2013年3月20日、習近平（シー・ジンピン）国家主席のロシア、アフリカ諸国への初外遊に、夫人で国民的歌手の彭麗媛（ポン・リーユエン）さんが同行することが最終決定されたことを、中国の主流メディアが伝えた。夫人にとっては、ファーストレディーとして、彼女ならではの魅力をアピールし、イメージ戦略を展開する初舞台となるだろう。米華字メディア・多維新聞が伝えた。

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関係者によると、訪問先では夫人単独の活動も予定されており、「夫人は中国のソフト・パワーの強化、対外的なイメージの向上にプラスになる」との声も上がっている。彭夫人が持つ3つの「ソフト・パワー」を紹介しよう。

先ずは彭夫人個人の人気と魅力である。彭夫人は中国軍所属の国民的歌手で、その名を知らない人はいないほどの高い人気を集めている。大規模な公式晩餐会で幾度となく大トリを務めた実績もあり、中国歌謡界の頂点に立つ歌声であると評価されている。

次に、彭夫人の親善大使としての活動である。2007年、習氏が中国共産党中央政治局常務委員会に選出されると、夫人は商業的な歌手活動をやめ、慈善活動に積極的に参加するようになった。2011年8月には世界保健機関（WHO）に「結核・エイズ予防親善大使」に任命され、世界エイズデーのキャンペーンに参加し、2012年には世界最大の慈善団体「ビル・アンド・メリンダ・ゲイツ財団」の受動喫煙防止のプロジェクトで親善大使を務めている。この度の外遊先であるアフリカはエイズの感染率が高い地域であることから、エイズ予防の親善大使を務める彭夫人の活動が期待されている。

三つ目のソフトパワーは彼女の持つ「親しみやすさ」である。この「親しみやすさ」こそ、習外交を後押しする最大の力となるだろう。習国家主席はかつて、「中国は世界をもっと理解する必要があり、世界もまた中国をもっと理解する必要がある」と話しており、主席就任以来、親しみやすいイメージをアピールしている。

彭夫人が習国家主席の外遊に同行することは、世界がより一層中国を理解するための一種の戦略であり、好感度アップに繋がる上策でもある。彭夫人の魅力と親しみやすさは、習国家主席のイメージ向上の最も有効な方法となり、「彭夫人は蒋介石夫人の宋美齢さん以来の、中国で唯一国際的な影響力を持つファーストレディーとなるかもしれない」との見方もある。（翻訳・編集/XC）