尖閣「現状維持」を日米首脳会談で確認=「公務員常駐」公約見合わせへ―米、日中修復促す

Record China    2013年2月25日(月) 7時22分

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2月22日の安倍晋三首相とオバマ米大統領との日米首脳会談で、日中間で緊迫化している沖縄県・尖閣諸島問題について、ひとまず「現状を維持する」ことが確認された。安倍首相は「日本は常に冷静に対処する考えで、自制している」と明言した。資料写真。

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2013年2月24日、外交筋が明らかにしたところによると、2月22日(現地時間)の安倍晋三首相とオバマ米大統領との日米首脳会談で、日中間で緊迫化している沖縄県・尖閣諸島問題について、ひとまず「現状を維持する」ことが確認された。

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日中対立の深刻化を望まない米国の意向を受けたもので、安倍首相は「日本は常に冷静に対処する考えで、自制している」と明言。日中首脳会談への意欲も示し、中国との関係修復を探る構えをみせた。

これにより、中国を刺激しないために「現状維持」すなわち、1972年の日中国交正常化交渉時に田中首相と周恩来首相が了解し合い、1978年の日中平和友好条約締結時に園田外相とトウ小平副首相が合意した「尖閣棚上げ」を今後も継続することで沈静化することになったという。この結果、昨年12月の総選挙での自民党の公約である「尖閣諸島への公務員常駐」などの実行は見合わせざるを得ない、と同筋は見ている。

安倍首相はオバマ大統領との今回日米首脳会談で、「日中関係は最も重要な2国間関係の一つ。沖縄県・尖閣諸島を含めたアジア太平洋地域について、中国側と政治レベルを含めて対話を継続したい」と言明した。オバマ首相はこの考えを支持したという。

さらに、安倍首相は会談終了後の記者会見で「日中関係は我が国にとって最も大切な2国間関係の一つだ。戦略的互恵関係の原則に中国は立ち戻ってもらいたい。対話のドアは常に開かれている。我々はこの問題をエスカレートさせるつもりもない。習近平総書記はだいたい私と同世代の指導者。様々なことを話す機会があればいいと思う」と強調、日中首脳会談に前向きな発言をした。

米国は主権問題についての明確な立場を取らないでいるが、日中両国に複数回高官を派遣。この日中間紛争が軍事衝突に拡大することは米国の経済利益への脅威と見ている旨を両国に明確に伝え、自制を強く求めた経緯がある。

米国にとっては、尖閣諸島問題で日中が軍事衝突に陥らないようにすることが至上命題。日中両国に自制し、話し合いのテーブルに着くことを求めている。先に、米国の音頭で日米中3カ国次官級幹部が集まり、尖閣諸島問題を巡る日中紛争を回避するための非公式協議を行った。

2期目のオバマ政権は世界戦略の観点から、中東地域における軍事プレゼンスを後退させることは考えていない。ケリー国務長官が2月24日からの初外遊でヨーロッパ、中東の9か国を訪問、イタリアでシリア反体制派と会談するのもこの方針が背景となっている。

なお、2012年12月の総選挙を前に11月30日に日本記者クラブで開催された11政党の党首討論会で、尖閣諸島国有化のきっかけをつくった石原慎太郎・日本維新の会代表は「尖閣諸島問題での自らの行動について、日中関係悪化への責任を感じるか」との質問に、「責任は自民党にある。尖閣諸島の領有権問題で自民党と外務省が当時中国と棚上げで合意したのが間違いだった」と明言、「尖閣問題棚上げ」の事実を認めている。(取材・編集/SK)

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