わずか5カ月で2度の墜落事故、ボーイング737 Max 8機が抱える問題とは?

人民網日本語版    2019年3月13日(水) 5時30分

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わずか5カ月の間に、2回も墜落事故が起きた米ボーイング737 Max 8機の安全性への懸念が広がっている。

エチオピアで今月10日、乗客乗員157人を乗せたエチオピア航空302便(B737MAX 8)の旅客機が離陸直後に墜落し、全員が死亡した。昨年10月29日にも、インドネシアのジャカルタアジアを拠点とするライオン航空610便(B737MAX 8)が墜落し、乗客乗員189人全員が死亡したばかりだった。わずか5カ月の間に、2回も墜落事故が起きた米ボーイング737 Max 8機の安全性への懸念が広がっている。

エチオピア航空302便は10日午前、エチオピアのボレ国際空港からケニアのジョモ・ケニヤッタ国際空港に向かっていたものの、離陸して6分後にレーダーから消えた。エチオピア航空は、搭乗していた乗客149人と乗員8人全員が死亡したと発表した。乗客には中国籍の乗客8人も含まれていた。

737 Max 8機は5カ月の間に2度も墜落事故を起こしている。昨年10月29日午前、インドネシア・ジャカルタのスカルノ・ハッタ国際空港からデパティ・アミール空港に向かっていたライオン・エア610便が離陸して12分後に沖合に墜落。乗っていた乗客・乗員合わせて189人全員が死亡した。エチオピア航空は、「事故原因は今のところ不明」としているものの、わずか5カ月の間に2度も墜落事故を起こしている737 Max 8機の安全性に対する懸念が広がっている。

737 Maxシリーズはボーイング社が製造するボーイング737の第4世代小型旅客機で、737 Max 7、737 Max 8、737 Max 9、737 Max 10がある。うち、737 Max 8は2016年に初飛行し、17年5月にマレーシアのマリンド・エアに初号機が納入され、商業運航が始まった。公開されている統計によると、737 Max はボーイング製の旅客機の中で最も人気の機種の一つで、世界中の航空会社に200機以上が既に納入されている。中国国際航空中国東方航空などの中国の主な航空会社でも運航している。エチオピア航空が公開している情報によると、墜落した737 Max 8機は昨年11月15日に納入され、飛行時間はおよそ1000時間だった。

ライオン航空610便が墜落して以降、事故調査は、737 Max自体に焦点が当てられ、空中姿勢の制御に必要な「AOAセンサー」が誤った情報をフィードバックする可能性があると指摘されていた。ブルームバーグ社の当時の報道によると、パイロットが手動操縦中に、その問題が起きると、AOAセンサーから失速しそうになるという誤ったデータが送られ、737 Maxは自動的に機首を下げるのだという。

その後、ボーイング社は737 Maxシリーズの飛行機を運航している全ての航空会社に対し同機の運航マニュアルについての通知を送付し、センサーからの誤った情報に乗務員が対処する手順を伝えた。飛行中の飛行機にとって重要な指標である迎角が大きすぎると失速し、主翼は上昇する力を失ってしまう。

米国連邦航空局(FAA)も昨年11月7日に、「737 Max」を運航する全ての航空会社と所有者に、同機を対象に緊急改善通報を出し、AOAセンサーからの情報に誤りがあった場合、飛行システムから機首を下げるようにとの指令が何度も送られ、その状況を解決できなければ、パイロットは操縦不能になり、過度に機首が下がり、深刻な場合には急降下して地面に接触する可能性もあると指摘した。 FAAは、AFM(エアプレーン・フライトマニュアル)と操作手順を、3日以内に整備や改修を指示する「耐空性改善命令(AD)」に基づいて改訂するように要請した。

737 Max 8が2回目の墜落事故を起こす3日前にも、ライオン航空610便墜落事故の犠牲者遺族17人がボーイング社を相手に訴訟を起こし、事故は、737 Maxに搭載されている新型飛行コントロールシステムが制御不能になったことが原因と主張している。AOAセンサーが急激に失速していると判断した場合、システムはパイロットが操縦しなくても、自動で機首を下げる。遺族の代理弁護士は、「ボーイングが提供しているパイロットの飛行手順は新しいシステムに言及していない。また、システムが自動で起動しても、パイロットには知らされない」と指摘している。米紙「シアトル・タイムズ」は、このシステムの故障が、ライオン航空610便が12分間にわたり、機首下げを何度も繰り返した原因だ。誤ったデータを受けたシステムが、機首を何度も下げるように指令を出し、パイロットはそれに合わせて何度も機首を上げるよう試みたものの、最終的に制御不能となり墜落した」としている。

以前、ボーイングのデニス A. マレンバーグ最高経営責任者(CEO)は、「当社は依然として、737 Maxは安全な飛行機であると信じている」と強調していた。エチオピア航空302便の墜落事故発生後、ボーイングは、「事故の報告は既に受けており、関連の状況把握に努めている。エチオピア航空のチームに随時支援を提供し、米国家運輸安全委員会(NTSB)の要請があれば、指示に従って技術チームが技術的支援を提供する」との声明を出した。(編集KN)

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