日中関係は回復傾向にあるのに、なぜ日本の元自衛官はあんなことを言ったのか―中国メディア

Record China    2019年2月26日(火) 8時50分

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25日、中国網は、日本の元自衛官が中国による侵略を予言したと報じられたことについて、その発言の理由について分析した専門家の意見を紹介した。資料写真。

2019年2月25日、中国網は、日本の元自衛官が中国による侵略を予言したと報じられたことについて、その発言の理由について分析した専門家の意見を紹介した。

まず記事は、米国・星条旗新聞の18日付の記事で、元航空自衛隊空将の織田邦男氏が、「中国は2025年にまず台湾を侵略し、45年には沖縄を侵略する」と主張したと報じたことを紹介。この発言に至った理由について、四川大学歴史文化学院の李若愚(リー・ルオユー)副研究員の意見を掲載した。

李氏は、「織田氏の発言は、熟考したものとは言えないが、歴史的な要因がある」と分析。「第2次世界大戦後、当初は戦争に対する反省が日本で主流を占めていたものの、米国主導の戦後改革が不徹底だったため、極右勢力が潜伏することとなり、1963年から65年までの間に『中央公論』に掲載された『大東亜戦争肯定論』が極右勢力にとって侵略を覆す始まりになった」と論じた。

その上で、「極右勢力の最終目的は、日本の再武装だ」と李氏は分析。「再武装の必要性を強調するため、日本は常に外敵の侵略に面しているとの憶測を作り出した」と主張し、「80年代に人気となった小説『日本封鎖』は、侵略された日本が外敵を倒す話だが、織田氏の発言はこの思想の延長上にある」と論を進めた。

また、今回、織田氏の発言が注目されたのは、「元航空自衛隊空将という身分と関係がある」とも指摘。「織田氏の発言がかなりの程度、自衛隊幹部の国際情勢に対する普遍的な認識を表しているとみなせるからである」とする一方で、「織田氏の発言が自衛隊の考えを代表しているといえるかどうかは、十分なサンプルに欠けている」とも述べた。

李氏は、織田氏が行ったとされる「中国は2025年にまず台湾を侵略し、45年には沖縄を侵略する」との発言の内容について、「『小人の心をもって君子の腹を探る』という憶測である」としたほか、「日本の極右勢力が中国問題において誤った見方をしていることを示している」とも指摘した。「それは、『一つの中国』の原則だ。だから『台湾を侵略』という言い方になる」とし、「台湾問題と領土問題は、歴史認識問題と同様、日中関係の柱である。両国の国交正常化以来、日本の歴代政府は一つの中国の原則を守ってきた。日中関係が改善している中で、極右勢力によるこのような発言が出ることは、よく吟味する価値がある」との見方を示した。

そして、「この言論は、われわれが日本と付き合う上で『二分法』を取ることの必要性を証明している。織田氏やその背後の極右勢力は日本の主流ではなく、少数の極右と平和を愛する大多数の日本国民を同列に論じることはできない。だが、日中関係がどのように良い方向に向かおうとも、日本国内の極右勢力に対する警戒を怠ることはできない。これは歴史から得た教訓だ」と結んだ。(翻訳・編集/山中)

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