「広東・香港・マカオ大湾区計画綱要」が発表 8つの注目点

人民網日本語版    2019年2月20日(水) 15時40分

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市場が登場を待ちわびていた中国経済の発展プロセスにおける主要な一里塚となる「広東・香港・澳門(マカオ)大湾区計画綱要」がこのほど正式に発表された。注目すべき点は何か。

市場が登場を待ちわびていた中国経済の発展プロセスにおける主要な一里塚となる「広東・香港・澳門(マカオ)大湾区計画綱要」がこのほど正式に発表された。注目すべき点は何か。「証券時報」が伝えた。

▽注目点1:科学技術革新が最重要ポイント

広東・香港・マカオ大湾区は活力に満ちた世界的都市圏であり、世界的に影響力をもつ国際科学技術革新センターであり、同区の建設においては科学技術革新が最重要ポイントになる。

同綱要は、「広州-深セン-香港-マカオ」科学技術革新回廊の建設を推進し、人材、資本、情報、技術などの革新要素の地域の枠を超えた流動および地域間での調達にプラスとなる政策措置を模索し、広東・香港・マカオ大湾区ビッグデータセンターと国際化革新プラットフォームの協同建設を行う必要があると提起している。

注目すべきは、同綱要が地域レベルの株式取引市場をよりどころとして、科学技術革新金融支援プラットフォームを構築し、知的財産権の証券化に向けたテスト事業を展開するよう提起したことだ。

▽注目点2:広東・香港・マカオ間のインターネットブロードバンドを拡大

同綱要は、次世代情報インフラを構築し、スマートシティ圏を構築し、サイバーセキュリティのレベルを引き上げることを提起している。広東、香港、マカオ間のインターネットブロードバンドの拡大を推進し、インターネットプロトコルバージョン6(IPv6)に基づく次世代インターネットを全面的に展開し、インターネットバックボーン、メトロポリタンエリアネットワーク(MAN)、アクセスネットワーク、インターネットデータセンター、サポートシステムからなるIPv6のバージョンアップ・改良を推進することを提起している。また広東・香港・マカオ間の携帯電話の長距離・ローミング料金の引き下げを推進するとともに、同料金廃止の実行可能性(FS)研究を積極的に展開し、スマートシティ建設に基礎的支援を提供することを提起している。

▽注目点3:金融市場の相互接続を推進

同区は1国2制度、3つの関税エリア、3つの通貨という条件の下で建設されており、世界でもこうした前例はない。同綱要は金融業の発展について、国際金融ハブを建設し、特色ある金融産業の発展に力を入れ、金融市場の相互接続を秩序をもって推進することを提起している。また同区内での地域の枠を超えた人民元の利用規模、利用範囲の段階的拡大を提起している。

▽注目点4:投資円滑化を推進

同綱要は、「滬港通」( 上海・香港の株式市場相互乗り入れ)や「深港通(深セン・香港の株式市場相互乗り入れ)や「債券通」(ボンドコネクト。中国本土と香港間の債券相互取引制度)を絶えず改善するよう提起している。条件を満たした香港とマカオの銀行、保険会社が深センの前海、広州の南沙、珠海の横琴に営業拠点を設立することを支援するよう提起している。また「大陸部と香港の経済貿易緊密化協定」(CEPA)における香港・マカオのサービス産業に対する開放措置を踏み込んで実施し、広東、香港、マカオが専門的サービス機関を共同設立し、会計監査、法律・紛争処理サービス、管理コンサルティング、検査認証、知財権、建築と関連工事などの専門的サービスの発展を促進することを提起している。同区の企業が香港の検査認証などのサービスを活用するよう支援することを提起している。

また、同綱要は投資円滑化を推進し、大陸部と香港とマカオのCEPAに基づく一連の合意を実施し、香港とマカオに対して金融、教育、法律・紛争処理、海上・航空輸送、物流、鉄道輸送、電気通信、中医薬、建築・関連工事などの分野で特別開放措置を実施することを推進し、香港とマカオの投資家に対する資格の要求、持ち株比率、産業参入などでの制限のさらなる撤廃や緩和を検討し、広東において香港とマカオの投資家および関連産業の従事者にワンストップ式サービスを提供し、CEPAの枠組下での香港とマカオに対する開放措置をより着実に実施することを提起している。

▽注目点5:戦略的新興産業をより大きく

同綱要は、戦略的新興産業をより大きくすることを提起している。次世代情報技術、バイオ技術、先端設備製造、新材料などを発展させ大きくして新たな基幹産業とし、新型ディスプレー、次世代通信技術、5Gとモバイルインターネット、タンパク質を利用したバイオ医薬品、先端の医療診断装置、遺伝子検査、現代中医薬、スマートロボット、3Dプリンター、北斗衛星の応用といった重点分野において一連の重大産業プロジェクトを育てることを推進することを提起している。

また同綱要は、国際クルーズ観光の自由港を検討し、馬のスポーツと関連産業の発展を推進することを提起している。

▽注目点6:教育と人材の優位性を構築

同綱要は、珠江デルタ地域の9市に勤務・居住し、条件を満たした香港・マカオ出身者の子どもに、大陸部出身者と同じように義務教育と高校段階の教育を受ける権利を付与することを検討するよう提起している。また香港・マカオ出身の中国国民が法律に基づいて大陸部の国有企業・事業機関の職務を担うことを奨励し、香港・マカオ出身の中国国民が法律に基づいて大陸部の公務員に応募することを検討し推進するよう提起している。

▽注目点7:協力発展のプラットフォームを共同構築

深センの前海、広州の南沙、珠海の横琴の開発建設はこれまでずっと注目を集めてきた。同綱要は、深セン前海深セン香港現代サービス業協力区の機能を最適化し向上させ、オフショア勘定の機能を開拓し発展させ、上海自由貿易試験区の自由貿易勘定システムを参考にして、資本項目の両替自由化への有効なルートを積極的に模索することを提起する。また前海の発展の可能性をさらに拡大することを提起している。

同綱要は、広州・南沙・広東・香港・マカオ全面協力モデル区を建設し、広州・南沙を華南地域の科学技術革新成果の移転の拠点とし、珠海横琴における広東、香港、マカオの踏み込んだ協力モデルを推進し、横琴とマカオが提携して中国・中南米経済貿易協力プラットフォームを構築することを支援するよう提起している。

同綱要は、落馬洲河套地区の香港深セン革新および科学技術パークと、隣接する深方科学技術革新パークの建設を支援し、科学技術革新協力区を共同建設することを提起している。江門と香港、マカオが協力して大広海湾経済区を建設し、江門の銀湖湾浜海地区の開発を加速し、マカオと中山の経済、社会、文化など各方面での踏み込んだ協力を推進し、東莞と香港が協力して東莞の浜海湾新区の開発建設を進めるよう支援し、仏山の南海が広東・香港・マカオの先端サービス協力を推進するよう支援することを提起している。

▽注目点8:グリーン発展を革新

同綱要は、大湾区がグリーン・低炭素の発展評価を展開するよう推進し、炭素排出ができるだけ早くピークを迎えるよう努力し、グリーン発展モデル区を建設することを提起している。低炭素奨励メカニズムのテスト事業の経験を押し広め、広東・香港・マカオのカーボンフットプリント相互認証メカニズムの検討と応用モデルを推進することを提起している。また珠江デルタの大型石油貯蔵基地の建設を早急に推進し、液化天然ガス(LNG)ターミナルの新たな建設と既存のターミナルの処理能力の拡大を統一的に推進することを提起している。(編集KS)

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