諸刃の剣

日本の共同通信の報道によると、日本国内にデパートは新元号を記念する販売促進イベントを計画しており、日本の国内消費は活性化するとみられ、海外旅行に出かける人も多い。その一方で、日本経済に大きな影響力をもつ企業の生産活動は停滞する可能性があるという。

松屋銀座の責任者は共同通信の取材に対し、「10連休期間に、企業は売上高の前年同期比20%増を目指している」と述べた。東京都豊島区にある東武百貨店池袋店も婦人衣料品のセールを打ち出すという。新元号の令和元年にちなみ、1111円の牛肉弁当も販売するという。キリンビールは連休中にアルコールの売り上げが増加するとみて、4月下旬の主力商品「一番搾り」の生産量を例年より約70%増やすとしている。アサヒビールとサントリービールも主力商品を増産する予定だ。

日本メディアの試算では、超大型連休期間中、日本国内の主要空港と主要鉄道駅は相当な混雑が予想されるという。大手旅行会社JTBの試算では、4月25日から5月5日までの間に1泊以上滞在する海外旅行者(里帰りも含む)はのべ約2467万人に上り、前年同期比1.2%増加して、過去最高を更新することになるという。

しかし日本企業の多くと日本国民の一部は連休にそれほど大きく期待していない。

ロイター通信の調査で超大型連休期間の運営プランをたずねたところ、企業の47%が「運営の一部を一時的に停止する」と答え、38%が「運営を全面的に停止する」と答えた。トヨタホンダは27日から5日まで工場の操業を停止し、6日に再稼働する。日産は10日間の操業停止にするという。

別の調査でわかったのは、日本国民の多くが超大型連休にそれほどワクワクしていないことだ。時事通信が発表した調査結果では、回答者の41%が「10連休にワクワクしない」と答え、21%が「関心がない」と答えた。「ワクワクしない」は30歳代で46.9%、40歳代で45.9%と多い。また今年の大型連休には、家で過ごすとした人の割合が過去最高で64.3%に上った。そのうちの多くが「たまった家事を片付ける」、「近所で買い物をする」、「映画を見る」予定という、国内旅行や海外旅行に出かける人は16.2%にとどまる。

ニッセイ基礎研究所経済研究部の斎藤太郎氏は、「生産が停滞する影響で、日本の第2四半期(4~6月)の国内総生産(GDP)の実質値は0.4%減少する可能性がある。少なくとも10連休に経済を押し上げる効果は期待できない」と述べた。

▽経済はなお緩和政策の支えが必要

日本経済はこれから大きな挑戦に直面するため、政策決定者は緩和政策に依然として期待を寄せる。

統計によれば、2018年の日本の実質GDPは0.7%成長となり、成長率は17年の1.9%から大幅に低下した。アナリストの間では、「日本経済は7年連続で成長したが、成長の勢いに衰えが見られる」との見方が一般的だ。このほど発表された4月の月例経済報告でも、日本政府は目下の国内経済情勢に対し「緩やかに回復している」との見方を維持しつつ、「輸出や生産の一部に弱さもみられる」ことも認め、企業の景気に対する見方を反映した業況判断を下方修正した。日本メディアも、日本の経済成長の基礎は脆弱で、輸出データと工場生産データの低迷が懸念され、5月に発表される第1四半期のGDPデータはおそらく小幅の低下になると報じた。

また国際通貨基金(IMF)はこのほど発表した最新の「世界経済見通し」の中で、「安倍内閣の内需喚起政策は日本経済の大幅な落ち込みは防ぐことができるが、世界経済は依然、下方リスクに直面しており、貿易政策にはなお不確定性が存在する」との見方を示し、日本の19年の経済成長率予測を0.1ポイント引き下げて1.0%とした。「19年10月に消費税率が引き上げられれば、20年の日本経済成長率はさらに低下して0.5%になる」とも予測した。

日本の経済学者竹中平蔵氏は、「安倍内閣は経済復興の促進で努力してきたことは確かだが、財政再建と社会保障改革では多くの問題を未来に先送りしている。日本の潜在的経済成長率は非常に低く、これをなんとかしなければ、日本経済は長期的な低迷に陥り、おそらく社会保障の負担をまかなえなくなる。潜在力を呼び起こして日本を取り戻すか、少子高齢化がさらに足を引っ張るようになるか、今は非常に重要な転換点にさしかかっている」と述べた。

日本銀行(中央銀行)で金融政策の立案を担う企画担当理事の前田栄治理事は24日、「経済が2%のインフレ目標達成の原動力を失ったとしたら、日銀は活性化措置を強化する準備があり、おそらく複数の措置を総合的に採用することになる。日銀がどのような措置を執るにせよ、政策が経済と銀行システムに与える影響を同時に考慮しなければならない。もしも経済の物価目標達成の原動力が脅威にさらされるようなことになれば、日銀は必要な時にさらなる緩和政策を打ち出すこともできる」と述べた。また日本の国会で、「日銀が使用できる緩和政策にはさまざまな方法があり、金利引き下げ、資産購入の拡大、紙幣の増刷ペースの加速などいろいろある」と述べた。

ロイター通信はこのほどアナリスト17人に対する調査を踏まえて、「日銀は24日と25日に行われる金融政策決定会合で経済活性化措置を維持し、短期金利をマイナス0.1%で据え置くと同時に、10年物国債金利がゼロ%程度で推移するよう誘導することを引き続き約束するとみられる」と報じた。(提供/人民網日本語版・編集KS)

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