ファーウェイは世界一なるか、価格差縮みアップルを猛追―中国メディア

人民網日本語版    2019年3月30日(土) 5時50分

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華為(ファーウェイ)は現地時間の26日、フランスの首都パリで新製品発表会を行い、スマートフォンの主力製品の「P30」と「P30 Pro」を発表した。

華為(ファーウェイ)は現地時間の26日、フランスの首都パリで新製品発表会を行い、スマートフォンの主力製品の「P30」と「P30 Pro」を発表した。価格は過去最高を更新した。アップルの最近の値下げ戦略を踏まえると、ファーウェイ製品とiPhone(アイフォーン)との価格差は徐々に縮小している。とはいえ利益という点では、ファーウェイを含む中国国産スマホはなお後塵を拝している。北京商報が伝えた。

■最高値のPシリーズ

P30とP30 ProはファーウェイPシリーズの最高価格の製品で、P30は799ユーロ、P30 Proは最高値モデルが999ユーロだ。3月27日から中国国内で予約受付を開始する。

ここ数年、ファーウェイのスマホ価格は上昇を続け、特に高級機としてのPシリーズとMateシリーズの価格が上昇した。昨年発売された「P20」の4+128GBモデルは649ユーロ、「P20 Pro」の6+128GBモデルは899ユーロだ。P30はP20より約1000元(約1万6000円)高く、Proシリーズは約500元高い。

P30は引き続きカメラ機能を中心とし、多くの業界関係者から写真を撮るには「最高」のスマホと評価され、スペックも非常に豪華だ。P30 Proには背面にクアッドレンズカメラが搭載され、メインのカラーセンサーは4000万画素で絞り値はf/1.6、広角レンズは2000万画素で絞り値f/2.2、ズームレンズは800万画素、絞り値f/3.4で光学10倍ハイブリッドズームと50倍デジタルズームに対応する。メインのセンサーとズームレンズには光学式手ぶれ補正(OIS)の機能もある。4つ目のレンズはタイム・オブ・フライト(ToF)方式の3Dカメラだ。

値上げは今や主要携帯メーカーがとる営業販売戦略だ。小米の雷軍会長は今年の「小米9」の発表会で、「これは小米の主力製品で3000元を下回る最後の製品になるかもしれない」と述べた。OPPOvivoも価格は上昇を続けている。

産業経済ウォッチャーでもあるネットワークプラットフォーム・釘科技の丁少将編集長は、「過去数年間、1000元端末を代表とするミドルエンド・ローエンド市場は競争が激しくなりすぎ、販売量を引き上げる効果はあったが、企業の利益水準とブランドイメージは向上しなかった。ハイエンド市場に近づくことが、ブランド力と利益水準の向上には必要だ」と指摘した。

実際、アップル主力製品は毎年少しずつ価格を引き上げ、昨年はiPhone(アイフォーン)がついに1万元の大台を突破した。ただ中国市場での販売量は大幅に減少しており、アップルは値下げで対応せざるを得ないといえる。ティム・クック最高経営責任者(CEO)は2019年第1四半期業績予想を発表した際、「販売価格が高すぎてユーザーがiPhoneから遠ざかり、特に中華圏市場のユーザーが遠ざかった。為替レートにより一部の市場で価格の開きが拡大したこともある」と述べた。

ファーウェイは値上げし、アップルは値下げした。こうして両者の価格差はますます小さくなっている。

■利益では後塵を拝する

出荷量という点で、ファーウェイとサムスン、アップルとの差は徐々に縮まっている。産業ウォッチャーの洪仕斌さんは、「ファーウェイの成長ペースから考えて、サムスンとアップルを追い抜くのにそれほど長い時間はかからない」と指摘した。

市場調査会社IDCが発表した18年の世界携帯電話出荷量の報告書によると、同年のサムスンのスマホ出荷量は2億9千万台で、市場シェアは前年の21.7%から20.8%に低下したが、世界1位はキープした。2位のアップルは2億800万台、シェアは14.9%で前年度とほぼ変わらなかった。3位はファーウェイで2億600万台、シェアは前年の10.5%から14.7%に増えた。

ファーウェイの消費者向け端末事業部門の余承東CEOは今月行われたファーウェイHiLink生態大会2019年の中で、「2019年にファーウェイのスマホ出荷量は2億5000万~2億6000万台に達して、市場シェア世界一を狙っていく」と述べた。サムスンとアップルを打ち負かす目標は明らかだ。

だが注意しなければならないのは、利益に関してファーウェイは引き続き後塵を拝していることだ。市場調査会社カウンターポイントが発表した18年第2四半期の世界スマホブランド利益分布状況によると、アップルが引き続きスマホ市場の利益の大半を手中に収め、利益の62%を獲得した。サムスンは17%、ファーウェイは8%、OPPOは5%、vivoは4%、小米は3%となっている。

業界関係者は、「これまで中国の携帯メーカーは特許訴訟、部品の値上がり、供給チェーンの品不足といった問題にたびたび巻き込まれ、一部のメーカーは値上げや発売の延期を余儀なくされた。目下、状況は好転しているが、中国メーカーはなお薄利多売の苦境に立たされている。原因を考えると、主に国産メーカーが独自のコア競争力をもたないことにある。長らく携帯のチップもオペレーションシステムも、国際的な大企業に過度に依存する状態が続いている」と分析した。

IDCが発表した18年中国携帯電話市場追跡報告のデータでは、アップル製品の平均単価は870ドル、サムスンは613ドルだが、ファーウェイは373ドルにとどまる。ここ数年、ファーウェイはミドルエンド・ハイエンド市場に進出してそれなりの成功は収めたが、アップル、サムスンと比べればまだ大きな開きがある。平均価格はアップルの42.87%、サムスンの60.85%でしかない。

平均単価が低く、利益が薄いだけでなく、ファーウェイはサービス事業の収入でもアップルに及ばない。アップルのサービス事業収入は年々増加し、19年度第1四半期の決算では、アップストア、アップルペイ、iTunes、アップルミュージックを含むサービス事業の営業収入が108億7500万ドルに達し、前年同期比19%増加した。

洪さんは、「アップルにはアップストアやアップルペイからマップやナビゲーションなどに至る整ったシステムが備わり、ユーザー体験で言うと、生態システムが整えば整うほど消費者の体験は深みを増し、また利益向上にもプラスになる。ファーウェイがアップルを追い抜きたいなら、出荷量を増やすだけでなく、販売量と利益を同時に引き上げなければ、本当に追い抜くことはできない。今の状況を考えると、それにはもう少し時間がかかる」との見方を示した。(提供/人民網日本語版・編集/KS)

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