TPPへの交渉参加、日本が得られるものと失うもの―中国メディア

Record China    2013年3月13日(水) 8時40分

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12日、安倍首相は訪米時に「環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)」交渉への日本の参加についてオバマ大統領と共同声明を発表した。帰国後もTPPに向けて休まず奔走し、呼びかけ続けている。写真は東京。

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2013年3月12日、安倍晋三首相は訪米時に「環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)」交渉への日本の参加についてオバマ大統領と共同声明を発表した。帰国後もTPPに向けて休まず奔走し、呼びかけ続けている。安倍首相を喜ばせたのは、TPP交渉について自民党上層部の会議で政府に一任を取り付けたことだ。しかも連立政権を組む公明党もこれに従った。これは安倍政権が速やかにTPP交渉参加の決定を発表し、今年中頃には米国と本格的な交渉に入ることを意味する。中国青年報が伝えた。

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国内のあちこちから反対の声が上がっているため、菅直人氏、鳩山由紀夫氏、そして野田佳彦氏といった最近の首相はTPP交渉参加について当たり障りのないことを口にするか、積極的な姿勢を示して拒まれるかのいずれかだった。一方、安倍首相をTPPへの明確な同意へと突き動かした直接的な力は、オバマ大統領との共同声明で取り付けたほっとする言葉だ。すでにTPP交渉参加に同意した11カ国(日本を含まない)は「全ての物品」が交渉対象になることで合意しているが、共同声明は日米双方が「敏感な問題」を抱えていることを確認したうえで、「一方的に全ての関税撤廃をあらかじめ約束することを求められるものではない」と指摘した。これは安倍首相が政権公約で示したTPP参加条件(米などを関税撤廃の例外とすることを認める)と基本的に一致しているように見える。

確かにTPP交渉参加への同意は安倍首相からオバマ大統領への手厚い手みやげとなった。米国がアジア太平洋地域でTPP交渉推進を加速する大きな目的は、自国の「アジア回帰」をスピードアップすることにある。現在TPP交渉には米国の信頼できる同盟国であるオーストラリアだけでなく、シンガポール、ブルネイ、マレーシアといったASEAN(東南アジア諸国連合)主要国も参加しており、その経済規模は世界の30%に達しうる。もし日本が参加すれば、この数字は7ポイント上昇するうえ、日米のGDP(国内総生産)がTPP加盟国全体の91%を占めることになる。アジア太平洋に対するオバマ大統領の影響力は著しく増大する。さらにオバマ大統領は、TPPを通じて米国の輸出の余地が11%広がることも期待している。

日本が米国への協力と引き換えに得ることを望んでいるのが、アジア地域における自らの政治的・経済的地位の盤石化であることは間違いない。日本としては米国の経済力、政治力、軍事力の助けを借りて自らの影響力を強化することで中国に対抗し、中国を抑え込み、安全保障上の不安を取り除くことが、最も手っ取り早く、かつ有効な方法なのだ。経済規模で中国に追い抜かれたうえ、尖閣諸島の領土係争でぎくしゃくしているため、日本は中国に対して警戒、疑念、不安を強めている。そのうえ国力が日増しに衰えており、「集団的自衛権」を手に入れるだけでも米国との同盟関係に一段と頼らざるをえない。また、米国からの安全保障上の庇護と外交・戦略面の支持も望んでいる。

地政学上の訴えが満たされるのと同様、TPPによってもたらされる経済的価値も軽視できない。アジア通貨危機以来、日本経済は15年連続でデフレに苦しんできたうえ、円高が続き、輸出不振が長年続いた。さらに日本経済は高齢化と地震・津波による打撃という二重の試練を経験。このうち地震と津波によって引き起された福島第1原発からの放射性物質漏れ事故はエネルギーコストの上昇を招き、工業地帯は「空洞化」の様相を呈している。こうした状況の下、安倍政権は大胆な財政出動による景気刺激策、「無期限」の金融緩和政策を打ち出すと同時に、TPP交渉参加の助けを借りて輸出改善を後押ししようと考えている。TPP交渉参加国を見ると、米国は日本にとって第2の貿易相手国であり、ベトナム、マレーシア、チリは経済成長率が5%を超える。このため日本にとってTPP参加は工業製品輸出を促すだけでなく、安価な商品を輸入することで国内消費を刺激することもできる。

しかし、自動車業界に代表される製造業がTPP交渉参加を煽る一方で、全農や日本医師会などは次々に反対の狼煙を上げている。日本は現在米、小麦、乳製品、砂糖などの農産物に対して依然100%以上の高い関税を課している。中でも米の関税は778%にも達する。だが日本の農業従事人口は労働人口全体の4%に過ぎない。第一次産業は日本のGDPの4%を占めるに過ぎず、労働人口でもGDPの割合でも第二次産業が農業を遥かに上回る。したがって、日本はTPPから得られるメリットの方が、損なわれる利益を上回るはずだ。もしTPP交渉の過程で米国が本当に日本農業の高関税保護を特別に認めたら、安倍政権がすでに農業分野の徹底的な改良を決定していることもあって、TPP参加への「農業障壁」は自ずと取り払われる。

安倍首相がTPP交渉の順調な始動に希望を見出している理由には、国内政治の天地を覆すような変化もある。安倍首相の右翼政策は日本民族主義の台頭を促し、過去に決別する潮流を巻き起こしている。現在安倍内閣の支持率は72.8%にまで上昇。TPP交渉参加に賛成する人も1月調査時の53%から2月には63%に上昇した。安倍首相は自ら政策を決めるための手堅い基盤を得た。野党の民主党や日本維新の会からはTPP参加反対の声がまだ上がっているが、安倍首相は完全に見て見ぬふりをすることができる。(提供/人民網日本語版・翻訳/NA・編集/内山

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