中国の新職業15種類が発表予定 どんなチャンスとチャレンジがあるか

人民網日本語版    2019年3月14日(木) 15時30分

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中国人的資源・社会保障部(省)はこのほど、人工知能(AI)エンジニアなど15種類の新職業を発表予定であることを明らかにし、全国両会(全国人民代表大会・全国人民政治協商会議)に参加した代表や委員たちの間で議論を呼んだ。

中国人的資源・社会保障部(省)はこのほど、人工知能(AI)エンジニアなど15種類の新職業を発表予定であることを明らかにし、全国両会(全国人民代表大会・全国人民政治協商会議)に参加した代表や委員たちの間で議論を呼んだ。職業の変遷には経済発展や職業観の移り変わりが反映されている。「工人日報」が伝えた。

▽新職業は経済社会発展の必然的産物

このたび明らかになった15の新職業から新技術や新経済のラベルがありありと読み取れる。AIエンジニア、モノのインターネット(IoT)エンジニア、ビッグデータエンジニア、クラウドコンピューティングエンジニアなどの新職業はいずれも技術に関わるもので、中国語の名称には技術の文字が含まれる。また新職業で経済の新たな台風の目・AIに関わるものは6つある。

中国労働学会の蘇海南副会長はこれについて、「中国は今、経済発展モデルの転換と経済構造の調整を加速させるプロセスの中にあり、職業構造全体にも大きな変化が生じることになる。これまではロークラスとされる職業が多数を占めていたのが、ミドル・ハイクラスとされる職業が多数を占めるようになってきている」と述べた。

中国民主建国会浙江省委員会の張明華副主任委員(政協委員)は、「経済の発展と成長が、職業の増加という事態をもたらしたことは明らかだ。みてみると、経済モデルや技術分野ごとに、それぞれの人材ニーズがある。一部の新職業は経済社会発展の必然的な産物だ」と指摘した。

一連の新職業が誕生すると、経済発展トレンドに適応できない別の一連の職業が歴史の舞台から姿を消すことになる。鉄道転轍手、綿打ち技術者、電話オペレーターなどのかつてよく耳にし、よく知っていた205種類の職業が、2015年に改訂発表された「中華人民共和国職業分類大典」には収録されていない。

▽新職業と新ビジネスモデルが相互連動

一部の新職業は経済発展に応じて生まれたものであり、また別の一部の新職業は先見性のある企業家や資本パワーが主体的に作り出し市場を獲得したもの、これによって先手を打とうとしたものだ。

「シェアリング看護師」は同部が発表予定の15の新職業には入っていないが、最近は非常に人気がある。

北京同仁病院眼科センターの王寧利センター長(政協委員)は、「『シェアリング看護師』はよいアイデアだが、医療分野におけるいかなるイノベーションは何であれ安全第一でなければならない。そして国の関連政策に合致していなければならない。現在のインターネット医療には一部の非常に素晴らしいモデルがあり、医療資源を統合し、ビジネスのイノベーションを行うことができ、市場の発展にとって大きなメリットがある」と指摘した。

注目されるのは、新しいビジネスモデルが新職業の誕生を促すと同時に、新しいタイプの人々が登場し、新しい消費習慣をもたらし、これまでにないビジネスモデルや新しい雇用モデルを生み出したことだ。

昨年発表された全国の主な一線都市、二線都市、三線都市の800種類あまりの新職業を網羅した「2018年新職業層労働・生活の現状の調査研究報告」によると、消費高度化を背景として、新職業層の収入も上昇し、消費構造にも変化が生じた。たとえばますます多くの人がスポーツジムに行って身体を鍛えるようになって、シェアリングスポーツジム、ミクロ型スポーツキャビン、流動型スポーツジムコーチなどが誕生したという。

▽新職業が教育や法律などの関連分野の連携を呼び込む

四川応用技術職業学院の蘇華会長(政協委員)は、「新職業が出現したことで、教育、法律、研修などの人材育成システムが改善を続ける必要が出てきた。たとえば学生に対して時代の発展に対応した教育を行い、学生が新しい知識、新しい技術、新しい学科にいち早く適応し、それを身につけるように支援し、イノベーション型、複合型の人材になるように手助けをする必要がある」と指摘した。

教育分野では、多くの大学が次々と新職業に取り組むようになり、新しい経済の業態に適応した新しい専攻を設置してきた。データ科学とビッグデータ技術の専攻の場合、2016年には北京大学、中南大学、対外経済貿易大学が他大学に先駆けて4年生大学にビッグデータ専攻を設置した。17年は中国人民大学、復旦大学など32校が第2弾として同専攻の設置を申請し認可された。18年になると、同専攻を設置した大学は200校を超えていた。

一部の全人代代表・政協委員によると、「新職業の登場により、関連する職業技能や関連産業・企業の評価も絶えず規範化する必要が生じた」という。

今年1月初め、同部は26項目の新しい国の職業技能標準を発表し、対象の職業には中国式調理師、スマートビル管理人、自動車組立調整師などが含まれた。また同部は産業・企業の評価の規範を次々に打ち出す方針だ。

東華理工大学の劉光萍教授(全人代代表)は、「新経済、新常態は求職者の観念、心構え、知識、能力など職業に関わる要素により高い要求をつきつけるようになった。新職業の中には雇用スタイルが柔軟なものが少なくない。デリバリーの配達員、オンライン配車の運転手などで、こうした職業は伝統的な職業観にとって一種の新しいチャレンジだといえる」と述べた。(編集KS)

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