保護者8割のホンネ、「自分の子とよその子を比較してしまう」

人民網日本語版    2019年2月22日(金) 13時40分

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中国青年新聞社社会調査センターと問巻網(wenjuan.com)はこのほど、2009人を対象とした調査を実施した。

中国青年新聞社社会調査センターと問巻網(wenjuan.com)はこのほど、2009人を対象とした調査を実施した。その結果、回答者の90.6%は、「自分の周囲には、子供に対する要求や望みが高い保護者が多い」と答えた。「自分の子とよその子を比較してしまうことがある」と答えた保護者は83.4%に達した。中国青年報が伝えた。

調査対象者のうち、子供を持つ保護者は89.8%を占めた。

〇「自分の周囲には、子供に対する要求や望みが高い保護者が多い」90.6%

調査によると、回答者の90.6%は、「自分の周囲には、子供に対する要求や望みが高い保護者が多い」と答え、うち32.0%は、「非常に多い」としている。

深センの高校で教鞭をとる付先生(仮名)は、「今の社会は競争が熾烈なため、親の子供に対する要求が普遍的に極めて高くなってしまっている。ほとんどの親は、子供の成績に大きな関心を寄せており、子供をさまざまな塾や習い事に通わせている」と話した。

北京で広告関連の仕事に就いている林さん(仮名)は、「親なら誰しもが、子供に対して大きな期待を寄せている。私は出来るだけより良い家庭環境を整え、子供が興味を抱いたことは何でも体験させてやりたいと思っている。物質的なことに関しては、着る物や食べ物の質の高さはもちろんのこと、精神面でも、子供が自分で学びたいことを学び、見たいものを見て、遊びたいものを遊ばせてあげたいと思っている。もちろんそれには子供自身がある程度、理解する力と判断力を身につけている必要がある」との見方を示した。

調査によると、「自分の子とよその子を比較してしまうことがある」と答えた保護者は83.4%に達した。

林さんは、「保護者会では、つい、自分の子とよその子を比較してしまう。結局、私は、体格から成績、さらには容姿にいたるまで、あらゆることを比較している。だが、そのことを子供に話すことはあり得ない」としている。

付先生は、「みんな明らかに子供たちの成績を比べているだけでなく、比較しながら、『我が子にはどんな点が足りないのか』、『気が利くかどうか』、『他人に対して礼儀正しいかどうか』といった点についても、こっそり考えを巡らせている。特に大勢の子供が一緒にいる場合は、誰がとびぬけていて、誰が落ちこぼれなのか一目見ればわかってしまう」と指摘した。

復旦大学社会発展・公共政策学院の沈奕裴・准教授は、「親が自分の子とよその子を比較するという行為」について、「子供ひとりひとりの違いは非常に大きい。ある子供は極めて外交的で活発な性格で、お喋りが上手だが、自分の子供は内向的だが、とても器用といったふうに。子供たちには、非常に多くの異なる点があるが、親はついつい、自分の子供の短所とよその子供の長所とを比べてしまい、焦ってしまいがちだ」と指摘する。

〇保護者の62.7%、「子育ての中で子供の天賦の才を伸ばすようにしている」

保護者の子供に対する要求や期待が高いことについて、「これは、親自身の願望を子供に託している表れだと思う」と答えた人は61.7%に上った。このほか、「子供に対する愛を表現している」とした人は57.8%。一方、「社会からのプレッシャーの現れだと思う」という回答も45.9%あった。

子供の教育について、親が重視する性格や特徴については、「活発で面白い(54.5%)」、「品性が良好(54.4%)」、「性格が明るい(54.4%)」、「身体能力が高い(51.3%)」などが挙がった。

「子育ての中で子供の天賦の才を伸ばすようにしている」とした保護者は62.7%に達し、「社会競争の基準を参考とすべき」は60.0%だった。

沈奕裴・准教授は、「保護者が子育てについて過度に焦ると、まず、子供がそのためにスポイルされてしまい、自主性に欠ける大人に育ってしまいやすい。次に、親子関係もそれによってマイナス影響を受ける恐れがある。このほか、親が育児で焦る現象は、いわゆる『劇場理論』で分析できる。この理論は、劇場の客席で、一部の人が立ち上がって映画を見ると、後ろの人は見えなくなるためどうしても立ち上がらざるを得ないという理論だ。もし、一部の親が子育てで過度に焦ると、ある意味で、他の親もそれにつられて不必要に焦ってしまい、全体の雰囲気がネガティブになり、社会全体に焦りのムードが漂ってしまう。親は、育児において、いろいろなことを学ばなければならないが、モーメンツ(WeChatのソーシャル機能)に投稿されている正しくない育児論を閲覧することは、極力避けるべきだ」と指摘している。

回答者を年代別にみると、「00後(2000年以降生まれ)」が0.6%、「90後(1990年代生まれ)」が21.6%、「80後(1980年代生まれ)」が60.2%、「70後(1970年代生まれ)」が13.0%。学歴別では、「大学院修士課程修了以上」が6.6%、「大学学部卒」が82.3%、「高等学校卒」が10.2%だった。(編集KM)

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