中国の睡眠障害は3億人以上で成人の約4割が不眠症

人民網日本語版    2019年3月21日(木) 20時0分

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3月21日は世界睡眠デー。統計データによると、睡眠障害を抱える中国人は3億人を上回り、成人の38.2%が不眠症を抱えている。

3月21日は世界睡眠デー。統計データによると、睡眠障害を抱える中国人は3億人を上回り、成人の38.2%が不眠症を抱えている。また、「90後(1990年代生まれ)」の6割以上が「睡眠不足」と感じており、青少年・児童の6割以上が「睡眠時間は8時間未満」という状態となっている。これらのデータの背後にある中国人の睡眠の実態とは一体どうなっているのだろうか?中国新聞網が伝えた。

〇38.2%が「不眠症」の成人

WHO(世界保健機関)の統計データによると、世界全体で不眠症を抱えている人の割合は27%。中国睡眠研究会が2016年に発表した睡眠関連調査の結果では、中国の成人で不眠症に悩む人の割合は38.2%に上り、3億人を超える中国人が睡眠障害を抱えていた。また、この数値は現在も年々上昇傾向にある。

〇6割以上が「睡眠不足」と感じている「90後」

中国医師協会睡眠医学専門委員会が2018年に発表した関連データによると、「90後」の平均睡眠時間は7.5時間で、健康的な睡眠時間を下回り、彼らの6割以上が自分の睡眠時間は不足していると感じていた。

このうち31.1%は、「遅寝遅起き」の生活習慣が身についており、30.9%は「遅寝早起き」で、「早寝早起き」の習慣を続けている人は17.5%にとどまった。

〇睡眠時間が最も短いのは北京の若者、睡眠の質の悪さは金融業界がトップ

「2018年中国インターネット利用者睡眠白書」によると、北京、上海広州深センなど一線都市ではストレスが大きく、北京の若者の睡眠時間が最も短く、平均7時間未満だった。

また睡眠の質が最も悪かったのは、金融業、サービス業、政府関連機関で働く人だった。特に、金融関係者の睡眠の質は、平均より67%も低かった。

睡眠の質を落とす「元凶」となる要因として回答が多かったのは、「仕事上のストレス」で、ネットユーザーの7割がその影響を受けていた。そして「生活上のストレス」、「環境」、「個人の習慣」がその後に続いた。また、ネットユーザーの58%が、「重要な仕事を仕上げるために睡眠時間を犠牲にすることもある」と答えた。

〇青少年・児童の6割以上が「睡眠時間は8時間未満」、内モンゴルの子供が最も夜更し

中国睡眠研究会がこのほど発表した「2019年中国青少年・児童睡眠指数白書」によると、国内の6歳から17歳までの青少年・児童のうち、「睡眠時間は8時間未満」が62.9%を占めた。

13歳から17歳までの青少年のうち、「睡眠時間が8時間未満」は81.2%に達し、6歳から12歳までの児童については、この割合は32.2%にとどまった。

地域別にみると、内蒙古(モンゴル)自治区の青少年・児童が、最も「夜更し」な子供で、午前0時以降に寝る子供の割合は16.2%に達した。「最も早起き」の子供が多いのは江蘇省で、起床時間が午前5時以前の子供が3.7%だった。

このほか、研究チームは、「睡眠時間」、「睡眠障害」、「目覚めた時の状態」という3つの角度から国内青少年・児童の睡眠状況を評価したところ、平均点は67.14点という結果だった。

地域別トップ3は、順に、北京(72.94点)、浙江省(70点)、広西チワン族自治区(69.41点)で、最低だった地方は、甘粛省、寧夏回族自治区、内モンゴル自治区だった。

〇子供の睡眠に最も悪影響を及ぼす要因は「勉強のストレス」

電子ゲームで遊ぶ時間が最も長いのは広西の子供

「子供の睡眠に影響を及ぼす要因」については、最も多かったのは「勉強のストレス(67.3%))で、「3C (コンピュータ・通信・コンシューマーエレクトロニクス)製品(27.1%)」、「騒音・音声・光などの睡眠環境(24.8%)」、「保護者の睡眠習慣(19%)」がこれに続いた。

睡眠状況が劣悪な青少年・児童のうち41.9%は、寝る前に3C製品を使用していた。睡眠状況が優良な子供は、この割合はわずか7.4%で、「読書・学習」が34.2%を占めた。

電子ゲームをする時間が最も長かったのは、広西チワン族自治区の青少年・子供で、「毎日2時間以上ゲームをして遊ぶ」子供は31.3%、「毎日4時間以上」は12.3%だった。

〇「不眠」であるか否かの判断基準は?

中華医学会神経炎病学分科会睡眠障害学チームが取りまとめた「中国成人不眠症診断・治療ガイドブック」では、「不眠症」は、「患者が睡眠時間および睡眠の質に対して満足しておらず、昼間の社会的機能に影響が及ぶと感じている、一種の主観的体験」と定義されている。

専門医は、理想的な睡眠か否かの判断基準として、以下3項目を挙げている。

1.睡眠のタイミング

いつ眠るかが重要な鍵となる。科学的見地から言えば、夜10時に寝るのが最も理想的で、それより早くても遅くても、科学的にベストとは言えない。だが、現代人の仕事や生活のリズムが大きく変わり、一般的に寝る時間が遅くなったことを踏まえても、遅くとも午前0時までには眠りにつくべきだ。

2.睡眠時間

一般的に、成人の場合、毎晩7時間から8時間寝ると、生理的な睡眠需要を満たすことができる。毎晩3、4時間しか寝ない、あるいは10時間以上寝るのは、いずれも問題がある。また、睡眠時間は連続して確保する必要があり、1日24時間の間に寝起きを繰り返してトータル7、8時間にしても意味がない。

3.目覚めた時の感じ

目覚めた時に、爽快な気分を感じられたら、それは良い睡眠がとれた証だ。一方、目覚めた後、疲れが残っている、力が湧いてこない、イライラする、集中力がない、業務能力が低下するといった現象が見られたら、良い睡眠ではなかったということになる。これらの問題が生じ、しかもその症状が緩和・改善されない場合は、病院に行って詳しい検査をしてもらい、必要な措置を講じる必要がある。

2017年3月21日、世界睡眠デーに当たるこの日、湖南省平江石牛寨の断崖にあるガラス桟道にアニメのキャラクター・パジャマを着て横たわる観光客。様々な姿で眠るという睡眠パフォーマンスを通じて、健康な睡眠を呼びかけた。(撮影:楊華峰)

〇「睡眠の質」をいかに確保するか?

1日の睡眠時間は、どのくらいとるべきか?睡眠の質を引き上げるための方法は?

全米睡眠財団(National Sleep Foundation)は2015年、各年齢層別の1日あたり睡眠時間を以下の通り発表した。

新生児=14~17時間

3~5歳の幼児=10~13時間

6~13歳の学齢児童=9~11時間

14~17歳の青少年=8~10時間

成人=7~9時間

65歳以上の高齢者:7~8時間

また医者は、次のような方法によって、睡眠の質を高めるアドバイスをしている。

1.睡眠環境の改善に努め、睡眠環境をより快適で静かで暗くする。

2.睡眠障害に悩む人は、茶やコーヒーの摂取を控え、夕食に脂っこいものを控え、食べ過ぎないように注意する。また、炭水化物を適度に摂取すると、より良い睡眠がもたらされる。

3.日中に適度な運動を行う。太陽の光に当たることは、夜の睡眠に有効的。

4.就寝前の1時間は、電子製品に触れないこと。スマホをいじる代わりに、音楽鑑賞や読書をすると良い。(編集KM)

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