日本の量的緩和策、深刻な副作用に警戒が必要―中国メディア

Record China    2013年3月22日(金) 17時6分

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21日、日銀のさらなる金融緩和は実施を間近に控えている。写真は日銀の北京事務所。

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2013年3月21日、中国証券報によると、日本の参院本会議は今月15日、黒田東彦氏を日銀総裁に、岩田規久男氏と中曽宏氏を副総裁に指名する政府人事案を正式に承認した。日銀の新役員は今月20日に正式に就任した。日銀のさらなる金融緩和は実施を間近に控えている。

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日銀新役員の金融政策に関する発言内容によると、日銀は4月4日に新たな量的緩和策を実施する可能性がある。その具体的な内容は、次のようになるだろう。(1)資産買入基金による買い入れ国債の残存年限を延長する。(2)2014年初からの開始を予定していた無期限資産購入を前倒しし、毎月の資産購入限度額を引き上げる。(3)金融政策面で物価上昇2%の目標を強化し、ゼロ金利政策の終了と結びつける。

日銀の人事・政策の変化は、安倍晋三首相とその経済政策にとって、力強い支援となる。アベノミクスが日本経済を振興するかについては、今後の経過を見守る必要があるが、市場では直ちにその影響による効果が現れている。

緊急金融政策の1つとして、日銀は過去半年に渡り、円相場を大幅に引き下げた。次に、日本の株式市場は過去5〜6カ月間で47%の全面高となり、日経平均株価は2012年10月の8500円から3月中旬の約1万2500円に上昇した。

円安が世界的な為替操作戦争を引き起こすかに関して、円安が中国の輸出に与える直接的な影響は、小規模な範囲にとどまると見られる。中国の対日輸出は輸出総額の約7.5%しか占めず、その重要性は米国およびユーロ圏(それぞれ約17%)を大きく下回る。また、日本と中国は異なる商品を輸出しており、第三国市場における直接的な競争は少ない。そのため円相場が過去5〜6カ月で20%超低下したが、中国の輸出に与える影響はごくわずかだ。

円安が為替操作戦争を引き起こすかについては、今後の円安進行の幅とペースに左右される。現状を見る限り、さらなる急激な円安、為替操作戦争のエスカレートの可能性は低いと判断できる。

2012年10月以来の急激な円安は、それまでの円高によるものだ。円の過大評価を受け、日本の海外貿易が低迷した。2012年下半期より、日本は半年連続で貿易赤字を計上しており、2012年11月と12月には経常赤字に陥った。これは最近の急激な円安にも関わらず、その他の国家による競争的な為替操作が生じていない主因だ。

今年中にさらなる急激な円安が生じる可能性は低い。市場では、現在の円相場は適度な水準に近づいているとされている。過去5〜6カ月の大幅な円安を受け、一定の時間差を置いてから、日本の貿易額と海外投資収益が改善され、日本の経常収支が好転する。これはさらなる円安の原動力を失わせるだろう。

全体的に見て、日本の緊急金融対策・財政政策は、日本経済に変化をもたらすだろう。しかしこの政策により、大きな副作用が生じる可能性がある。

日本国内の経済にとって、2%の物価目標が最終的に達成されるかは大きな疑問だ。日本がデフレ脱却し適度な物価上昇の段階に入ったとしても、これは政府による国債発行のコストが大幅に上昇することにつながる。また、物価が上昇した場合、秩序なき円安を引き起こす恐れがある。日本国債の最大の保有者である国内の投資家が、国債に対して自信と興味を失い、国債市場の崩壊を招く可能性は、日本政府が直面する難題となるだろう。

世界金融市場にとって、日銀の量的緩和策の強化は、先進国の中央銀行による量的緩和が短期的に継続されることを意味する。十分な資金、先進国経済の回復の疲弊により、資本がさらに新興市場に流動し、短期間内に新興市場の資産価値がさらに押し上げられる可能性がある。先進国が今後、量的緩和策を終了した場合、それに伴い生じる資本流出のリスクは、新興市場国さらには世界金融市場の大幅な調整を引き起こすかもしれない。この新興市場国には中国も含まれるため、これは今後1〜2年間に渡り注目すべき問題だ。(提供/人民網日本語版・翻訳/YF・編集/内山

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