変わりゆくお年玉文化、数十万円に達することも―中国

Record China    2013年2月14日(木) 22時25分

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13日、中国では、「圧歳銭」(お年玉)は、「歳」と「祟」(たたり)が同音(sui)であることから、魔除けの意味もある。また、お年玉をもらった子供が一年を平安に過ごせるようにとの願いが込められている。写真は中国のお年玉袋と人民元。

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2013年2月13日、中国・香港で生まれ育った23歳の陳皓峰(チェン・ハオフォン)さんは今年、北京市で春節(旧正月、今年は2月10日)を過ごし、「香港で春節に私と弟がもらっていたお年玉は10香港ドル(約120円)、20香港ドル(約240円)くらいでした」と、中国本土のお年玉の厚さに驚いたという。新華網が伝えた。

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中国では、「圧歳銭」(お年玉)は、「歳」と「祟」(たたり)が同音(sui)であることから、魔除けの意味もある。年長者は、若年者への思いやりと心遣いをこめてこれを渡し、若年者はこれを受け取って一年を平安に過ごすという願いが込められている。

お年玉を受け取った子どもにとっては、「お母さんが預かっておくね」というのは一番聞きたくない言葉だろう。だが80年代生まれの子どもたちが大人になった今、お年玉を両親が管理してくれていたことのありがたみに気づいたという声も聞かれる。遼寧省瀋陽市の27歳の李博(リー・ボー)さんは、7歳から両親に預け続けていたお年玉が、マイホーム購入の頭金になった。広東省の24歳の賈楽楽(ジア・ラーラー)さんは、4年間の大学の学費を貯めていたお年玉で払ったという。

子どもが受け取るお年玉の額は上がり続けている。少なくて数千元(数万円)、多くて数万元(数十万円)というケースもある。こうしたお金は、保護者が子ども用の口座を作って管理し、子どもは必要時に親に申請してこれを使うといった方式が取られることが多い。

最初は数十元(数百円)、数百元(数千円)にすぎなかったお年玉が、数千元にもふくらんだことは、人々の生活レベルの向上によるものではあるが、人間関係の距離をはかる基準にもなりつつある。「気のおけない親戚のはずなのに、気前よくお年玉をわたさなければ失礼に思われるんじゃないかと心配になってしまいます」。大家庭に育ったという劉洋(リウ・ヤン)さんは、春節のお年玉に対する“暗黙の了解”をこう説明する。

年末にもらうボーナスも、お年玉で大部分が消え、払うお年玉に間に合わなかったという人もいる。ネット上では、お年玉の厚みが増すことで、「“春節”が“春刧”(春の略奪、春節と同音)になってしまった」という冗談も飛び交っている。

お年玉の高額化は、昔から伝わってきたこの習慣に“よからぬ意味”がこめられることにもつながっている。ある地方幹部の家には毎年、さまざまな人々から数万元に達するお年玉が贈られ、一度に1万元(約15万円)が贈られることもあったという。だがこの幹部が定年になった途端、年始回りにやってくる人は親戚を除いてほとんどいなくなってしまった。

山東大学の王忠武(ワン・ジョンウー)教授はこれについて、祝福の意味をこめた礼のやり取りであり、親しみを表すものであったお年玉は、即物的で功利的な手段として使われることによって、親しみの情からかけ離れたものになりつつあると指摘する。王教授は、「赤い袋に入れてわたすお年玉は、家族や友人の間の暖かい感情を表すものだったはずです。企みのない祝福という本質に立ち返らなければ、そこにこめられた中国の暖かい情を取り戻すことはできません」と語っている。(提供/人民網日本語版・翻訳/MA・編集/内山

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