金を支払い「味見代行」?中国で注目集める「ソーシャル消費」のなぜ

人民網日本語版    
facebook X mail url copy

拡大

「別の人が買ったものを代わりに食べたり、飲んだりする商売」と聞くと、そんなおいしい話がどこにあるのかと感じる人も多いだろう。しかし、中国のECプラットホームには、有料の「味見代行」サービスという書き込みが確かにあった。では、そのようなサービスを利用する人が本当にいるのだろうか?

「支払いは別の人が負担し、その人の代わりに食べたり、飲んだりする商売」と聞くと、そんなおいしい話がどこにあるのかと感じる人も多いだろう。しかし、中国のECプラットホームには、有料の「味見代行」サービスという書き込みが確かに見られる。しかしこのようなサービスを利用する人が本当にいるのだろうか?北京青年報が伝えた。

「味見代行」してもらえる食品は多数 動画や画像の撮影方法指定可能

あるECプラットホームにログインしてみると、「味見代行」という書き込みをしているネットユーザーは一人や二人ではなかった。そのプラットホームで「味見代行」と検索してみると、100件以上ヒットした。

それら「味見代行」の書き込みを見ると、「ミルクティー限定」と備考を加えているネットユーザーもいれば、代行できる地域を限定しているネットユーザー、さらに、「体に悪いものや食べられないもの以外は何でも味見代行可能」としているネットユーザーもいる。

料金も0.5元から50元(1元は約16.6円)と幅があり、「味見代行」の売り文句として「列に並ぶ必要はなし」や「太る心配なし」といったフレーズが見られた。

しかしそのサービスを利用するため連絡してみたところ、その多くが遊び半分で書き込みをしていることが分かった。

もちろん、本当に「味見代行」をしているネットユーザーもいる。書き込みをしているネットユーザー20人以上と連絡を試み、ついに実際に「味見代行」をしてくれるネットユーザーと連絡が取れた。また、このユーザーは以前の利用者とのチャット記録を示すことで、実際にそのサービスを提供していることを証明してくれた。

消費者の一人として「味見代行」サービスを体験してみたところ、まずは「味見代行」をしてもらうブランドと商品を選び、味見をしている様子を動画で撮影するのか、画像で撮影するのかを選ぶよう求められ、撮影する際にその人の顔を映す必要があるかも指定できた。

今回「味見代行」をしてもらったのはミルクティーで、商品の価格に加えて代行費用として5元を請求された。約束の時間になると、指定のミルクティーを購入し、それを飲んでいる様子を捉えた日付入りの動画、ユーモラスな画像2枚が送られてきた。これで、サービス提供完了となる。

「味見代行者」のほとんどは学生 目的は交流

なぜ「味見代行」をしているのかについて、このネットユーザーは「ミルクティーを飲むための理由が欲しかったから。私はミルクティーが大好きだけど、ミルクティーが体にあまり良くないことも知っている。そんな葛藤から、仕事のためにミルクティーを飲むなら、あれこれ考えなくて済むと思った」と説明してくれた。

全ての「味見代行者」が趣味でしているわけではない。中国の東北地域に住む別の味見代行者に連絡を取ってみると、「ネット上で味見代行をしている人がいるのを知って、自分も始めた。それを新しい職業と見ている。意味不明な職業だと思われるかもしれないが、実際には客からのさまざまな要求を満たすことは自分にとっても一種の挑戦であり、社会体験の一つ」との見方を示した。

ある四川に住む味見代行者は取材に対して、「味見代行の利用者は、自分では食べられないからではなく、別の人がおいしそうに食べている様子を見るのがうれしいから利用する場合もある。もちろん、その画像や動画を微信(WeChat)のモーメンツに投稿したり、チャットをするためという利用者もいる。私は10人以上にサービスを提供してきたが、商品がどんな味かを知りたくて味見代行を利用する人はめったにいない」と説明した。

同代行者は、「ほとんどの利用者が、それをどのように食べるか、どの程度食べるか、どのように動画を取るかなどを相談するのを楽しむために利用している。楽しんでいるのは、相談の過程と動画、画像で、食品や飲料品ではない」と感じているという。

取材では、「味見代行者」はいずれも在学中の学生であることも分かった。

「ソーシャル消費」、「体験代行」は一発屋のトレンド!?

「味見代行」だけでなく、ネット上では、「ゲーム代行」、「ネコなで代行」などの書き込みもある。

マーケティング関係者は、「『体験代行』サービスは意味不明と感じる人もいるかもしれないが、ネット上のライブ配信で、誰かが食事をしているのを見たり、耳かきをしたりしているのを見るのと同じ。日常生活の娯楽化サービスで、人々の精神的需要を満たしている」と分析する。

そのようなソーシャル面での需要は、ネット上で表現したり、発散したり、満たしたりすることができ、インターネットがソーシャル消費を促進し、市場はその需要に応えている。

サービスに金を支払うことで、利用者は精神的な満足感を得ることができるだけでなく、「体験代行」サービスを利用することは、一種の「体験報告」を購入するようなものだと言える。

「味見代行者」の登場という現象の背後には、突飛で新鮮なものを好む90後(1990年代生まれ)や00後(2000年代生まれ)などの若者のほか、ニューメディアやニュープラットホームなどを通してマーケティングやPRをしようとする業者もいる。

「ソーシャル消費」は、新鮮で、ユニークで、インタラクティブ性が強いものの、どの話題も熱しやすくて冷めやすく、リピーターを期待することはできない。それらは、ゲームや流行、話題作りなどの産物で、安定して持続的な消費スタイルにはなりにくい。そのため、新興のサービスや消費というよりは、「市場のインスピレーション」に過ぎない。 (編集KN)

noteに華流エンタメ情報を配信中!詳しくはこちら


   

we`re

RecordChina

お問い合わせ

Record China・記事へのご意見・お問い合わせはこちら

お問い合わせ

業務提携

Record Chinaへの業務提携に関するお問い合わせはこちら

業務提携