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遺伝性の病気で歩くことができない13歳の息子を背負い、今日も閻(イエン)さんは学校の階段を上る。福祉の手が届かない現実に頭を抱える毎日だ。
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2007年3月21日、河南省鄭州市の閻天才(イエン・ティエンツァイ)さんは、13歳の息子、超(チャオ)君の戸籍移動が認められ、ようやく身体障害者認定と国からの補助金を受けられるようになった。閻さんの戸籍が現住所とは別の区にあるため、申請から認定まで、気が遠くなるほど長い時間を待たなければならなかった。
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超君は4年前に遺伝性の病気を発症し、歩くことができなくなった。今は妻が出稼ぎで家計を支え、学校への送迎は閻さんの日課となっている。60kgもある息子を三輪自転車の荷台に乗せ、学校に着いたら次は背負って3階の教室まで階段を上がる。途中で休まなければとても上りきれない。昼休みは全員帰宅するため、時間に合わせて迎えに行き、また午後も教室まで連れて行く。一日2往復、今年58歳の閻さんはいよいよ体の限界が近づいているのを感じるという。
そんな父を超君は学業で励ます。治療に行くために学校を早退することもあるが、努力を重ねて成績はいつも上位を維持。また機械いじりが得意で、壊れた家電の修理からパソコン操作まで、誰から習うでもなく、すぐに使いこなせるようになる。将来自立できるように、得意なことを伸ばして欲しい、と閻さんは願う。
しかし、今後も学業を続けるには、閻さんが送迎しなければならず、学費のことも心配だ。閻さんの戸籍が現住所と異なるため、貧困申請もできず、働けないので職場からの援助もない。福祉の手が届かない現実に頭を抱えている。(翻訳編集・WF)