「中国の圧力真っ先に受ける台湾の努力を世界に」、対外情報発信に努める蔡英文総統

Record China    2019年3月9日(土) 17時10分

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台湾の蔡英文総統が海外メディアを通じた情報発信に努めている。台湾メディアは「中国の圧力をどの国・地域よりも先に受ける台湾の努力を世界に伝えるのが狙い」と報じた。写真は蔡英文氏。

2020年の台湾次期総統選に再選出馬を表明した蔡英文総統が海外メディアを通じた情報発信に努めている。背景には台湾と外交関係を結ぶ国が激減していることへの危機感などがあるとみられ、台湾メディアは「中国の圧力をどの国・地域よりも先に受ける台湾の努力を世界に伝えるのが狙い」と報じた。

独立志向が強い民進党の蔡総統は2月20日、次期総統選への出馬を正式に表明。統一を目指す中国から台湾を守ることなどが「私の使命であり、再選を目指す目的だ」と述べ、親中路線の最大野党・国民党を批判し、中国が要求する台湾への「一国二制度」適用に反発する有権者に支持を訴えて反中国の姿勢を鮮明にした。

台湾・中央通信社によると、蔡総統が海外メディアのインタビューに相次いで応じた理由について、民進党関係者は「米中貿易摩擦や中国の民主主義陣営への干渉などに国際社会の関心が集まる中、中国の圧力をどの国・地域よりも先に受ける台湾のさまざまな努力を世界に伝える」「日本やその他の東アジア、東南アジア諸国に対する協力を呼び掛ける」などと説明した。

米CCNとのインタビューで蔡総統は中国が武力統一の選択肢を捨てていないことを念頭に「第一波の攻撃に耐えるだけの力がある」と強調。「第一波の攻撃後、中国は国際社会からの圧力を受けると同時に、自国の経済や他分野への打撃をも受けなければならない」「われわれ自身が第一波の攻撃に耐えてから、全世界の他の国々がそろって中国に強い(抗議の)意思を明らかにして圧力をかけてほしい」として、米国を含む各国の支援に期待感を示した。

産経新聞との単独会見では日本との「安保対話」に初めて言及した。インタビューの要点をツイッターに日本語で投稿し、「一国二制度」を拒否する姿勢やサイバー攻撃に関する日本との対話を望む考えなどを発信した。日本の外務省は「応じる考えはない」と回答したとされるが、台湾の安全保障専門家は「台湾と米国が安全保障面において連携関係にあることを日本に伝え、台湾は日本とも米国と同様の連携関係を築けると示唆する意図があった」と分析している。

外交関係では2016年5月の蔡政権発足後、台湾はサントメ・プリンシペ(16年12月)、パナマ(17年6月)、ドミニカ共和国(18年5月)、ブルキナファソ(18年5月)、エルサルバドル(18年8月)の5カ国と断交。外交関係がある国は現在17カ国となっている。

台湾外交部(外務省)は立法院(国会)にこのほど提出した報告書で「近年、国内に多くの問題を抱える中国は台湾の国交国を奪うことで内外の関心をそらそうとたくらんでいる」と指摘。「台湾はこうした危機を転機に変えた上で、日米をはじめとする理念が近い国との連携を進め、民主化の経験を世界と共有したい」としている。(編集/日向)

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