中国人は濃い味が好き、健康リスク高まる―中国メディア

Record China    2013年2月25日(月) 17時28分

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22日、中国で行われた調査によると、食事に関して「味を重視する」と回答した人が最も多く36.2%だった。中国人が最も好む味は「辛い」だ。写真は四川料理。

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2013年2月22日、中国では旧正月連休に親戚や友人と再会し、共にごちそうをたらふく食べたという人も多いことだろう。ただ、暴飲暴食は健康にさまざまな害を及ぼす。ある報道によると、春節期間中、消化器系の疾病や心臓疾患など、いわゆる「春節病」の患者でいっぱいになったという病院も多かった。その原因の多くが「食べ過ぎ」という。中国青年報が伝えた。

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中国誌「小康」は2012年11月末から12月の初め、清華大学(北京)の媒介調査実験室と共同で、中国全土で飲食に関する調査を実施。食事に関して、「味を重視する」と回答した人が最も多く36.2%だった。中国人が最も好む味は「辛い」だ。

同誌が10年、12年、13年に発表した中国人が最も好きな味ランキングでも、「辛い」がいずれもトップ。その後に「甘い」「塩辛い」「酸っぱい」と続く。一方、ワースト1位は「苦い」だ。

調査ではさらに、肉の串焼きなどの食品は一般的に「ジャンクフード」と見られているにもかかわらず、43%が「街頭で売っている食品のうち、最も好きで、頻繁に食べる食品」と答え、トップの割合だった。また、3位以下も「揚げパン」「塩・醤油漬け食品」「マーラータン(串に刺した練り物や野菜などを激辛スープで煮込んだ屋台料理で、日本のおでんのようなもの)」「ポテト」と、油っこいものや塩辛いもの、辛いものが並び、中国人は濃い味が好きであることが示されている。

濃い味が好きということは、実際にはあるものを過度に摂取することによって、強い刺激を求めているということだ。現在、人々の生活のペースはますます速くなっており、食べ物に刺激を求めるのも、生活上のストレスを発散させる方法の1つになっている。北京安定病院臨床心理科の西英俊(シー・インジュン)医師は、「厳密に言うと、『辛い』は味ではなく、熱傷による刺激。この種の刺激がもたらす痛みは、脳内で機能する神経伝達物質・エンドルフィンの分泌を促し、人に快感を与える。現在、多くの人が食事や娯楽を通してストレスを発散することや夢中になることを求めている。これは自虐的な快楽追求。人々は普通の食事では満足できなくなり、ぜいたくなものや珍しいものを求めるようになっている。娯楽の面でも、本やテレビだけでは満足できず、音楽ではヘビーメタル、映画でも刺激ある大作を求めている」と指摘する。

「濃い味好き」の背後には、さまざまな病気・疾患が忍び寄っている。北京協和病院臨床栄養科の于康(ユー・カン)副主任は、「地域や季節にかかわりなく、辛いものを過度に摂取すると、食欲を過度に刺激してしまい、食べ過ぎ飲み過ぎ、ひいては暴飲暴食につながる。そして、肥満や高血圧、高血糖症、高脂血症などになる」と警笛を鳴らす。

「小康」の調査では、1980年代生まれの若者が患っている病気のうち、最も多かったのが精神疾患。次に婦人科系疾患、高脂血症と続いた。一方、1970年代生まれで最も多かったのは肥満。以下、高脂血症、精神疾患と続いた。1960年代生まれで最も多かったのは高脂血症。以下、心血管疾患、高血圧と続いた。1950年代生まれで最も多かったのは高血圧。以下、心血管疾患、心血管病と続いた。以上の病名からも分かるように、現在はストレスに満ちた社会になっている。

中国では古くから、脂っこい食品や味の濃い食品を食べ過ぎると健康を害するとされてきた。明(1368−1644年)の時代の保健専門書「修齢要旨」には、「味の濃い食品は体に悪く、甘いものや味の薄い食品で満足できるのが良い。今日から摂生の努力を始め、味の薄いもので満足することで自信を身につけることができる」と書かれている。飲食の手引きをしているだけでなく、摂生することと人格を結びつけ、欲望を抑えるようにと説いている。さっぱりした味ほど食材の味を楽しむことができ、平穏な気持ちを抱いていて初めて生活の細かなところまで気を配ることができる。そのようにして、良い心を培い、外界での刺激をもって心を養うことができるのだ。

濃い味の食品を食べることでストレスを発散している人は、病気を患う可能性を増加させているだけでなく、実際にはストレスを解消するどころか、逆に自身の感覚を鈍らせてしまい、さらに刺激の強いものを求めるようになってしまうなど、悪循環に陥ってしまう。北京師範大学の王芳(ワン・ファン)準教授(心理学)は、「ストレスを正しく発散させるためには、まずストレスの原因をはっきりさせなければならない。そして、効果的な方法を選択し、不健全な生活習慣を改善しなければならない。盲目的に自分の精神的エネルギーを消費してしまってはならない」と警笛を鳴らしている。(提供/人民網日本語版・翻訳/KN・編集/TF)

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