日本軍国主義が復活・中国と戦争を起こす…などと言うのはやめよう、自らがしっかりしていれば問題なし―中国メディア

Record China    2019年4月16日(火) 23時20分

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中国メディアの環球網は「日本とは必ず戦争だと叫ぶのは、もうやめましょう」と題する記事を発表した。同論説は「日本の軍国主義の復活を過度に心配する必要ない」と主張し、中国が自ら破滅的な失敗をしないかぎり、日本が中国の発展を妨害することはありえないと論じた。

2019年4月16日、中国メディアの環球網は「日本とは必ず戦争だと叫ぶのは、もうやめましょう」と題する論説記事を発表した。同論説は「日本の若者の間では平和主義が盛んで、軍国主義の復活を過度に心配する必要ない」と主張し、中国が自ら破滅的な失敗をしないかぎり、日本が中国の発展を妨害することはありえないと論じた。

記事は冒頭で、河野外務大臣を初めとして吉川農水大臣、世耕経産大臣ら日本側閣僚6人が13日から訪中して日中ハイレベル経済対話が開催されたと紹介し、「両国関係の改善を示す大きな兆候」との見方を紹介。さらに4月下旬には山村浩海上幕僚長や自民党の二階幹事長が訪中することにも触れた。

日中の近現代史については、日本側を強く批判。日清戦争と日中戦争の2度に渡り、日本は中国の現代化を中断させたと主張。しかし現在の中国は経済規模(GDP)が日本の2.7倍になるなど、力強い民族復興と現代化を進めており「中国が自ら破滅的な失敗をしないかぎり、日本が中国の発展を妨害することはありえない」と論じた。

さらに、国際社会の現実を見ても、中国と日本はグローバル化の恩恵を真っ先に受ける存在であり、「覇権国家の保護貿易主義と一国主義が横行する今日、世界第2の経済体(=中国)と第3の経済体(=日本)が市場の多元化と全世界貿易の推進を追求するにあたって、求めるところが一致することは自然なこと」と評した。

また、「民族心理」の面から、中国の台頭が始まった初期の段階の日本では不安感も発生したが、日本も適応するようになり、両国関係を不安定にする要因は弱まったと主張した。

記事は改めて、日中戦争について「日本軍国主義が中国に侵略戦争を行った罪は、人類史上でも驚くべき反人類の罪」と厳しく批判し、「日本の右翼勢力も絶対に軽視してはならない」「(日本では)戦後も軍国主義の残余が徹底的に排除されたわけではない」と論じた上で、「民主化の改革が行われ平和が長く続いた日本で、若者の間では平和主義が盛んで、軍国主義の復活を過度に心配する必要ない」との見方を紹介した。

記事は再び、「(日本の)軍国主義の復活を議論する必要はない。歴史は早い時期に、最も頼りになるのは自分だと証明している」と論じ、中国が強国強兵策を推進しさえすれば、日本軍国主義の復活を恐れる心配はないと主張した。

記事はさらに、日中両国関係にとって「最も決定的なのは米国の要因」と主張。中国が台頭すれば、米国が日本に対して対中圧力を強めることをさらに望むようになると論じた。また、尖閣諸島問題で日中関係が全面的に悪化すれば、米国が「漁夫の利」を得ることになると主張。ただし、米国もそのような方法は「成熟した大国がすべきことでなない」と主張。

2012年に尖閣諸島を巡る日中の対立が激化したことについては、「1971年に米国が釣魚島(尖閣諸島の中国側通称)の施政権を日本に渡してから、中日両国の間には40年間に渡り一貫して『争議は棚上げ』という暗黙の了解があった。(問題が)爆発したのは2012年以前でもなく、以後でもなかったのはなぜだったのか」と疑問を示し、2012年初頭には中日韓による北東アジア貿易圏についての話し合いがうまく行き、日中の通貨スワップなども初歩的な合意が達成されたとして、東アジアに人民元を基調通貨とする巨大経済圏が出現する可能性が出てきたことで「覇権国家は体中から冷や汗を流した」と主張。2012年に日中関係が悪化したのは、「米国の思惑があった」と示唆する書き方をした。

上記論争は中国の大手ポータルサイトである新浪網も転載した。新浪網は同記事を「官媒(グァンメイ)」の記事と強調した。「官媒」は「当局メディア」を意味し、環球網が中国共産党機関紙である人民日報系の媒体であることを示す。中国メディアが「官媒」からの記事転載と強調する場合、当局の公式見解を直接に反映した記事との見方を示すと理解してよい。

なお、上記記事にある「日本軍国主義の復活を心配する必要はない」などは、2012年に胡錦濤政権が発足した前後に発表された論調の「新思考外交」に類似している。ただし、米国の動きを強く意識したものである点は、異なっている。(翻訳・編集/如月隼人

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