書道と養生

人民網日本語版    2019年3月22日(金) 16時0分

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「書道」と聞くと学校での授業を思い出す人もいれば、カルチャースクールなどで学ぶ趣味として思い浮かべる人もいるかもしれない。

「書道」と聞くと学校での授業を思い出す人もいれば、カルチャースクールなどで学ぶ趣味として思い浮かべる人もいるかもしれない。しかし、書道を一種の健康法としてみた時、これまでとは全く違った書道を楽しむことができるかもしれない。今回は、中国書法家協会の劉金凱副会長が「書道と養生」について紹介する。

はじめに

現代の人々にとって、テンポの速い生活や夜を徹しての仕事、長時間座り続けたり、運動不足、そしてストレスなどが健康に悪い影響を与える主な原因となっている。そのため、栄養バランスの取れた食事と穏やかな心理状態を保つことが健康を保つことにつながると言える。

書道は中国の伝統芸術であるばかりか、心を穏やかに、ゆったりさせ、ストレスを緩和し、心身の調和を図り、エネルギーを蓄えることもできるため、人々の健康に大いに役立つ。

1.書道の練習と養生

体と脳を鍛える書道

書道は動と静が結合した有酸素運動と言える。練習前に机を拭き、墨をすり、紙や筆を準備しながらだんだんと心を静めていく。そしていざ書き始めれば腕の筋肉と神経を集中させるだけでなく、指、腕、肩、背中、腰、足も動かすことになり、課業を終えるとやや汗ばむほどで、身体の各器官が鍛えられ、体全体が伸び伸びとして心地よくなる。

また書道の手本は常に中国の典籍や詩歌で、初心者は繰り返し臨書する必要がある。そのためこうした手本を繰り返し鑑賞し、臨書していくうちに脳も鍛えられていく。

精神集中と気の練習となる書道

書道を練習することは脳と体を一体化させて、気を練習することになる。字を書く前には精神を集中させ、気を丹田にためて、雑念を払う。力と気を上手に使って初めて勢いと品のある作品を生み出すことができる。

精気を養い、心を穏やかにする書道

書道は精気や集中力を養い、気を整えるため、古来から書道家は長寿を保つ人が多い。また書道は書く人の精神や心の状態を整えるのに非常に役立つ。唐代の書家・柳公権が「心正しければ、筆正し」としているように書道を練習する過程は人間の人格を育て、心を鍛える過程だと言える。

2.書道の鑑賞と養生

経典の美を鑑賞し、知恵の門を開く

「心経」は歴代の書家たちも必ずと言っていいほど手本として書いてきた。そこには仏教の境地が込められているため、それらを鑑賞することで、知恵の門を開くことができる。

優秀な作品を鑑賞し、心で悟る

優秀な書道作品は流れる音楽のようで、力もあり、様も美しい。書家は墨の技法と筆の運びで立体的な空間を生み出し、調和を描き出す。こうした優秀な作品を鑑賞することで、脳が刺激を受け、リラックスすることができる。

自身の作品を鑑賞し、吟味する

自身の作品を繰り返し観察し、枠組みから筆や墨の使い方、字の構成などを吟味していく。こうして精神を集中させ、深く反省することで雑念を排除していく。

3.書道の教学と養生

自ら書道を極めるだけでなく、書道を教え、伝えていくことも重要だ。孔子の「教えありて類なし」という言葉にもあるように、小中学生から大学生、農民など様々な人々を相手に指導している。こうした人々を熱心に指導することで、社会的な利益が得られるだけでなく、自身の生命の質の向上にもつながる。

最後に

中国の伝統的な養生の知恵に「未病先防」という言葉がある。これは体に起きた不調や悩みが病気に確定してしまわないよう未然に防ぐことを重視するという意味だ。

養生のコツとして以下の3点が挙げられると思う。一つは「放っておく」こと。欲望を気にせず、執着にとらわれなければ、病気になることは無い。二つ目は「自己治癒力を信じる」こと。そして三つ目は「自分に合った養生の仕方を見つける」こと。本稿では書道と養生について述べたが、これをきっかけに人々が自身の健康と養生を重視するようになってほしい。

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