広がる「お一人様経済」、一人火鍋や一人前商品が人気―中国

人民網日本語版    2019年3月2日(土) 1時0分

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「お一人様経済」の波が広がりつつある。「民は食をもって天となす」と言われるように、人々にとって大切な食に関わる外食産業は、この波をかなり早く察知した産業の1つだ。写真は火鍋。

「お一人様経済」の波が広がりつつある。「民は食をもって天となす」と言われるように、人々にとって大切な食に関わる外食産業は、この波をかなり早く察知した産業の1つだ。今や、ますます多くの人が「一人の食事だってちゃんと食べたい」と考えるようになり、食卓の上のお一人様経済がますます熱を帯びてきた。

■一人火鍋が流行、店員はできるだけ「邪魔をしない」

インターネットで「国際孤独登録表」というものが話題になっていた。孤独を10段階に分け、「1人で火鍋を食べる」は上から5番目で、「火鍋を食べるのに、一人では無理ということはない」とコメントが添えられていた。昨年11月、90後(1990年代生まれ)で浙江省麗水市出身の「一未」さんは、杭州市浜江区にお一人様向けの火鍋レストランを開店した。「他のレストランなら店員が丁寧にあいさつするが、うちは違っていて、なるべくお客様の邪魔をしないようにしている」という。

この店では、壁に向かって1人ずつ小鍋の火鍋を食べるスタイルで、日本の有名とんこつラーメンチェーン・一蘭の店作りを参考にした。1人用座席がずらりと並び、隣との間には気兼ねなく食べられるよう移動式のしきりが設置されている。席に座り、注文をし、勘定を払い、スープを足す、タレをもってきてもらうなど、すべてのプロセスを客がセルフで行い、店員はすだれの向こうのセントラルキッチンに「隠れて」いて、客が呼ばない限り自分から動くことはない。

グルメの「Feng」さんは同店を1回利用したことがあり、「こういう言葉を交わす必要さえない外食体験が非常に気に入った」という。料理を運ぶとき、店員はすだれをかかげて姿を現し、小さな火鍋と具材をテーブルに置き、全部で1分もかからない素早さだ。また、客が帰る前にテーブルの隅にあるボタンを押すと、店員が出てきてテーブルを片付けるようになっている。

■30日で10万人分、有名外食企業が「一人用デリバリー」に力入れる

国金証券股フン有限公司(フンはにんべんに分)の詳しい報告によると、2017年に全国の単身層は2億2000万人に達し、総人口の約15%を占めた。これほど大きな若い単身層の塊は、これからの中国の消費トレンドの変化を示す重要なバロメーターになったといえる。

第一財経商業データセンター(CBNData)が生活サービスプラットフォーム・口碑と共同で発表した「2018年生活消費トレンド方向」の関連データによると、現在の若い消費者は「一人を謳歌する」生活態度を示し、一人での食事、住宅賃貸、旅行、映画鑑賞、暮らしを楽しみ始めているという。

大手ECプラットフォームをみると、一人前の商品が高品質低価格で大変な人気だ。たとえば容量が通常製品の半分の電気炊飯器はわずか100元(約1600円)余りで、1度にゆで卵2~4個を作れるゆで卵器は40元(約640円)くらい、12リットルのミニトースターは100元もしない。2019年になると、大手食品ブランドが相次いで一人前パッケージの冷凍白キクラゲデザート、インスタント野菜スープを売り出し、流れに乗って調理油や調味料も1人用の少量サイズが売り出された。

昨年11月、天猫(Tmall)のランキングでは、一人前商品が人気商品の中でも特に人気が急上昇し、ミニ電子レンジは購入者の増加率が最も高く、前年同期比980%増加した。100グラム入り米、200ミリリットル入り赤ワインは同類商品の中で増加率が最も高かった。今年1月、京東超市が発表した年間食品ネット通販ランキングでは、18年の一人前商品の売上高は同60%以上増加し、代表的商品の「熱源つきミニ火鍋」はとりわけ驚異的な伸びを示した。これまでに熱源つきの参鶏湯、スペアリブ丼、バーベキュー、トリ串煮込みポーポージー、ピリ辛煮込み冒菜、すき焼き、プデチゲ(部隊鍋)などが相次いで発売されている。

一連の数字からわかるのは、「空の巣青年」から始まった「お一人様経済」が発展しつつあること、新たな消費のラベルになったこと、品質が向上していることだ。「お一人様経済は常に孤独を表しているわけではなく、『一人前』が特徴ということだ。消費者は『一人で食事』の魅力に気づき、『一人で気兼ねの要らない』消費体験を好むようになった」とみる人もいる。

業界関係者は、「一人前をメーンに扱う業態が単身層向けにより多く消費の入り口を準備し、機能がますます細分化された『お一人様に寄り添う産業』が切れ目なく繰り返し新製品を打ち出しており、消費高度化周期の転換点にさしかかったといえる」との見方を示した。(提供/人民網日本語版・編集/KS)

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